雪の朝の一本松 iRyota25 2016.12.19 3 2,213 0 陸前高田の町なかに、今年初めて雪らしい雪が積もった朝、久しぶりに一本松に行ってみた。積雪は日が昇るにつれてどんどん融けていき一本松への道はシャーベット状のぬかるみ道になった。 それでも、べちょべちょの雪の上には足跡がついていた。寒くても、雪が降っても、雪が
生きているということ hometown_of 2017.04.11 1 1,270 0 ここに写っているの、たぶん私なのよ。 陸前高田のコミュニティホールのエントランスで行われた津波写真展で、避難所となった体育館の写真を指差しながらAさんは話し始めた。数えきれないほどの人がいる体育館の写真の片隅。Aさんとはとても判らない小さな人影を指差しながら
一本松に「恥を知れ」と言い放つこころ iRyota25 2016.12.16 3 2,088 0 陸前高田といえば「奇跡の一本松」が有名だが、陸前高田市やその周辺に暮らす人たちの中には、実は一本松はをそれほどプラス評価していない人も少なくない。 とりあえず一本松で 来年2017年の春に中心市街地の一部オープンを控え、陸前高田ではさまざまな場所で将来の町づくり
お茶の小谷園からのメッセージ iRyota25 2016.12.18 3 1,853 0 かさ上げ工事が進む陸前高田の町なかの、まさに工事現場のすぐ近く、そして本丸公園に向かう神社への入口近くで、こんなメッセージを見つけた。 今年もあとわずか 健康で笑って 新年を迎えられますように メッセージが貼り出されているのは、創業80年以上、高田の町で唯一のお
冬には「雪っこ」がよく似合う iRyota25 2017.01.15 2 2,659 0 日が傾くにつれて気温はどんどん下がっていった。今シーズン最大の寒波、数年に一度規模の厳しい冷え込みと気象情報が繰り返していたその日、日没後にはクルマのデジタル外気温計の数値はあっという間に「-6」を示した。 年明けから春のような暖かさが続いてきた東北にも、本
味と人情の鶴亀鮨でのドラマ撮影 iRyota25 2016.12.18 3 1,773 0 岩手復興ドラマ、撮影最終日の夜は陸前高田の鶴亀鮨での撮影が行われた。撮影の見学に行ってみると、知人がエキストラとして参加していて驚いた。そればかりか、ドラマの原作者である佐々木俊夫さんは、鶴亀鮨のご主人と同級生だったと聞いてさらに驚いた。 さらに、エキスト
お返事は「ウン、冷え込んできたヨ」 iRyota25 2016.11.25 4 1,635 0 その翌日、岩手県はひどく冷え込んだ。 お世話になっている仮設住宅の自治会長さんの奥さんとすれ違う時に、寒いですねと挨拶したら、「ウン、冷え込んできたヨ」と言われた。 文字ではうまく伝わらないかもしれないけれど、南の地方からやってきた人間に、これから本格的に寒
津波警報発令。その時わたしはどう行動したか iRyota25 2016.12.24 2 7,254 0 その朝、わたしは仙台市の隣の多賀城市にいた。前の日に鹿島神宮で「どうかこれ以上、地震や天災で人々が苦しみませんように」と願をかけた後、歌枕として有名な「末の松山」の写真を撮影するために、多賀城で夜明けを待っていた。 三十六歌仙の一人清原元輔が詠んだ「契りき
寒風に負けない、ヤルキタウンの感謝デー iRyota25 2016.12.11 3 2,134 0 12月10日土曜日、陸前高田市米崎町の仮設商店街ヤルキタウンで「市民の交流イベント・お客様感謝デー」が開催された。 数日前には積雪を見た陸前高田だが、この日の天気は晴れ。しかし、海の近くのヤルキタウン。冷たい風が吹き付ける中でのお祭りとなった。冷たい風、なんて
「毎度ごひい〜きありが〜とおっ」の意味すること iRyota25 2016.10.31 5 2,194 0 お世話になっている知り合いの仮設住宅で作業などさせてもらっていると、昼間に裕次郎か何かの歌の口笛が聞こえてくる。口笛だけでなく「毎度、ごひい〜き、ありが〜とおっ」と決まった節回しの歌声も交じる。 さすがに裕次郎の口笛だけでは分からないが、歌声で誰が来たのか
「お隣」のコミュニティホールで毎朝行われるラジオ体操 iRyota25 2016.12.10 3 1,854 0 この夏から入居が始まった陸前高田の県営栃ケ沢アパート。県内最大の災害公営住宅だ。先日、入居している男性宅を初めて訪ねた。 男の一人住まいとは思えぬほど広々とした室内は、考えてみれば「物がない」ということの裏返しだったのかもしれない。それがその人の人となりに
「虎舞の稽古」祭りは世代をつないで iRyota25 2017.01.12 2 1,780 0 陸前高田大石祭り組の虎舞、今年は1月15日に開催されることに決まった。元々虎舞が行われていた小正月の開催は久しぶりのこと。 震災後に建て替えられた公民館に笛の音が響く。太鼓が床を振るわすと同時に、虎が躍動する。この日は虎舞の稽古だ。 震災後にこれまで参加させて
アバッセの看板が掲出される【2017.3.11】 hometown_of 2017.03.11 1 2,059 0 3月11日2時半過ぎ、陸前高田のかさ上げ地に建築中の「アバッセ(Abasse)」の敷地東側に、施設名を示す看板が掲出された。 防災無線で黙祷が呼びかけられた時間をはさんで、現場では看板のベース部分の工事が続けられていた。3.11に合わせての看板お披露目かと思って作業員さ
