楢葉町の誇りだった場所 iRyota25 2016.12.10 2 1,882 0 去年の夏(2015年)、福島県出身で東京電力福島第二原発に勤務していたという人に浜通(福島県の沿岸地方)を案内してもらったことがあった。その時彼が残念そうに語った場所を1年ぶりに訪ねてみた。 その場所は、国道6号線沿いにある、正確には「あった」、道の駅ならは。 国
東北の地に蕎麦を蒔いたトヨタグループのボランティア。なぜ住田町でだったのか iRyota25 2016.10.31 4 2,125 0 7月末の夏祭りに合わせてやってきて、トヨタグループのボランティアチームが住田町の畑で蕎麦を蒔いてから3カ月。蕎麦畑の蕎麦はしっかり実をつけていた。 彼らが夏にやって来た時には、『デンボク設置』という農作業が物珍しくて、ボランティアさんたちのさらにサポートとい
2016年から2017年へ。今年の成人式の日。この空を飛びゆく者たち iRyota25 2017.01.09 3 1,686 0 田舎の方の公民館に行くと、部屋の長押(壁の上の方に渡された横木)の上に、ずら〜っと額縁入りの写真や賞状が飾られていたりする。明治のころの初代村長以下歴代村長の写真だったり、官公庁から贈られた感謝状だったり、町民運動会で「右の成績をおさめましたので」との表彰
ちいさいおうちの手づくりクリスマス会 iRyota25 2016.12.11 2 2,258 0 「ちいさいおうち」は、盛岡市のNPO法人うれし野こども図書室が陸前高田市に設立した小さな図書室。市内竹駒町にある陸前高田市図書館のお隣にある。 12月11日、ちいさいおうちのクリスマス会が開催された。 音楽あり、影絵あり、プレゼントありのクリスマス会は、ちいさいお
夏を彩る「みつわ」の冷やし中華 iRyota25 2016.09.12 4 2,241 0 今年の東北の夏の暑さは異常なほどだった。8月から9月にかけて4つも接近・上陸した台風が過ぎ去って秋空がようやく見られるようにはなったものの、晴れた日中はまだまだ暑い。お盆を過ぎればもう秋、と言われる東北地方では冷やし中華の季節は短いが、今年ばかりはまだまだ続
加茂神社の津波警報塔 iRyota25 2016.11.08 2 1,981 0 大船渡駅前の時計塔が仮置きされた公民館前の公園から数100メートルしか離れていない加茂神社の境内からは、新しくつくられていく町がよく見える。津波に襲われた平地に突き出す半島のような高台にあるから、かさ上げされた新しい市街地や、先行してオープンしたショッピング
被災地での自殺。ある日の新聞から iRyota25 2016.09.24 5 2,502 0 ある日、地方紙の地域面にこんな記事が掲載されていた。 陸前高田消防署が駆けつけた時には意識がなく即死状態で、飛び降り自殺した可能性がある。 震災の年、家も家族も職場も生活の場も失った人たちは、小学校や中学校などの体育館などに設置された避難所で、夏過ぎまでの長
大島行きフェリーから見た気仙沼港 iRyota25 2016.09.21 5 2,037 0 汽笛を鳴らして船が出る。静かに埠頭を離れたフェリーはホテルや観光施設に並行して大島へ向かう。初秋の日差しがまぶしい。係留されている船が白く輝く。 出航してからしばらくは、気仙沼のみなとまつりで海上のねぶたとも言うべき「海上うんずら」が運行するのと同じような
海は知っている「長須賀つながりビーチの海開き」 iRyota25 2016.08.01 7 3,056 0 目の前に広がるのは青い海、そして青い空。波の音が聞こえる。子どもたちの、家族連れの、そして恋人たちの歓声が聞こえる。 ここは南三陸町歌津にある長須賀つながりビーチ。7月30日午前9時にオープンしたビーチの様子を写真集でお届け。 オープンの日のビーチで見られたのは
見つけたボール iRyota25 2017.02.13 1 1,074 0 夢を見た。誰かとキャッチボールをしていて、どこかに飛んでいったボールを探す夢。この辺だろうかと目星を付けた場所で見つからなくて、どこだろうとあちこち探し回ったのにどうしても見つからない夢。 よくありがちな夢だ。 夢なんて、いい夢だから覚えておこうと思っていた
かさ上げされた土地で感じた『意外』 iRyota25 2016.10.31 3 2,044 0 御蔵山は山田町の町のほぼ中心、海の近くにある小さな丘。江戸時代にはこの場所に、南部藩の出先機関が置かれていて、米や海産物など年貢として納める品物の蔵があったのだという。お上の蔵が置かれていたから御蔵山。まさにそのままのネーミングなのだが、そんな施設が小高い
笑顔で快走!ツール・ド・三陸2016 iRyota25 2016.10.05 4 1,580 0 カラフルなバイシクルスーツとヘルメットで身を固めた人たちが、奇跡の一本松を望む気仙大橋、かさ上げ工事が進む町を走っていく。 町全体が工事現場のような埃っぽい景色に見慣れた目には、ロードバイクの集団はかなりのインパクト。写真は秋晴れの9月25日、陸前高田市と大船
「毎度ごひい〜きありが〜とおっ」の意味すること iRyota25 2016.10.31 5 2,194 0 お世話になっている知り合いの仮設住宅で作業などさせてもらっていると、昼間に裕次郎か何かの歌の口笛が聞こえてくる。口笛だけでなく「毎度、ごひい〜き、ありが〜とおっ」と決まった節回しの歌声も交じる。 さすがに裕次郎の口笛だけでは分からないが、歌声で誰が来たのか
