車は、いざという時にすぐに逃げられるように停めなきゃ iRyota25 2016.12.14 3 2,848 0 何気ない日常の光景から被災地の実情が見えてくる。 写真は夕暮れ時の大型スーパーの駐車場。写っている車はすべて前に向いている。つまりバックで停めて、前進で出庫できる方向に停められている。 東北の被災地では駐車している車の多くがこの形。私自身、東北に来たばかりの
「校庭」のない中学校 iRyota25 2017.02.11 3 7,876 0 以前このページで、陸前高田市立高田東中学校の新校舎のことをお伝えした。震災後に合併して誕生した東中が、今年の3学期から新校舎での授業を始めたこと、その竣工式で校長先生が、「この春入学する新中学1年生たちはこれまで校庭というものを知らない子どもたちなのです」と
400年前、道慶さんが目にしたもの iRyota25 2017.02.13 4 3,572 0 むかしむかし、いまからもう400年もむかし、陸前高田に村上道慶という人が住んでいなすった。道慶は西国出身の武士の家柄だったが、伊達の殿様の頃に大肝煎のお屋敷のあった今泉村に移り住んで、村人たちに読み書きなんかを教えて暮らしていたそうな。道慶はやがて気仙川の対
初めてのお茶会に咲いた笑顔の花 hometown_of 2017.04.15 1 1,749 0 3月30日は旧暦のひな祭り。この日、陸前高田の栃ヶ沢アパートの集会所では、手作りのおひな様を眺めながらのお茶会が開かれた。 おひな様は栃ヶ沢アパートに暮らすお茶の先生が作ったもの。先生のお宅は津波の被害を受け、おひな様もお茶道具もみんな流された。この日飾られた
復興ドラマの舞台となった老舗理容室 iRyota25 2016.12.18 3 2,271 0 岩手復興ドラマの撮影現場に行ってきた。撮影場所は大船渡で一番の歴史を誇る老舗理容室と聞いて、盛あたりの古い町並みに残った建物かと勝手に想像していたのだが、訪ねていくとそこは大船渡市大船渡町の仮設店舗。加茂神社への登り口近くに建つ大同理容さんだった。 老舗と
久しぶりのサン・アンドレス公園 iRyota25 2016.11.15 4 3,418 0 大船渡の魚市場近くにあるサン・アンドレス公園。異国情緒が感じられるネーミングは1611年にスペインの探検隊が大船渡を訪れたことにちなむという。タワーが印象的なこの公園は東日本大震災の津波をもろに受けたものの、タワーは生き残った。大船渡の町の変化を見渡すことがで
閑話休題「東北の湘南」ってどこ? iRyota25 2016.12.18 3 4,904 0 他意のない軽いジョークみたいなお話しなので、あまり深く考えられませぬように。 岩手県沿岸で最も南、陸前高田でお茶っこにはまらせて(参加させて)もらっていた時のこと。いまどこに泊まってるのか聞かれて、住田町だと答えると、 「んまあ、そんなチベットみてえなとこか
味と人情の鶴亀鮨でのドラマ撮影 iRyota25 2016.12.18 3 1,773 0 岩手復興ドラマ、撮影最終日の夜は陸前高田の鶴亀鮨での撮影が行われた。撮影の見学に行ってみると、知人がエキストラとして参加していて驚いた。そればかりか、ドラマの原作者である佐々木俊夫さんは、鶴亀鮨のご主人と同級生だったと聞いてさらに驚いた。 さらに、エキスト
イオン広野店に行ってみた iRyota25 2016.12.07 3 4,173 0 今年3月、福島県の広野町にイオン広野店が開店した。いわき市に暮らす友人たちの間でも、オープン前から話題になっていた。 Jヴィレッジがあることで知られる広野町は、福島第一原発事故で町全域が緊急時避難準備区域に指定され町全体が避難した。避難指示は事故翌年の4月1日
2016年から2017年へ。一葉に愛を込めて。 iRyota25 2017.01.01 3 1,770 0 除夜の鐘が聞こえる。年に一度、世界の平和を祈る鐘の音を聞いていると、まるで世界が平和であるかのように感じられる。 旅に出ていると黒田三郎の言葉を思い出す。ちょっと読んでほしい。 久しぶりに旅に出て 車窓の景色を僕は見る 山なみははるかに 田や畑は豊かに 破綻のし
生きているということ hometown_of 2017.04.11 1 1,270 0 ここに写っているの、たぶん私なのよ。 陸前高田のコミュニティホールのエントランスで行われた津波写真展で、避難所となった体育館の写真を指差しながらAさんは話し始めた。数えきれないほどの人がいる体育館の写真の片隅。Aさんとはとても判らない小さな人影を指差しながら
WILDLIFE in TOHOKU「オオハクチョウの編隊飛行」 iRyota25 2017.02.13 2 1,811 0 このごろ陸前高田の町の空をゆく白鳥の群れを見かけることがよくある。 鴎や白鷺とは違って、ゆったりと羽ばたきながら町の上空を旋回して飛ぶオオハクチョウの姿はとても優美だから、いつか写真に撮りたいものだと思っていた。 でも、白鳥が飛んでいるのはいつもたいていかな
萬来食堂の【さんまうめ〜めん】は中華の大発明だ iRyota25 2016.11.16 5 2,400 0 下船渡駅のすぐ近く、国道45号線沿いの萬来食堂は地元で人気の老舗食堂。ラーメンを中心に定食や丼物がメニューにはずらりと並ぶが、大船渡さんまらーめんプロジェクトに最初から参加してきた食堂としても知られている。 ということで、萬来食堂のさんまらーめん、『さんまう
