3月11日2時半過ぎ、陸前高田のかさ上げ地に建築中の「アバッセ(Abasse)」の敷地東側に、施設名を示す看板が掲出された。
防災無線で黙祷が呼びかけられた時間をはさんで、現場では看板のベース部分の工事が続けられていた。3.11に合わせての看板お披露目かと思って作業員さんに聞いてみると、「当初からこの日に掲出するという予定だった」とのこと。
看板の掲出が地震発生時刻にほぼ一致したのは、「たまたまだった」とか。
「アバッセ」は気仙地方で「行きましょう」と呼びかける言葉。人々が誘い合って集う場所になってほしいという願いが込められたネーミングだ。施設にはスーパーやドラッグストアなどの大型店舗に、震災前からこのまちで商売してきた小売店、さらに図書館が入居する。ショッピングモールと文化施設を組み合わせた複合施設というのが特長だ。
アバッセは陸前高田のまちなかにあって、大規模な本設施設としては第一弾となる。6年という長期間、仮設店舗での営業を続けてきたお店、そして昔ながらのお店を愛してきた地元の人たちにとっても期待の施設震災後いったんは盛岡に転出して営業していたお店のカムバックといったうれしい話題もある。
まちの変化を見る上で定点観測地点として好適な本丸公園から見ると、アバッセの建物は完成に近づいているような印象だ。しかし、建物の外壁はともかく、設備や内装、さらに外周の道路などはまだまだ建設途中。
出店予定の人たちでも建物内部に入れるのは来月上旬からになるという話もあるくらいだから、スケジュールはかなりギリギリだ。
第一期分のオープンは4月27日に決定している。工期が迫っていることは、アバッセ周辺で土日も返上で工事が進められていることからも分かる。
陸前高田市の高田町地区にとっての希望の星「アバッセ」。3月11日というこの日に看板が掲げられたことで、まちの再建が加速してほしい。そして、アバッセがその言葉通り、人々の集いの場所になりますように。
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