気仙沼でラーメンなら、漁火ごだいの「海鮮塩」 iRyota25 2016.09.12 6 3,366 0 ホタテ、カキ、エビ、イカ、ワカメ、メカブにノリにフノリ。気仙沼の海の幸がふんだんに盛り込まれた海鮮塩ラーメンは、潮風香る豊かな気仙沼の海そのものだ。 気仙沼から太平洋に突き出す唐桑半島はカキ養殖のメッカ。カキのみならず、ホタテやワカメの養殖も盛んな上、暖流
陸前高田で開催された国体のビーチバレー iRyota25 2016.09.12 5 2,487 0 青い空にボールが高く上がる。砂浜に選手たちの声が響き渡る。 震災後の被災地ではじめて開催される「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」。10月1日の総合開会式に先立つ8月31日、陸前高田市の特設会場ではデモンストレーション競技「ビーチバレー」が開催された。 ビーチバ
冬には「雪っこ」がよく似合う iRyota25 2017.01.15 2 2,659 0 日が傾くにつれて気温はどんどん下がっていった。今シーズン最大の寒波、数年に一度規模の厳しい冷え込みと気象情報が繰り返していたその日、日没後にはクルマのデジタル外気温計の数値はあっという間に「-6」を示した。 年明けから春のような暖かさが続いてきた東北にも、本
【タイムカプセル】いわき市永崎海岸、往年の姿 iRyota25 2016.09.28 2 2,551 0 久之浜でいつもお世話になっている新聞記者さんが、いわき市の「ふるさとだより」をいつも送ってくれる。最新号の表紙は小名浜エリア江名地区の獅子舞。そして、裏表紙には海水浴場として栄えていた当時の永崎海岸の写真。「永崎海岸」という地名がとても懐かしく思えた。そし
待ち遠しい今年の実り「たかたのゆめ」 iRyota25 2016.09.12 4 1,547 0 この8月以降、台風や大雨に繰り返し見舞われてきた東北で、お米の実りが始まっている。陸前高田市横田の水田でも、震災後に生まれたブランド米「たかたのゆめ」が、粒ぞろいの実のたくさん詰まった穂を垂らすようになってきた。 「たかたのゆめ」は震災後、陸前高田の気候に合
2016年から2017年へ。陸前高田「うごく七夕」〜被災から変わっていく町が生きる現実であるということ〜 iRyota25 2017.01.07 2 6,208 0 一本松茶屋の交差点を曲がって国道340号線に入る。気仙川に沿うようにぐるっと迂回して走り、奈々切の跨線橋を越えると、目の前に長い坂道が見えてくる。陸前高田市高田町大石の坂道だ。登り切った所には市役所の仮設庁舎がある。今年の夏には県内最大規模の災害公営住宅であ
行列のできる「やぶ屋」の天ざる iRyota25 2016.09.12 4 2,037 0 4人がけの座卓に5つも並んだ天ざる蕎麦が壮観だ。いつもなら冷やしたぬき蕎麦とミニカツ丼といったボリューム満点の組み合わせに走りがちな若者たちも、夏祭り前の景気付けにと揃って天ざるを注文。お隣と肘がぶつかるのを気にしながらも美味しくいただいた。 蒸篭から蕎麦が
陸から見た気仙沼港 iRyota25 2016.09.21 3 2,277 0 気仙沼市朝日町、港に面したエリアの様子。 この建物には「気仙沼総合庁舎」の看板が掲げられているが、同じ名前の建物は震災の翌年解体され、より内陸部の東浜街道沿いで新築工事が進められているらしい。 建物の最上階には「津波避難ビル」の表示。そして2階の窓の上の青い
津波警報発令。その時わたしはどう行動したか iRyota25 2016.12.24 2 7,254 0 その朝、わたしは仙台市の隣の多賀城市にいた。前の日に鹿島神宮で「どうかこれ以上、地震や天災で人々が苦しみませんように」と願をかけた後、歌枕として有名な「末の松山」の写真を撮影するために、多賀城で夜明けを待っていた。 三十六歌仙の一人清原元輔が詠んだ「契りき
【お囃子の練習スタート】祭りの音色がこの町の空に響く iRyota25 2016.07.27 6 2,529 0 町に太鼓が鳴り響く。夏日の落ちた空に鳴り響く。陸前高田の夏祭り「うごく七夕」。いよいよお囃子の練習がはじまった。 予定の開始時刻に先立って、6時前から鳴り出した太鼓。それが呼び太鼓となって、夕暮れの町から若者たちが集まってくる。 練習の最初は中学生を中心に小
8月6日と8月9日 iRyota25 2016.08.09 7 2,315 0 今年の8月6日午前8時15分は、移動中の車中だった。ハンドルを握りながらでは黙祷もできないので、原爆記念公園のあの場所がたくさんの人たちと、白い花で埋められている様子を想像しながら、平和公園の碑文の言葉を思う。 「過ちは 繰返しませぬから」 しかし、どうやって? 8
ヘルメット着用のビーチ「よみがえれ白砂青松」 iRyota25 2016.08.06 5 2,583 0 青い海と白い砂浜が陸前高田に戻ってきた。 「なつかしいわ〜」 寄せてくる波と戯れるように浜辺を行き来しながら写真の女性はつぶやいた。 「サンダルで来ればよかったわ」 8月6日午前、陸前高田の防潮堤工事現場で開催された住民のための見学会での一こま。 ヘルメット着用