のつづき。
麻酔からぼんやり覚めた時、とっさにわいたのは「ごめんなさい!」という気持ちだった。
検査中の記憶は全くない。そして今ぼんやりはしているが、自分が病院にいて、横に看護師さんがいるという自覚はあった。
その中で、肛門を何かが通過している。自分の場合、これまでの人生で肛門を通過したことがあるものは「大便」しかない。
つまりぼんやりした意識のなかで自分の肛門付近をにゅるにゅると行き来する内視鏡を勘違いして、「やべえ、う○こ漏らしちゃった!」という感覚に襲われたというわけだ。だから「ごめんなさい!」なのである。
「たくさんありましたよー」
毎年受けている胃の内視鏡検査(麻酔あり)の時は車イスに座らせてもらって医師の説明を受けても、というか受けたかどうかさえ覚えていないのだが、今回は
「たくさんありましたよー。この場で取れる数じゃなかったのと、出血したら日帰りってわけにはいかないんで、日を改めて大きいヤツから取っちゃいましょう」
のくだりをはっきり覚えている。
ああそうか、日を改めて…
え?
♪もう1回もう1回~
ガンがあったかどうかすっ飛ばして「取っちゃいましょう」という気軽な提案だったので、深刻なものじゃなかったんだなとは思いつつ「10個以上あったポリープのうち大きいのだけ取る」という新たな面倒がやってきた。
検査そのものより再び「再検査のための診察と説明」で半休、さらに「再検査・ポリープ切除のあと1泊して様子見」ということでプラス2日有休を取るハメになってしまったのが憂鬱だった。
同じ医師と同じ看護師に「(検査までの工程は)もう知ってますよね」と半笑いで言われながら簡単な話だけして、1カ月もしないうちにまた内視鏡検査をすることになった。
そう、つまり
からの
というあのつまんない時間(苦痛というより、ただつまんない)を経て病院へ行き
を繰り返すこのポリリズム。この頃になるともうあきらめの境地である。
(あとちょっとだけつづく)
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