次は3000人か? hometown_of 2018.04.06 2 1,910 0 時計を10カ月ほど逆回りさせると、こんな言葉が聞こえてきた。 「次は3000人か?」 言葉の主は2017年5月にオープンした陸前高田の商業施設「アバッセたかた」にやってきた近所の主婦。春の日に華やいだ雰囲気が漂うなか、そういえばと話題になったのが施設が立地している場所
藤野先生のラスト体操 hometown_of 2018.03.31 4 2,221 0 「晴れてよかったな」 イチ、ニイ、サン、シ 体操しながら隣のお父さんがつぶやく。 「ホント、空が青いもんね」 イチ、ニイ、サン、シ 隣のお母さんが応える。 「今日はずいぶん多いな。40人くらい来てるんじゃないか」 イチ、ニイ、サン、シ 別のお父さんが言う。 「だって
仮設住宅からの引っ越しの行く先 hometown_of 2018.03.31 1 1,326 0 震災から7年が経過して、多くの仮設住宅が閉鎖されている。多くの仮設住宅が閉鎖されるということは、そこから引っ越しする人がたくさんいるということだ。まちの再建が遅れている陸前高田市でも、ことしの3月末日をめどに、学校関連の敷地に建てられた仮設団地のすべてが閉鎖
雪の下から hometown_of 2018.03.31 1 1,205 0 岩手の山間部の小さな町。昔話がたくさん伝わる町にも沿岸部で被災した人が暮らす仮設住宅がある。 東北というと行き深いイメージがあるが、沿岸部はほとんど雪が積もらない。しかし車で30分も山の方に入ると豪雪地帯だったりする。この仮設住宅もそう。これまでの人生の中で
天旗写真集 hometown_of 2018.03.31 1 5,049 0 連凧が舞い上がっていく空に浮かぶ雲。まるで吸い込まれるように上っていく凧を見ていると、この日、このとき空に浮かんだその雲が特別なものに思えてくる。 今年は3月11日に行われた天旗(気仙天旗 仙風会「天旗祈願祭」)。被災した大地と空とを2025枚の連凧でつないだ様子
願いの灯りは希望のあかり hometown_of 2018.03.18 2 1,775 0 3月11日、陸前高田市の栃ヶ沢公園に灯された「3.11夢あかり」。Tちゃんは灯籠づくりのイベントには参加できなかったが、自宅でつくった灯籠のあかりを芝生の広場に灯した。 ひまわりは亡くなったご主人が大好きだった花。 細かいところまでていねいに、心をこめて彫り上げた。
この空がある限り hometown_of 2018.03.13 2 2,027 0 連凧が空に飛び立っていく。バサッ、バサバサッ。整頓して格納された箱の中から繰り出されるわずかの時間ですらもどかしいののか、凧たちは次々と飛び立っていく。繰り出す手が追いつかないほど。 3月11日14時46分、7年前の地震発生時に合わせた黙祷が「直れ」となった次の瞬
灯りがこんなにキレイなのは hometown_of 2018.03.13 3 1,866 0 3月10日、陸前高田のまちなか広場に「輝(ひかり)の花」が咲いた。 地元の若者たちが中心になって、震災の後、これまで5回咲かせてきた花だ。 引き込まれてしまうほど美しくて、心にしみてくる輝の花。この花がどうしてこれほど美しいのか、写真と引用でお伝えする。(解説な
初めてのともしび hometown_of 2018.03.13 2 1,875 0 「3.11夢あかり」が今年も陸前高田に灯された。場所はコミュニティホール裏の栃ヶ沢公園。岩手県で最も大きな災害公営住宅である栃ヶ沢アパートに面する芝生の広場。この日は朝早くから準備するスタッフの姿が見られた。 灯がともされた公園に、コートを着込んだおばあちゃん
さみしいイルミネーション hometown_of 2018.03.12 2 1,035 0 大船渡のまちなかに漁船のイルミネーションが登場した。 被災した大船渡の沿岸部には、壁としか言いようのない高い防潮堤が築かれた。海辺近くの低い場所からは海が見えにくくなった。だから、海を忘れないようにという思いから、漁船のイルミネーションが設置されたのだとい
3月11日、行方不明者の捜索 hometown_of 2018.03.11 1 1,281 0 追悼と慰霊のための連凧に、ふだんは立入禁止のエリアに足を踏み入れる。凧を揚げるために訪れた人、メディアの人の他に、濃紺のユニフォームを身に着けた一団が目を引いた。 彼らは大船渡警察署の警察官たち。かつて、高田松原と背後の市街地の間に位置していた汽水湖の古川
3月11日、朝の陸前高田 hometown_of 2018.03.11 1 1,772 0 7年後の陸前高田、海辺の鳥瞰図。かさ上げの土を採るために削り取られた愛宕山の跡から、海岸線を望む。 手前の建物は旧気仙中学校校舎。屋上直下まで津波に襲われたが、生徒は全員が高台に避難して無事だった。気仙川を渡った正面には奇跡の一本松が見える。その海寄りの黄色
ゴスペルとカレーライスとお念仏 hometown_of 2018.03.11 1 1,048 0 3月10日、日本のゴスペルの第一人者GONZAさんの歌声が聞かれると知って、大船渡の災害公営住宅の集会所に走った。ところが、前日の大雨で通行止めの道路が多くて、あちこち迂回してようやく到着したら、コンサートはちょうど終了したところ。 集会所から地域の人たちが出てく
