【遺構と記憶】高田松原道の駅「タピック45」

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国道45号線沿い、陸前高田の高田松原側にあった「道の駅 高田松原」は東北随一、広さ4ヘクタールを誇る道の駅でした。直売所などの店舗やインフォメーションのほか、うごく七夕やけんか七夕の山車も展示されていたそうです。

三角形の建物が印象的な「タピック45」は道のシンボル施設として平成3年に造られました。当初から津波避難施設として設計されており、海に面した斜面は津波のエネルギーを逃がすとともに、海側からの登りやすさが考慮されていたとのこと。

東日本大震災の津波は、タピック45では高さ13.7メートルに達したそうです。それでも津波避難施設として頑丈に造られた建物は津波に耐え、建物の構造は津波後も健在です。また、三角屋根の上部に登って難を逃れた人もいたそうです。しかし、津波の大きな圧力によって建物内の壁面は大きな損傷を受けています。

タピック45は、建物内にいた方に犠牲者が出ていない、かさ上げ予定地域外であることから、震災遺構としての保存が決定しています。

陸前高田復興まちづくり情報館

タピック45の駐車場に2014年8月、陸前高田の被害状況と復興事業を紹介する施設として「陸前高田復興まちづくり情報館」がオープンしています。

施設に入るとフロアの真ん中には現代アートを思わせる木のオブジェ…、と思いきや、これは高田松原で被災し枯れてしまった松の根です。展示のため天地逆に設置されているとのこと。空に向かって腕を伸ばしているように見えるのは、かつて美しい砂浜で地中深くに伸び、大地を掴んでいた松の根です。

残念ながら津波によって松の命は失われてしまいましたが、陸前高田のこの地に生きる人々を勇気づけてくれるかのようも見えてきます。

この松の根をご覧いただくためだけでも、ぜひ訪れてほしい施設です。

館内では、松の根を取り巻くように復興に向けての計画や進捗を示すパネル展示が行われています。かさ上げ工事が進められている陸前高田の未来の姿が見えてくる展示です。ぜひじっくり時間をかけてご覧ください。

石川啄木の歌碑「一握の砂を示しし人を忘れず」

「頬につたふなみだのごはず一握の砂を示しし人を忘れず」

タピック45の駐車場には、岩手県出身の歌人で高田松原を訪れたこともある石川啄木の歌碑が新設されています。高田松原に啄木の歌碑が建てられたのは実に3回目。最初の歌碑はチリ地震で、2番目の歌碑は東日本大震災の津波で流出し、3番目の歌碑となるとのこと。

頬を伝う涙をぬぐいもせず、一握りの砂を示した人のことを忘れない

歌集「一握の砂」の題ともなったこの歌が、明日に向けて生き続けていく陸前高田に相応しく思えるのは私だけではないでしょう。

高田松原の松は、長い時間をかけて再生される予定です。この周辺はメモリアル公園として整備されることになっており、公園整備に合わせて歌碑も移設されるとのことです。

陸前高田「タピック45」

陸前高田で奇跡の一本松を見た後には、是非立ち寄っていただきたい施設。犠牲になった方々を追悼し、震災を忘れることなく、未来への希望にふれることができる施設、生まれ変わろうとしている「タピック45」へぜひお越しください。

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