久之浜でいつもお世話になっている新聞記者さんが、いわき市の「ふるさとだより」をいつも送ってくれる。最新号の表紙は小名浜エリア江名地区の獅子舞。そして、裏表紙には海水浴場として栄えていた当時の永崎海岸の写真。「永崎海岸」という地名がとても懐かしく思えた。そして3年前の夏、この浜辺でビーチクリーンをがんばっていた若者たちのことを思い出した。
左側、昭和30年代半ばの写真には数えきれないほどの海水浴客の姿がある。まさにこの場所はいわき市の湘南とでも言うべき場所だったのだろう。
そんな歴史を知っていたら、3年前のあの日、もっと違ったものを感じ取ることができたかもしれない。
あの日、休憩のためにたまたま立ち寄った永崎海岸の駐車場。そこでたまたま出会った若者たち。海水浴場としての再開の目処は立っていないのに、自発的にビーチクリーンをしているのだと言っていた。その日、ビーチでゴミ集めに汗を流していた若者たちの澄んだ眼差しが忘れられない。
旅人としての眼差しには見ることのできない「ふるさとの海」が、若者たちに見えていたのは間違いない。
あの日、同行した知人が書いた記事を紹介したい。彼もまたこの浜の歴史など知らなかったはずだ。それでも、若者たちと語り合う中で、彼らの思いは汲み取っていたようだ。だからこそ、もっとこの土地のことを知っていたらと思う。あの後、再び永崎のビーチを訪れていたらと思う。
「ふるさとだより」の記事は、永崎海岸そのもののことよりも、当時この海岸沿いを走っていた江名鉄道についての紹介が中心だった。まさかあのビーチに鉄道が走っていたとはとあらためて驚かされた。
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