あなたは【傷痍軍人】を知っていますか? Rinoue125R 2015.07.29 8 7,994 2 生まれ育った町には川を挟んで西側に区役所とデパートが2つ、東側にもデパートと駅と商店街があって、東西の繁華街を結ぶ通りは休日ともなると歩道が埋まるんじゃないかというくらいの人通りだった。バナナの叩き売りとか、ハブとマングースの対決、ヒヨコ釣りやオカヤドカリ
息子への手紙【空気の研究】水木しげるの「総員玉砕せよ!」 iRyota25 2016.06.07 3 5,873 0 昨年11月30日、水木しげるさんが逝去された後、書店には水木しげるコーナーが設けられ、戦争中の体験を描いた「総員玉砕せよ!」など、多くの作品が平積みで並べられた。そんな折り、氏を追悼する意味で本書の書評を書こうと思い立ったのだが、書評なんて堅苦しい文章を書くこ
『稲むらの火』と甲子園のおにぎりマネージャー iRyota25 2015.11.07 3 5,232 0 80代の女性に小学校の頃の話を聞いていた時、国民学校(小学校)5年生の国語の教科書に載っていた『稲むらの火』の話題になった。彼女は物語のストーリーをよく覚えていた。庄屋の五兵衛が収獲したばかりの稲穂の山に火を放った犠牲的精神を鮮やかに思い出すと語った。 戦時中
学徒出陣の記念碑 ~戦争の記憶を未来に~ iRyota25 2014.01.17 3 5,003 0 2020年、東京オリンピックのメイン会場となる国立競技場の敷地内に、「出陣学徒壮行の地」との石碑が建てられている。第二次世界大戦(太平洋戦争)最中の昭和18年10月21日、かつてこの地にあった明治神宮外苑競技場で、学業半ばでペンを剣に持ちかえて戦地へ赴くこととなった
歴史を変えた「二・二六事件」から80年 Rinoue125R 2016.02.24 2 4,939 0 事件勃発 1936(昭和11)年、2月26日未明、陸軍歩兵大一連隊、歩兵大三連隊から合計1,500名に上る兵士たちが、数十年ぶりといわれる大雪の中、日本の政治の心臓部とも言える永田町、赤坂、半蔵門、麹町一帯へ向けて出動した。兵を率いたのは青年将校と呼ばれる陸軍の尉官(下
「赤字国債」復活から半世紀 Rinoue125R 2015.11.19 1 3,686 0 戦費捻出のための国債 第二次世界大戦中、国民に対して国債(戦時国債)購入を積極的に呼びかけてきた。証書に軍艦や戦車が描かれていることから分かる通り、目的はもちろん戦費を捻出するためだ。その結果、1945年の敗戦時には日本の国債発行額は国内所得の2倍を超える規模に
[空気の研究]悪魔島から信念のメッセージ Rinoue125R 2014.10.14 4 3,609 0 ひとりの男がいわれなき嫌疑で有罪判決を下され、悪魔島と禍々しい名で呼ばれる孤島に送られていった。その後、真犯人が判明するが彼の嫌疑は晴らされない。やがて国を挙げての政治問題にまで発展し、12年の後にようやく彼は名誉を回復するが、最初に彼が有罪とされた根拠、そ
[10月15日という日]ドレフュスが冤罪逮捕された日 Rinoue125R 2014.10.15 4 3,308 0 歴史の中の10月15日 ▼1793年 マリー・アントワネットに死刑判決 1989年7月14日のバスティーユ襲撃に始まったフランス革命の最中、1993年1月21日に夫であるルイ16世が処刑された後、マリー・アントワネットの処遇については革命裁判所で裁判が続けられてきた。マリー・アントワ
[空気の研究]世界大戦はいかにして勃発したのか Rinoue125R 2014.08.15 2 3,132 0 世界大戦と呼ばれる大戦争を人類が初めて経験してから100年が過ぎた。 第一次世界大戦が勃発した理由を訊かれて、100字程度で答えられる人などいないだろう。世界史の授業でオーストリア皇太子夫妻が暗殺された「サラエボ事件」とか「三国協商」「三国同盟」といった言葉を教
【終戦から20数年の時代、SFに描かれた空気感】ウルトラQ「ナメゴン」 Rinoue125R 2016.05.31 3 2,625 0 ゴジラが「水爆怪獣」であるという設定は有名だ。石ノ森章太郎の「サイボーグ009」の敵、ブラックゴーストが死の商人を束ねる組織だということもよく知られている。鉄人28号はもともと旧日本陸軍が開発したロボットだったりもする。 アニメもヒーローものも制作者は戦争経験者
[空気の研究]戦死者が出ることが反戦につながるか Rinoue125R 2014.06.27 3 2,527 0 高村薫さんが語った「妄想から覚める劇薬」 5月22日の毎日新聞に掲載された作家・高村薫さんのインタビュー記事に、次のような一節があった。 高村さんは視線を落とし「最悪の想定ですが、集団的自衛権が必要という妄想から覚める劇薬はある」という。 集団的自衛権行使が認め
【終戦から20数年の時代、SFに描かれた空気感】ウルトラセブン「スペル星人」 Rinoue125R 2016.05.31 2 2,511 0 この作品についてはあまり詳しくは書きようがない。ウルトラセブンの第12話「遊星より愛をこめて」は、放映から3年後、永久欠番になってしまったからだ。 しかし、このドラマの設定にはどきっとさせられるものがある。最初のシーンである、宇宙パトロール中のウルトラ警備隊の
