【明治三陸津波120年】120年前はほんの昨日 iRyota25 2016.06.17 1 10,784 0 明治29年6月15日午後7時32分、岩手県釜石市東方約200kmを震源とするマグニチュード8.5クラスの巨大地震が発生。この地震によって発生した津波は、海抜38.2mという当時の観測史上最大の遡上高を記録し、岩手県、宮城県、青森県の沿岸部を中心に甚大な被害をもたらした。 ——と
【津波避難】女将が生き延びた宝来館の避難路 iRyota25 2016.06.24 4 9,850 0 海岸から溢れた津波が旅館の駐車場に迫る。一度は避難したのに、近所の方を心配して山を下りた女将に、「逃げろー!」高台に避難した人たちの絶叫のような声が響く。津波到来時の動画で日本中の人に知られることになった釜石市根浜海岸の料理宿「宝来館」。再建なった旅館の裏
【アバッセたかた】工事現場で驚いたこと hometown_of 2017.04.22 10 8,221 0 陸前高田の高田地区につくられる新しい中心市街地アバッセたかた。オープンは4月27日の予定。今月15日の撮影だから、オープンまでもう2週間を切っている。 建物の中ではテナントの開店作業が行われている。同時進行で外構や周辺の道路では工事が進められている。工事現場から
「校庭」のない中学校 iRyota25 2017.02.11 3 7,868 0 以前このページで、陸前高田市立高田東中学校の新校舎のことをお伝えした。震災後に合併して誕生した東中が、今年の3学期から新校舎での授業を始めたこと、その竣工式で校長先生が、「この春入学する新中学1年生たちはこれまで校庭というものを知らない子どもたちなのです」と
かさ上げされた盛土の上の別世界 iRyota25 2016.06.20 4 7,387 0 津波被害を受けた地域では、これから先の津波災害に対処するため、各地でかさ上げ工事が進められている。かさ上げとは、他の場所から土を持ってきて土地を高くすること。大げさな言い方をすれば、高い所から低い場所へという自然の摂理に抗って行われる、人類ならではの地球改
津波警報発令。その時わたしはどう行動したか iRyota25 2016.12.24 2 7,243 0 その朝、わたしは仙台市の隣の多賀城市にいた。前の日に鹿島神宮で「どうかこれ以上、地震や天災で人々が苦しみませんように」と願をかけた後、歌枕として有名な「末の松山」の写真を撮影するために、多賀城で夜明けを待っていた。 三十六歌仙の一人清原元輔が詠んだ「契りき
空に向かって語りかける「みんな元気にしているよ」 hometown_of 2017.03.13 11 6,955 0 凧が空を舞う。まるで空を行く鳥たちのように。空と大地をつなぐかのように。 3月12日、気仙天旗仙風会による「気仙天旗祈願祭」が陸前高田の海辺のかさ上げ地で行われた。 「震災で亡くなられた人の数だけ凧を揚げるんだけど、来ない?」 災害公営住宅に暮らすYさんからお誘
赤皿貝という名の極上の美味 iRyota25 2016.11.25 6 6,841 0 アカザラガイという食材を知ったのは、まだ関東近郊に暮らしていた頃のことだった。お昼のNHKテレビに地域の特産や風物を紹介する番組があって、その中でその貝が紹介されていた。 平日の昼日中のテレビ番組だから、祝日のことだったのかもしれない。仕事を休んだ時のことかも
【東北の風の道】まつり・つどい・いのり(第2号) iRyota25 2016.07.23 3 6,691 0 東北の各地が夏の祭りに向けて燃えている。 陸前高田の町でも8月7日の七夕祭りの準備がたけなわだ。お手伝いしている祭り組では、平日22時、23時過ぎまで作業が続けられることもざらだ。それでも祭り組の人たちは「今年はまだ午前0時を回ったことはないんですけどね」と笑う。
今年も開催される陸前高田気仙町の「けんか七夕」 iRyota25 2016.07.23 2 6,585 0 その「けんか」は一度見たら忘れることができない。肚の底にドスンと響くぶつかり合い。そしてお囃子。長い長い綱の引っ張り合い。 勇壮という言葉はこの祭りのためにあるのではないかと思えるほど、力強く魂を揺さぶる祭り。陸前高田の気仙町に長く伝わる七夕祭りだ。 けんか
新しいまち。この時期に道の段差を埋めるのはなぜ? iRyota25 2017.03.09 3 6,401 0 日曜日なのに道路の舗装工事が行われていたのは、陸前高田の市道大町線。4月27日に中心市街地の第一弾のオープンを控えた、ちょうどその場所、距離にしてほんの10メートルほどのこと。 仮設の道。本設だけど仮設の道 そこは、これまで何度も仮設道路の付け替えが行われてきた
2016年から2017年へ。陸前高田「うごく七夕」〜被災から変わっていく町が生きる現実であるということ〜 iRyota25 2017.01.07 2 6,202 0 一本松茶屋の交差点を曲がって国道340号線に入る。気仙川に沿うようにぐるっと迂回して走り、奈々切の跨線橋を越えると、目の前に長い坂道が見えてくる。陸前高田市高田町大石の坂道だ。登り切った所には市役所の仮設庁舎がある。今年の夏には県内最大規模の災害公営住宅であ