この土地を埋め尽くした真っ黒な濁流 hometown_of 2017.03.11 1 1,758 0 土木作業員のKさんと偶然再会した。3.11の数日前の夕方、「おう、久しぶり」と声を掛けられた。Kさんは仕事帰りに一本松茶屋で休憩している様子だった。 真っ黒な巨大な渦 少し気が早いが今年の祭りのことを話したりしていたら、Kさんが突然あの日のことを語り始めた。 「あん
東北の地に蕎麦を蒔いたトヨタグループのボランティア。なぜ住田町でだったのか iRyota25 2016.10.31 4 2,125 0 7月末の夏祭りに合わせてやってきて、トヨタグループのボランティアチームが住田町の畑で蕎麦を蒔いてから3カ月。蕎麦畑の蕎麦はしっかり実をつけていた。 彼らが夏にやって来た時には、『デンボク設置』という農作業が物珍しくて、ボランティアさんたちのさらにサポートとい
3月11日、朝の風景 hometown_of 2017.03.11 1 1,611 0 3月10日の次の日は11日。当たり前のことなのだが、気持ちがざわざわするのはなぜだろう。 式典会場の大きなテントの向かい側、コミュニティホールに掲げられる旗が半旗だった。毎朝9時に掲揚される3つの旗。今朝、その旗を掲げた人は何を思ったことだろう。 コミュニティホー
陸前高田の新しい町への動きを目の当たりにできる場所 iRyota25 2016.12.16 2 2,255 0 「一本松は恥を知れ」「一本松なんか見たことないもんね」と少々過激な言葉で、「もっと陸前高田の本当のいまを見てほしい」と伝えた人たちが推薦してくれた陸前高田のビューポイント。ひとつは高田の町の背後に聳える氷上山。さすがに標高874メートルの山に登るのは大変だと
ちいさいおうちの手づくりクリスマス会 iRyota25 2016.12.11 2 2,258 0 「ちいさいおうち」は、盛岡市のNPO法人うれし野こども図書室が陸前高田市に設立した小さな図書室。市内竹駒町にある陸前高田市図書館のお隣にある。 12月11日、ちいさいおうちのクリスマス会が開催された。 音楽あり、影絵あり、プレゼントありのクリスマス会は、ちいさいお
海から見た一本松 iRyota25 2016.12.16 2 1,709 0 被災から復興に向かう町の姿を海から見ると、地上から見たのとはまったく異なる光景を目にすることができる。気仙沼や山田でそのことを学んだが、陸前高田の「奇跡の一本松」の場合、海の方から見てみたいと思うことにもうひとつ別の理由があった。 それは、一本松が立ってい
被災地での自殺。ある日の新聞から iRyota25 2016.09.24 5 2,502 0 ある日、地方紙の地域面にこんな記事が掲載されていた。 陸前高田消防署が駆けつけた時には意識がなく即死状態で、飛び降り自殺した可能性がある。 震災の年、家も家族も職場も生活の場も失った人たちは、小学校や中学校などの体育館などに設置された避難所で、夏過ぎまでの長
まちはどうなる、どうつくる(陸前高田発) iRyota25 2016.12.10 2 1,418 0 夜の神戸で「まちびらきのためにはまずひと起こし、むしろひと起こしがあって初めてまちびらき」と意気投合した彼と、数日後、陸前高田で再会した。 再会したのは陸前高田で活動する主だったNPO団体が主催し、これから新しくつくられていく町にどうしたら「にぎわい」をもたら
陸前高田で開催された国体のビーチバレー iRyota25 2016.09.12 5 2,487 0 青い空にボールが高く上がる。砂浜に選手たちの声が響き渡る。 震災後の被災地ではじめて開催される「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」。10月1日の総合開会式に先立つ8月31日、陸前高田市の特設会場ではデモンストレーション競技「ビーチバレー」が開催された。 ビーチバ
笑顔で快走!ツール・ド・三陸2016 iRyota25 2016.10.05 4 1,580 0 カラフルなバイシクルスーツとヘルメットで身を固めた人たちが、奇跡の一本松を望む気仙大橋、かさ上げ工事が進む町を走っていく。 町全体が工事現場のような埃っぽい景色に見慣れた目には、ロードバイクの集団はかなりのインパクト。写真は秋晴れの9月25日、陸前高田市と大船
5年6カ月後の空にそびえる「奇跡の一本松」 iRyota25 2016.09.13 4 4,992 0 樹脂で固定されたその松はいつ見ても変わることはないはずなのに、一本松の表情は一日として同じことはない。 震災からもう5年6カ月。9月10日と11日、陸前高田の奇跡の一本松に行ってきた。 晴れているか曇っているか雪空か、風は強いか、ツバメが飛んでいるか、野に花が揺れ
8月6日と8月9日 iRyota25 2016.08.09 7 2,315 0 今年の8月6日午前8時15分は、移動中の車中だった。ハンドルを握りながらでは黙祷もできないので、原爆記念公園のあの場所がたくさんの人たちと、白い花で埋められている様子を想像しながら、平和公園の碑文の言葉を思う。 「過ちは 繰返しませぬから」 しかし、どうやって? 8