笑顔で快走!ツール・ド・三陸2016

iRyota25

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カラフルなバイシクルスーツとヘルメットで身を固めた人たちが、奇跡の一本松を望む気仙大橋、かさ上げ工事が進む町を走っていく。

町全体が工事現場のような埃っぽい景色に見慣れた目には、ロードバイクの集団はかなりのインパクト。写真は秋晴れの9月25日、陸前高田市と大船渡市を舞台に開催された「ツール・ド・三陸 in りくぜんたかた・おおふなと2016」のひとこま。

「ツール・ド~」とは言うものの、ご本家フランスのプロレースとは違って、参加者はみんな和やかな雰囲気。自転車を降りて横断歩道を渡ったり、沿道で声援を送る人に手を振って笑顔をふりまいてくれる。声援を送るためにやってきたわけではない人たちに対してもフレンドリーに声を掛けてくれたりするものだから、一本松を見に一本松茶屋の駐車場に来た人たちも、にわかツール観戦ピープルになっていた。

陸前高田の津波被災地を走るちびっ子バイカー。これなんか、シャッターを切った時にはいい写真になるぞと思ったものだ。

たしかに写真を撮る側にしてみれば、かさ上げの土色の壁とローディの姿の対比は狙い目ではある。それなのになぜかツール参加者にレンズを向けているうちに、もっとシンプルに応援したいという気持ちに変わっていった。

女性ローディに続く赤シャツ・赤チャリの人たちは…

荷台にはゆうパックの梱包。よく見ると自転車には「〒」マーク。きっと郵便局の社員さんチームだったのだろう。

後続の赤シャツさんの自転車をよく見ると、ハンドルには郵便を入れる革バッグも。がんばれ〜と声をかけると思いっきりの笑顔で応えてくれた。

走っているのは被災した陸前高田の町。被災地の現状をサイクリングを通じて外の人たちに知ってもらって交流人口を増やしたい。主催者の狙いもきっとそこにあるのだろう。だから、かさ上げされた土の壁とローディたちの対比という写真の撮り方もアリなはず。それでも、カッコいいバイシクルスーツに身を固めたローディたちやに混じって、ちびっ子ライダーやママチャリライダー、なぜか平泉の観光レンタサイクルに跨がった人たちが続々と笑顔で通り過ぎていくのを見ていると、ここが被災地であることを一瞬忘れそうになる。楽しそうにロードしている人たちから、笑顔が伝染ってくる。

かつてJRの線路が走っていた奈々切の跨線橋を登ってくる、ひときわ派手な一団があった。

なんと、戦隊ヒーローのコスチュームに身を包んだ人たちだった。何レンジャーなのかは分からないが、坂道に喘ぎながら「暑っちいっす〜」と叫ぶその顔は、マスク越しながらヒマワリみたいに笑っているのがよく分かった。

後日、災害公営住宅に最近引っ越したばかりの知人と話していたら、この時の何とかレンジャーの話題になった。

「ゴールで一緒に写真撮ってもらったのよ~。孫に見せたらとっても羨ましがってたよ」

レンジャーもローディもライダーも、いろんなところでたくさんの人たちとふれ合っていたのだった。かさ上げの土色をバックにした写真も悪くはない。でも、彼女に見せてもらったレンジャーたちとの記念写真にははるかに遠く及ばなかった。

 ツール・ド・三陸 サイクリングチャレンジ 2016 in りくぜんたかた・おおふなと
www.tour-de-sanriku.com  

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