おおきななべ hometown_of 2018.02.05 3 3,272 0 東北では、大きな鍋のお世話になることが多い。秋の風物「芋煮会」はもちろんだが、イベントや餅つき、節分の恵方巻といった行事に合わせて、大鍋で豚汁などの鍋物をつくることも定番化している。 鍋料理は大鍋でつくることで格別に美味しくなる。たくさんの人が集まって調理
雪に毛が生えた! hometown_of 2018.02.04 3 1,845 0 2018年2月3日、節分の朝、気温はプラスなのに大雪。 2018年2月4日、立春の朝、気温は氷点下7℃。 節分の日の雪はべちゃべちゃの湿り雪だった。そして前日から10℃近く冷え込んだ4日朝、雪かきでできた雪の山の上に、屋根に残った雪に、小さなスパイク状の結晶が生えた。雪の表面
防災ワークショップ「スリッパが不可欠なわけ」 hometown_of 2018.02.04 4 6,498 0 防災ワークショップを紹介する文章で、新聞紙でつくるスリッパを取り上げたが、被災直後になぜスリッパが必要なのか、その理由が分かりにくいという指摘があった。もっとはっきり言った方がいいともアドバイスされた。 1月17日のワークショップでは、講師の新沼真弓先生は「避
激しく強い言葉が示すこと hometown_of 2018.02.02 1 2,437 0 半世紀に及ぶ念願がようやく叶って架橋がなった気仙沼の大島架橋(現在、アクセス道路の工事中)。本州側最寄りの鶴ヶ浦の海辺にこんな言葉が記されている。 大地震 理屈はいらぬ すぐ高台へ 殴り書きのような看板の言葉は、文字通り鈍器で殴りかかってくるような迫力だ。 三
【皆既月食-4】雲去りて山嶺現る hometown_of 2018.02.01 0 1,624 0 赤い月の左下に真っ白い光が宿る。雪雲は晴れたが、寒くてたまらない。 雲去山嶺露 雲去りて山嶺あらわる 雲が消えて月がはじめて現れたわけではない。月は雲の向こうにずっとあった。 月落不離天 月落ちて天を離れず たとえ月が地平線に沈んだからといって、空から落ちてしま
【皆既月食-3】消えゆく月光とハクション大魔王 hometown_of 2018.01.31 0 1,831 0 カメラで写した映像よりももっとずっとはかない。それでも肉眼では地球照の赤ははっきり見える。 もしかしたら、日蝕のときのように、消え行く最後にまばゆい輝きが見えるのではと期待してもいたのだが、残念ながら薄っすらと雪雲がかかってきたようだ。 赤い円形はほとんど見
【皆既月食-2】赤い月 hometown_of 2018.01.31 0 1,441 0 触はどんどん進む。月の光る部分が少なくなるにつれて、カメラに写りにくくなる。 触がはじまって30分ほど。もうウサギも耳しか見えない。 さらに20分ほど経過。月の右上の部分だけがかろうじて光る。カメラのレンズを通して見れば、くっきりと見えるが、肉眼では、私自身の乱
【皆既月食-1】ウサギの足下からはじまる hometown_of 2018.01.31 0 1,419 0 夕方から雪がちらつき始め、月食が見えるかどうか危ぶまれた岩手県沿岸南部だが、東京地方での月蝕の始まりよりも少し早く触がはじまった。 焦点距離70mmで、精度の低いズームレンズなので、当初はISO感度高め、シャッター速度低めで撮っていたが、試しにより暗い側に設定を変
防災ワークショップ「ポリ袋でカレーをつくる」 hometown_of 2018.01.31 2 7,692 0 阪神淡路大震災が発生した1月17日、神戸と東北をつなぐイベント「Action7~神戸から東北へ~」で教えてもらったカレーライスのつくり方。 カレーライスは炊き出しの定番だが、今回のカレーはポリエチレン袋を使って湯煎してつくる。ポリ袋を使うことで5つも6つもメリットがあ
防災ワークショップ「新聞紙でスリッパをつくる」 hometown_of 2018.01.30 3 4,369 0 阪神淡路大震災から23年。1月17日に、神戸と大船渡をつなぐイベント「Action7~神戸から東北へ~」で教えてもらった新聞紙のスリッパのつくり方。 使うのは新聞紙1ページ。紙のカレー皿のときと同様に、見開きを1ページ分にしてつくった方が丈夫になる。 折り方は簡単。折る回
防災ワークショップ「新聞紙でカレー皿をつくる」 hometown_of 2018.01.30 4 6,046 0 1月17日、阪神淡路大震災から23年となった日、神戸と大船渡をつなぐイベント「Action7~神戸から東北へ~」で教えてもらった新聞紙の食器のつくり方。 講師の新沼先生が声を大にして言っていたのは、「5回折るだけ」。 「折り方そのものを覚えるのでなく、5回折ればお皿ができ
仮設住宅に積む雪と無音とシャリンシャリン hometown_of 2018.01.30 1 1,891 0 雪がつくった光景にちょっとほっこり… なんて言ってはいられない。 Mさん(たぶん70代)は仮設住宅の玄関を開けるなりつぶやいた。 「恨めしいわ…」 雪は降らない予報だったのに、扉を開けたら雪。しかも、しっかり積もりそうな雪がどんどこどんどこ降ってくる。 「この雪、い
