【皆既月食-4】雲去りて山嶺現る

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赤い月の左下に真っ白い光が宿る。雪雲は晴れたが、寒くてたまらない。

2018.01.31.23:13
2018.01.31.23:13

雲去山嶺露
雲去りて山嶺あらわる

雲が消えて月がはじめて現れたわけではない。月は雲の向こうにずっとあった。

月落不離天
月落ちて天を離れず

たとえ月が地平線に沈んだからといって、空から落ちてしまったわけではないのと同じように。

2018.01.31.23:31
2018.01.31.23:31

格好つけても仕方がない。天も地もあるがまま。それを色々に見るのは人に他ならない。それにしても『ハクション大魔王』を思い出したという一報は出色。今年一番の名言だ。

2018.01.31.23:50
2018.01.31.23:50

そういえば、寒空の下月見をしながら、けっきょく誰とも行き会うことはなかった。ここでは「天体ショー」なんて煽り文句に反応する人はいないということか。

日付が変わったから昨日ということになるが、お昼過ぎ、小雪舞う中で小一時間も立ち話しを続けた(寒くて寒くて震えながらも話し続けるしかなかったのだ)おばちゃんは、この月を観たのだろうか。早朝3時と7時に出かけるという息子たちのお弁当をつくり、家の前の道路の雪かきや、ツルツルに結氷したアイスバーンを砕く仕事に備えて、浅い眠りの床にあったのだろうか。

2018.02.01.00:08
2018.02.01.00:08

そんなこともふと思う。

2018.02.01.00:20
2018.02.01.00:20

思ってしまうことだって人の摂理だなんて言うと、やっぱり格好つけ過ぎだろうか。

雪屋根越しの月 2018.02.01.00:24
雪屋根越しの月 2018.02.01.00:24

月は戻り、満月は地上を照らす。雪積もる北のまちも、南のまちも。寒空の下1時間も愚痴を言ってもおさまらないおばちゃん家の屋根も、鹿が鳴く山も、結露だらけの仮設住宅も、自宅再建を半ば諦めて災害公営を終の住処と覚悟した老婦人の枕元も、介護老人ホームの宿直室も、受験生の窓も。

2018年、1月31日の皆既月触。

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