伊里前福幸商店街もオープン間近 hometown_of 2017.03.17 1 1,481 0 南三陸の志津川地区にあるさんさん商店街のオープンは大きく報じられたが、歌津地区の伊里前福幸商店街も、4月23日のオープン目指して作業が進められている。 さんさん商店街が被災地の観光スポットとして、多くの来場者を集めるのに比べて、伊里前福幸商店街はかなり地味な存
もう地震はイヤだと鹿島神宮に祈ること iRyota25 2016.12.11 3 2,021 0 鹿島神宮に参拝しに行ってきた。といって、剣術が上手くなるようにといった願掛けに行ったのではない。 鹿島神宮の奥宮のさらに奥には、古くから知られる秘石がある。「要石」。この石に地震が起きないように、もしも起きたとしても大きな被害を引き起こさないように祈願する
スーパームーン前後のこと iRyota25 2016.11.17 4 1,436 0 68年ぶりのスーパームーン、全国的には曇りがちでなかなか見えなかったらしいが、三陸沿岸ではけっこうよく見ることができた。 もっとも小さく見えた時よりも面積で3割増の満月ということで、少し前から話題になっていたが、地震との関係を心配する声もあった。 そんな矢先の1
3月3日、南三陸さんさん商店街がオープン hometown_of 2017.03.17 1 1,321 0 ショップリストはスミを吐き出すタコのデザイン。なんとも可愛らしい。 仮設での営業を終えた南三陸さんさん商店街が、3月3日、防災対策庁舎近くのかさ上げ土地に本設店舗としてオープンした。翌4日にも、商店街はたくさんの来場者の熱気に溢れていた。 マーチングバンドの演
ヤルキタウンのみんなの茶ロン閉店で、名物「タコ丼」はどうなるの? hometown_of 2017.04.14 1 2,361 0 まさに寝耳に水だった。ヤルキタウンのみんなの茶ロンが今日で終了する——。情報が入ってきたのは3月31日の朝のこと。もうタコ丼やヤルキ丼を食べられなくなるのかと悲しい気持ちで訪ねると、特定非営利活動法人再生の里ヤルキタウン理事長の熊谷耕太郎さんが事情を詳しく説明
お茶の小谷園からのメッセージ iRyota25 2016.12.18 3 1,853 0 かさ上げ工事が進む陸前高田の町なかの、まさに工事現場のすぐ近く、そして本丸公園に向かう神社への入口近くで、こんなメッセージを見つけた。 今年もあとわずか 健康で笑って 新年を迎えられますように メッセージが貼り出されているのは、創業80年以上、高田の町で唯一のお
マルカン大食堂と、私たちの「これから」 iRyota25 2017.02.24 2 2,011 0 かつてデパートだった建物の入口を入ると、そこにはカフェやクラフトショップ、展示ブースやキッズコーナーがある場所に変身していた。デパートというより、誰もが立ち寄れるウェルカムなスペースといった感じ。 マルカン大食堂は日本の未来のリトマス試験紙 マルカン大食堂の
冬の東北のイルミネーション三題(宮城県) iRyota25 2016.12.30 3 2,668 0 東北の冬のイルミネーションとして有名どころと言えば、まずは「SENDAI光のページェント」 今年も定禅寺通のケヤキ並木にたくさんの光が灯された。第31回目となる今年のSENDAI光のページェント、テーマは「未来へつなげる愛の光!」。灯された電球はすべてLEDで60万球だという
雪の朝の一本松 iRyota25 2016.12.19 3 2,213 0 陸前高田の町なかに、今年初めて雪らしい雪が積もった朝、久しぶりに一本松に行ってみた。積雪は日が昇るにつれてどんどん融けていき一本松への道はシャーベット状のぬかるみ道になった。 それでも、べちょべちょの雪の上には足跡がついていた。寒くても、雪が降っても、雪が
【遺構と記憶】国道45号線のポール基部 iRyota25 2017.02.13 2 2,230 0 ここは陸前高田、海沿いを走る国道45号線。津波に引きちぎられた道路案内表示のポールが痛々しい姿のまま残っている。 赤い看板の「オカモト」は、被災したその場所で営業しているガソリンスタンド。看板には「津波到達高さ」の表示がある。三角形の建物は道の駅タピック45。
3月11日、朝の風景 hometown_of 2017.03.11 1 1,611 0 3月10日の次の日は11日。当たり前のことなのだが、気持ちがざわざわするのはなぜだろう。 式典会場の大きなテントの向かい側、コミュニティホールに掲げられる旗が半旗だった。毎朝9時に掲揚される3つの旗。今朝、その旗を掲げた人は何を思ったことだろう。 コミュニティホー
町を浸した黒い水に映った月 hometown_of 2017.03.17 1 1,007 0 あの日は満月ではなく三日月だったんだ。気仙沼の自分が住んでいた辺りは、直撃こそ逃れたが津波で浸水した。ただただ逃げるのに懸命だった。腰まで水に浸かりながら、近所のアパートに逃げ込んだ。2階の部屋の女性が引っぱり上げてくれた。その人の部屋の玄関先でその晩は過