「地球のステージ」という名のステージ hometown_of 2018.01.30 1 2,603 0 ライブ音楽と映像と語りを組み合わせたコンサート形式の講演を行ったのは、認定特定非営利活動法人 地球のステージ代表理事でステージ案内役の桑山紀彦さん。世界の紛争、貧困、災害の現場を伝える活動を続けている。 前編『いのちを考える日』 イスラエルの正義とパレスチナ
いのちを考える日 hometown_of 2018.01.28 4 2,444 0 閖上ではかさ上げが進み、公営住宅が建って、あたらしい町ができ上がっていっているように見えます。だけど、かさ上げによって私たちが暮らした町ははなくなりました。あのなつかしい景色、ひとりひとりにある景色、たとえばあの曲がり角を曲がった時に広がる光景はもう見るこ
手水舎の水盤もこのとおり hometown_of 2018.01.27 3 1,940 0 冬は寒いのが当たり前。寒ければ水は凍るもの。と、言葉では理解しているつもりでも、目にしてびっくりすることがある。 神社の手水舎の水盤が、凸レンズのように盛り上がって凍りついていた。 ここは陸前高田から車で約1時間、遠野三山のひとつ、六角牛山(ろっこうしさん)
つららが地面にとどいたら hometown_of 2018.01.27 2 2,439 0 陸前高田の仮設住宅の集会所でお茶している時、「つららって見たことある?」と聞かれたのは、つい一昨日のこと。「高田はあたたかいから、ほとんどできないけどね」と前置きした上で、南国生まれの私に北国ならではの話題を振ってくれたのだろう。 翌朝、陸前高田市の栃ヶ沢
ぬすまれたなんてん hometown_of 2018.01.24 3 2,370 0 「息子と二人暮らしだから、そんなに大きな家は必要ないんだけんど、息子がさ、ロフトがいいって言うもんだから、リビングの奥にロフトつくることにしたんだ。テレビのある部屋からそのまんま階段をのぼると息子のロフト、って感じなんだよね」 カンダさんは、会うたびに高台
津波の後、みなさんやさしくなりましたよ hometown_of 2018.01.23 3 2,505 0 仮設住宅から公営の復興住宅に入居した人たちの間で、手づくりのコミュニティ再生がはじまっている。雨の日も雪の日も欠かすことなく、1年365日、毎朝ラジオ体操をしている人たち。ある災害公営住宅から別の災害公営住宅まで、かつては民家が建ち並んでいた土地、しかしいまは
無事是貴人 hometown_of 2018.01.18 4 3,346 0 先生はずっと一本のフックを求めてきた。復興公営住宅の集会所の畳の部屋に、ほんの小さくて目立たないものでいいからフックを付けてほしいと願ってきた。なぜなら先生はお茶の先生だから。市内のあちこちの仮設住宅から集まってきた公営住宅だからこそ、お茶を通してお作法を
思うに任せないもの hometown_of 2018.01.18 4 2,294 0 「あれ、リモコンの調子が悪いのかな。エアコンの風向きが変わらない…」 お茶っこに参加させてもらった岩泉町のとある仮設住宅の談話室(集会所)でのこと。 「リモコンじゃなくて、エアコンそのものの性能が良くないのよ」 居合わせた仮設住宅の人たちが口々に教えてくれた。
「なぜここにいるの?」遺留品返還会場にて(2) hometown_of 2018.01.18 1 2,099 0 陸前高田での遺留品返還会場で、知り合いの男性と修復された写真データが入ったパソコンを覗き込んであれこれ話していると、数メートル離れたところで「あっ!」という大きな声がした。その声が自分の方に向けて発せられたものだと分かった。 パソコンの画面から顔を上げて見
遺留品返還会場にて(1) hometown_of 2018.01.18 4 2,275 0 遺留品の展示・返還を行っている陸前高田のコミュニティホールに行った。被災していない人間が行くべき場所ではないとは心得てはいるものの、どうしても見てみたくて、「見学させてもらえませんか」と丁重にお願いして入れてもらおうと心に決めて行ってみた。釜石から陸前高田
大船渡と神戸をつなぐ歌 hometown_of 2018.01.17 3 2,815 0 1月17日は阪神淡路大震災が発生した日。23年前のその日、神戸の町は激震と大火に見舞われた。 2017年初夏、被災した大船渡市にようやくオープンした複合商業施設キャッセンで、神戸と東北の被災地をつなぐイベントが開催された。イベントの名前は「Action7~神戸から東北へ~
75年は草木も生えぬと言われた広島の大通り hometown_of 2018.01.17 6 7,081 0 広島駅近くから平和記念公園に向かって伸びる大通り。平和大通りは広島復興のシンボルロード。 しかし、原爆が投下された直後、広島では「75年は草木も生えぬ」と言われていた。 草木も生えぬと言われた町の真ん中に、見事な緑のブールバードが続く。 戦後という言葉すら風化
回天のレプリカ hometown_of 2018.01.17 4 4,341 0 山陽新幹線徳山駅から徒歩5分、フェリー埠頭の入口に人間魚雷「回天」がある。映画の撮影のためにつくられた精巧なレプリカだ。レプリカとはいえ、真っ黒く塗られた細長いその物体を前にすると、どんな言葉であらわせばいいのか分からなくなる。 人間魚雷「回天」は、文字通り