【終戦から20数年の時代、SFに描かれた空気感】ウルトラセブン「メトロン星人」 Rinoue125R 2016.05.31 4 2,259 0 最初に放映されてから49年。半世紀前の作品なのだから、古典と呼んでもいいくらいなのに驚くほど今日的なのがウルトラセブン第八話「狙われた街」。 ウルトラセブンに変身する前のモロボシ・ダン(しかも、ウルトラ警備隊のユニフォームではなく私服)が、宇宙人とちゃぶ台を
[空気の研究]飯島耕一の死 iRyota25 2013.10.23 3 2,146 0 ひとりの詩人が死んだ。というか、亡くなっていた。 「戦後を代表する詩人の一人である飯島耕一さんが、今月14日、呼吸器不全のため東京都内の病院で亡くなった。83歳だった」 というような記事を読んで、何十年も前に古本屋の100円コーナーで買った現代詩文庫の表紙を思い出
[空気の研究]武田鉄矢氏の原発発言 Rinoue125R 2015.04.23 1 1,828 0 タレントの武田鉄矢氏がフジテレビ系の番組「ワイドナショー」で放った発言が波紋を呼んでいる。 たとえば、私どもはテレビ局で仕事しておりますけど、テレビ局にやっぱり電力を消費しないために1日6時間、放送をやめるとかっていう覚悟が各局にあるかとか、そういうことまで
[空気の研究]福島を取り上げたドキュメンタリー映画が上映中止に Rinoue125R 2015.04.03 4 1,728 1 自分はこの映画をまだ見ていない。そのことをお断りした上で、今起きていることについて考えたい。3月14日、日本在住のアメリカ人ドキュメンタリー映像作家のブログにこんな書き込みがあった。 Censorship? Self-censorship? 検閲? 自己検閲? 配給会社都合により、急遽「A2-B-
[空気の研究]戦争の終らせ方 Rinoue125R 2014.08.19 4 1,708 0 太平洋戦争開戦当時の連合艦隊司令長官・山本五十六大将は、近衛文麿首相から戦争の成算について尋ねられて「初め半年や1年の間は随分暴れてご覧に入れますが、2年3年となれば全く確信は持てません」と答えたと言われる。 その話を本で読み知ったとき、そんな無責任な見通しで
[空気の研究]あるドイツ人記者が離日に際して Rinoue125R 2015.04.13 4 1,631 0 あちこちの掲示板などでも取り上げられているけれど、内田樹さんが翻訳して公開したドイツ Frankfurter Allgemeine Zeitung紙の記者 Carsten Germis について、拡散のために紹介させていただこう。 ドイツのある新聞の東京特派員が過去5年間の日本の政府と海外メディアの「対
【終戦70年】世界平和のためのインデックス Rinoue125R 2015.01.09 3 1,613 0 平和は戦争の対義語だと思っていました、漠然と。しかし、戦争がないから平和だとは決していえないし、戦争と戦争がない状態はカッキリ区分できるようなものではなく、つなぎ目の痕跡すら分からないくらいの連続性をもっていることを、私たちは薄々気づいています。 2015年、
いつか来た道、一度は踏み止まった道 iRyota25 2015.10.23 1 1,505 0 日本が太平洋戦争で敗戦した後、アメリカなど連合国軍に占領されていたという意識はすでに薄れてしまっているかもしれない。しかし敗戦国日本が主に米軍に占領されていたことは紛れもない事実だし、サンフランシスコ講和条約で主権を回復するまでの間、日本は軍隊を解体され、
[空気の研究]笑いの向うに Rinoue125R 2014.08.15 3 1,494 0 笑いの向うに 広辞苑で越中ふんどしをひいてみたというと みんな笑いを浮かべて いまでは女性も恥ずかしがりもせず 明るく「どんななの」とたずねる 日本の男がしめていた六尺を 倹約して半分の三尺にしようと 越中守という殿様が考えついたらしいのさ つまり手拭の端に紐をつ
[空気の研究]ミュンヘン一揆・予告編 iRyota25 2014.11.11 2 1,456 0 ミュンヘン一揆をご存知ですか。まるで、もっとビールを呑ませろ!という群衆が立ち上がった一揆のような名称ですが、実際にその現場となったのは、ミュンヘン最大のビアホール「ビュルガーブロイ・ケラー」でした。 そしてその主人公は、アドルフ・ヒトラー。第一次大戦で過
[空気の研究]武田鉄矢氏・松本人志氏、かく語りき Rinoue125R 2015.04.23 1 1,420 0 4月19日に放送されたフジテレビ系の『ワイドナショー』から、話題になっている部分のテキスト書き起こしを紹介します。話題になっているのは番組のちょうど真ん中辺り。 前振りは犬塚弁護士の「裁判官のある種の方向性が出た事件のひとつ」発言 ナレーション 史上初めて司法の
[空気の研究]長嶋一茂氏・松本人志氏、かく語りき Rinoue125R 2015.04.23 2 1,415 0 武田鉄矢氏の裁判官愚弄ともとれる発言の後、話は別のコメンテーターに引き取られ、やがて発電量全体に占める原発の割合についての話題となった。そこでコメンテーター席の長嶋一茂氏が口を開く。 長島一茂氏 20%ってことはいま1%ですから20倍に伸ばすってことですよね。そ
[空気の研究]いつか来た道、兵器産業復活はなぜ政府方針からこぼれ落ちたか Rinoue125R 2014.08.15 3 1,319 1 アメリカにこてんぱんにやられて敗戦して、占領されて、平和憲法を持たされることになって。日本は敗戦とともに軍国主義とは決別し、戦後69年ずっと平和国家としての道を歩いてきた——。そのように思うのが錯覚だと教えてくれる文章を引用します。 サンフランシスコ講和条約の