【気仙川・松日橋】橋をかける。何度でもかける iRyota25 2016.10.05 4 6,011 0 松日橋は岩手県南部を流れる気仙川に掛けられた木造の橋。川が増水した時には、橋そのものが浮き上がって流されるように作られた、いわゆる「流れ橋」だ。 流されるように作られた橋というと奇異に感じられるかもしれないが、頑丈な橋は濁流によって強度の限界を超えると橋そ
陸前高田うごく七夕「大石七夕組」2016年昼の部 iRyota25 2016.08.07 4 5,790 0 8月7日、陸前高田うごく七夕「大石七夕組」2016年昼の部スタート 七夕山車の飾り付け準備が始まって1カ月半。七夕を中心に巡る行事としては1月の虎舞から半年。さらに前年の御年祭、その前の夏の七夕からまる1年。続けられてきた祭り。引き継がれてきた思い。町への、そしてこ
【遺構と記憶】高田松原道の駅「タピック45」 iRyota25 2015.02.13 2 5,613 0 国道45号線沿い、陸前高田の高田松原側にあった「道の駅 高田松原」は東北随一、広さ4ヘクタールを誇る道の駅でした。直売所などの店舗やインフォメーションのほか、うごく七夕やけんか七夕の山車も展示されていたそうです。 三角形の建物が印象的な「タピック45」は道のシン
「奇跡の集落」吉浜に建てられたいくつもの記念碑 iRyota25 2016.06.13 3 5,447 0 岩手県気仙郡吉浜村。現在の大船渡市三陸町吉浜は「奇跡の集落」と呼ばれている。奇跡と称される理由は2つある。ひとつは東日本大震災の巨大津波の被害を受けながら、地域の人的被害は行方不明者1人にとどまったこと(隣の越喜来集落の老人ホームに入居していた11名が亡くなっ
未来への伝言「越喜来の潮目」の2016年6月 iRyota25 2016.06.24 7 5,406 0 この日も越喜来の「潮目」は健在だ。潮目はまるで秘密基地のような場所。高い塔が空に向かって背伸びする。ジャバラパイプの滑り台がある。ボートを使ったブランコがある。建物の中には秘密のトンネルもある。 まるで子どもたちの夢を形にしたみたいな秘密基地のほぼすべてが
【壊されゆくもの・つくられるもの】大船渡プラザホテル iRyota25 2016.06.19 1 5,358 0 解体が始まるとあっという間だ。1週間ほど前にはまだかつての面影が残されていたが、もはや外壁も一面を残すばかり。 復興の象徴でもあった明るい茶色のホテル 解体が進められている建物の名は、大船渡プラザホテル。震災前から大船渡市民に親しまれてきたが、2011年3月11日の
【復興支援ツアー2017】 命の大切さに気づく旅 byバイキンマン baikinman 2017.07.30 5 5,118 2 震災で子供を亡くした母さんたちの手紙が書かれた『ひまわりの おか』の絵本を、息子が借りてきました。 なんで借りたのか聞くと、 「どんだけ自分の命が大切なのか、分かるために借りてきた」と言っていました。 もともとネガティブ発言の多い息子。 気分が下がっている時な
【遺構と記憶】陸前高田の集合住宅 iRyota25 2015.01.20 2 5,074 0 国道45号線の沿線にたっていた5階建ての集合住宅2棟。海側の1棟は4階までが、ベランダから玄関まで津波でうち抜かれていた。人の姿がほとんど見られない高田の町で、津波の威力と想像を絶する恐ろしさを静かに物語り続けている。 震災後の陸前高田に残された衝撃的な建物は「
3月11日を迎えるために iRyota25 2017.03.07 4 5,033 0 陸前高田のコミュニティホール前の駐車場に「追悼式の会場設営のため」と記された駐車禁止の看板が掲げられたのは先週初めのことだった。 3月7日の早朝には、コミュニティホール向かいの公共駐車場で大きなテントの設営が始まった。 今年も3月11日がやってくる。あと5日。誰だ
5年6カ月後の空にそびえる「奇跡の一本松」 iRyota25 2016.09.13 4 4,985 0 樹脂で固定されたその松はいつ見ても変わることはないはずなのに、一本松の表情は一日として同じことはない。 震災からもう5年6カ月。9月10日と11日、陸前高田の奇跡の一本松に行ってきた。 晴れているか曇っているか雪空か、風は強いか、ツバメが飛んでいるか、野に花が揺れ
Spring has not come yet iRyota25 2017.03.11 7 4,982 1 春が来たかと思ったら雪が降る。安全まもる君のヘルメットにも雪が積もって、七福神お福禄寿のアタマみたい。 春はそう簡単にはやって来ないということか。それでもきっと春は来る。あとまだ何回も雪は降るだろうが、きっと春はやって来る。 知識としては分かっているのだが、
陸前高田の「みんなの家」かさ上げ工事で移転へ iRyota25 2016.07.15 2 4,935 0 陸前高田市高田町大石31番地。陸前高田の町が見渡せる高台にみんなの家はある。みんなの家は震災後の避難所生活の中で生まれたコミュニティに、伊東豊雄氏、乾久美子氏、平田晃久氏、藤本壮介氏の4人の建築家と陸前高田出身の写真家畠山直哉氏らが中心となって造った10坪ほど
「こどもは大人、大人もこども」陸前高田のこどもの日 hometown_of 2017.05.06 2 4,904 0 5月5日、こどもの日。陸前高田のかさ上げ地にオープンして1週間あまりのアバッセたかたでは、朝9時の開店早々、入口近くの広場にカラフルなエレキギターが並んだ。ん、エレキギター?? 餅まきという名のお菓子まき 広場(正式にはパブリックスペースという名称)には「餅まき