この8月以降、台風や大雨に繰り返し見舞われてきた東北で、お米の実りが始まっている。陸前高田市横田の水田でも、震災後に生まれたブランド米「たかたのゆめ」が、粒ぞろいの実のたくさん詰まった穂を垂らすようになってきた。
「たかたのゆめ」は震災後、陸前高田の気候に合ったブランド米を!と作られるようになった(正確には過去に開発されていた種子を発掘・栽培)、地域限定で生産されるお米。数少ない種籾を少しずつ増やし、栽培規模の拡大を図ってきた。
「たかたのゆめ」は、イネとしては病害虫などに強く育ちやすいという特徴を持っている。そしてお米としては、すっきりとした味わいで料理を引き立てる名脇役として評価が高い。たとえば「てるてる-くいどころ小澤-」など陸前高田市内の料理店はじめ、東京駅のアンテナショップや新幹線のお弁当としても人気を博している。陸前高田市が新たな観光資源として開発した「陸前高田ホタテとワカメの炙りしゃぶしゃぶ御膳」(略称ホタワカ御膳)に使われているのも「たかたのゆめ」に他ならない。
そんな「たかたのゆめ」。あと少しで今年の新米にありつける。度重なる大雨や天候不良に負けることなく、美味しいお米をたくさん実らせてほしい。
「たかたのゆめ」はご飯として食べるのが一番なのはもちろんだが、お土産用のパッケージや米粉として使用した商品も数多く開発されている。陸前高田を代表するお菓子の「木村屋」さんでも、地元のソウルフーズというべき雁月やゆべしなど、「たかたのゆめ」の美味しさを生かした商品をつくってきた。
地元復活に向けて地域の人たちが力を合わせてブランド化に力を注いでいる「たかたのゆめ」。被災した陸前高田の再生の象徴として、これからますますたくさんの人に注目していただきたい。
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