きっと活かされるラグビー hometown_of 2018.03.11 1 1,199 0 2016年に開催された第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」で、釜石は女子ラグビー(7人制セブンス)の会場になった。もちろん鵜住居地区に建設中の競技場ではなく、釜石シーウェイブスの本拠地である釜石球場での開催。平日の試合だったが、地元小学生の応援団のほか、地域
地図に残ることより大きな仕事 hometown_of 2018.03.11 1 1,472 0 ラグビー競技場の建設現場を一望できる展望台は、工事が進展したせいか移設されていた。移されたのは、建設工事の現場事務所の敷地内。そこへの道は道路工事で通行止めになっている。 せっかくの展望台だ、なんとか見に行けないものかと工事現場のガードマンに聞いてみた。数
まさかこんなことになろうとは hometown_of 2018.03.11 1 1,210 0 宅地の区画整理は完了した。今年に入ってようやく造成地の引き渡しも行われた。いよいよこの場所に、新しく気仙町の町並み、今泉の町並みが造られることになるんだなあと、まっさらの宅地を見ていてそう思う。 「ほら、あそこに一本松が見える。気仙川を隔ててアバッセもあん
3月10日、少年野球の声が聞こえる hometown_of 2018.03.10 2 1,026 0 小学校の敷地に新しい市役所が建てられることになったので、小学校のグラウンドはずいぶん離れた仮設グラウンドに引っ越した。 津波で被災した小学校だから、この場所に市役所を建てることには反対の意見も多かったのだが、それでもやっぱり津波に浸かった場所に市役所ができ
3月9日、集中豪雨の波涛 hometown_of 2018.03.10 1 974 0 増水なんて静的な言葉が当てはまるようなものではなかった。夜半からの雨は降り止まず、東北の沿岸部各地で洪水に関する情報が出された。大槌町では避難指示(緊急)が出された。釜石市や住田町では避難勧告が出た。 住田町では松日橋が流れた。 気仙川は荒れ狂った。鮎や白魚
7年後の、このまちで語られること hometown_of 2018.03.09 2 1,510 0 先生、先生のこのお教室のおかげで、今年はなんとか無事に過ごせています。例年2月、3月になると、どこが悪いというのはないのに気が塞ぐ、身体も動かない、そして何に付けてもいろいろ思って泣いていました。でもそれが、今年はないんです。今朝、お教室に行く支度をしながら
7年後の、車中で流された涙 hometown_of 2018.03.09 1 713 0 「彼女」はとても気丈な人で、たまにプリプリ怒ることはあっても、いつもみんなをグングン引っ張っていくリーダーだ。 仮設住宅からの引っ越しの相談で出かけた車中でのこと。ラジオからは中学生の作文の入賞作品が、書いた当人の朗読で流れていた。言っちゃ悪いが、こんなふ
7年後の、ラジオに向かってぶん投げた罵声 hometown_of 2018.03.09 2 1,333 0 大船渡の友人のクルマに乗っていたとき、たまたま大船渡がラジオで取り上げられていた。日曜日は3.11。この1週間はテレビでもラジオでも新聞でも、思い出したかのように震災のことが伝えられる。 年に何度も東北の被災地を訪れるというラジオパーソナリティが被災地でがんばる
ゾウの鼻の滝 hometown_of 2018.03.06 1 902 0 サハラ南縁の真っ赤な大地を割って赤い水がほとばしる滝。人はこの滝を崖と滝との天然の造形からElephantnose Falls「ゾウの鼻の滝」と呼ぶ…、ではなくて、ここは日本の東北。写真はある朝、岩手県陸前高田市のかさ上げ地に出現した高さは1mにも満たない流れだ。それでも、こ
見る、見られる hometown_of 2018.03.04 1 1,307 0 岩手県上閉伊郡大槌町にはかつて城があった。遠野次郎という武将が室町時代の初め建武の頃に築いた城で、廃城となった後も現在にいたるまで、大槌の町並みを一望できる景勝地として町の人々に親しまれてきた。その名も城山という。 震災の後、城山は被災した大槌の町や復興の
付け替えで現れた「被災した道」 hometown_of 2018.03.04 1 1,492 0 山がある。その手前に見える建物は公営住宅。そして道が続いている。遠くと手前の方はスロープになっていて、その部分には仮設のガードレールが置かれているのが分かる。 ただの道だ。 でも、ただの道ではない。 手前からスロープを下って、しばらく先でスロープを上がってい
津波で流れたおひな様のこと、知りませんでした hometown_of 2018.03.04 0 1,222 0 3月3日はお雛様。全国的にもそうだが、東北でもこの日に合わせてたくさんの雛飾りイベントが開かれる。古今雛や享保雛など江戸時代から旧家に伝えられてきた貴重な雛人形、そしてつるし雛の展示の数々。岩手県南部では遠野、千厩、花巻、石鳥谷などが有名だが、今年は2月末か