空に向かって語りかける「みんな元気にしているよ」 hometown_of 2017.03.13 11 6,657 0 凧が空を舞う。まるで空を行く鳥たちのように。空と大地をつなぐかのように。 3月12日、気仙天旗仙風会による「気仙天旗祈願祭」が陸前高田の海辺のかさ上げ地で行われた。 「震災で亡くなられた人の数だけ凧を揚げるんだけど、来ない?」 災害公営住宅に暮らすYさんからお誘
【アバッセたかた】工事現場で驚いたこと hometown_of 2017.04.22 10 8,071 0 陸前高田の高田地区につくられる新しい中心市街地アバッセたかた。オープンは4月27日の予定。今月15日の撮影だから、オープンまでもう2週間を切っている。 建物の中ではテナントの開店作業が行われている。同時進行で外構や周辺の道路では工事が進められている。工事現場から
線香花火ナイト hometown_of 2017.03.12 8 2,036 0 陸前高田の小友町、市営住宅西下団地では、ボランティアと地元の人たちによる線香花火ナイトが行われた。 キャンドルでつくられた「偲ぶ」との文字が照らし出す中、参加した人たちの線香花火が光の花をつくり出していく。 何度も何度も線香花火に火をつける子どもの笑顔が、キ
コンサバな町の危うさ hometown_of 2017.03.17 8 1,742 0 シーパルピア女川で仲間たちとの待ち合わせまでに少し時間があったので、女川みらい創造株式会社の事務所を覗いてみたら、近江さんの姿がちらっと見えたので立ち寄ると、「おう久しぶり」と迎え入れてくれた。 近江弘一さん。株式会社石巻日日新聞社代表取締役社長で、有限会
「建物は残します」米沢商会さんの言葉(陸前高田) iRyota25 2016.07.01 7 4,535 0 かさ上げ工事が進む陸前高田の町並み。2013年、被災地に残されていた建物の多くが撤去されていく中、そのビルは高田の町のランドマークのような存在になっていた。しかし、巨大ベルトコンベアによる大規模なかさ上げ工事が進められる陸前高田の町で、3階建てのそのビルは盛土
絆の「つるし雛」バスツアー iRyota25 2017.02.28 7 2,531 0 「2月26日午前9時、陸前高田市役所前で待ち合わせね」と、遠野のつるし雛を観に行くツアーに誘ってもらった。やってきたマイクロバスに乗り込むと、以前に仮設住宅でのイベントで会った懐かしい顔がたくさんだった。 バスに乗り込んで、皆さんのおしゃべりを聞きながらようや
8月6日と8月9日 iRyota25 2016.08.09 7 2,251 0 今年の8月6日午前8時15分は、移動中の車中だった。ハンドルを握りながらでは黙祷もできないので、原爆記念公園のあの場所がたくさんの人たちと、白い花で埋められている様子を想像しながら、平和公園の碑文の言葉を思う。 「過ちは 繰返しませぬから」 しかし、どうやって? 8
Spring has not come yet iRyota25 2017.03.11 7 4,788 1 春が来たかと思ったら雪が降る。安全まもる君のヘルメットにも雪が積もって、七福神お福禄寿のアタマみたい。 春はそう簡単にはやって来ないということか。それでもきっと春は来る。あとまだ何回も雪は降るだろうが、きっと春はやって来る。 知識としては分かっているのだが、
【お囃子の練習スタート】祭りの音色がこの町の空に響く iRyota25 2016.07.27 6 2,437 0 町に太鼓が鳴り響く。夏日の落ちた空に鳴り響く。陸前高田の夏祭り「うごく七夕」。いよいよお囃子の練習がはじまった。 予定の開始時刻に先立って、6時前から鳴り出した太鼓。それが呼び太鼓となって、夕暮れの町から若者たちが集まってくる。 練習の最初は中学生を中心に小
陸前高田「都市計画」住民説明会 iRyota25 2016.07.01 6 2,393 0 陸前高田市役が現在進めている都市計画について、変更事項の住民説明会が開催された。 説明会の主な内容は、沿岸部から高台を結ぶ避難道路でもある「シンボルロード」の規模縮小とかさ上げ工事現場での建物建設開始見込み、さらに湾岸部を走る国道45号線のかさ上げ工事につい
岩手県最大規模の災害公営住宅オープンへ iRyota25 2016.07.08 6 3,722 0 このごろ陸前高田では、「栃ヶ沢にできる新しい公営住宅に入居するのよ」という嬉しそうな言葉が仮設住宅などで時々聞かれる。近々入居が始まる予定の「災害公営住宅(陸前高田市栃ヶ沢地区)」は、9階建て2棟合計戸数301戸の大きな復興住宅。その建物は見上げるばかり。壮観
砂の降るまち iRyota25 2017.03.03 6 4,540 0 ザザザザッと信じられないような音を立てて砂が吹き付けてくる。 陸前高田。復興工事の真っ最中。 ここは4月27日オープン予定の中心市街地。左手には店舗ビルが見えるはずなのだが、見えない。 風が吹けば、かさ上げ現場から砂埃が容赦なく吹き付けてくる。ふだんでも、日常的
【さあ、これからだ】まちなか広場にうずまく歓声 hometown_of 2017.05.02 6 2,871 0 ワー、キャー、ワー… 子どもたちの歓声が混ざり合って聞こえてくる。遊園地の近くで聞こえる、まるでうずまくような独特のあの音そのもの。4月27日にオープンしたアバッセたかた。すぐ近くの高台、本丸公園にもその音は響き渡っていた。 本丸公園は、新しい市街地の建設工事の
雪とみかんとハンドバッグ iRyota25 2017.01.30 6 1,616 0 こんなつながりがあったとは! びっくりした。雪がしんしんと降りしきる陸前高田のとある復興住宅でのお茶っこ会。地元の人たちがお茶を飲み飲み、数人は手芸を続けながら「そういえば」と静岡の話になった。 残雪の町とハイヒールのお姉さん お茶といえば静岡だけど、静岡っ
消防隊員の最後の砦 hometown_of 2017.03.11 5 2,288 0 一本松茶屋の駐車場に見慣れない白い箱のようなものが設置されていた。地震の揺れを体験するための起震施設? と思って声をかけてみた。 「すいません、これ何ですか?」 返ってきたのはこんな言葉。「どうぞ、中に入ってみて下さい」 「東日本大震災では多くの消防隊員が命を
タコ焼き2800個! hometown_of 2017.03.30 5 1,586 0 焼きに焼いたものだ。びっくりだ。 2016年8月に入居が始まっていたのに、2017年の3月も末になってようやく住民主体の利用ができるようになった県営栃ヶ沢アパート集会所。 3月28日、この集会所でタコ焼きパーティが開かれ、たくさんの住民でにぎわった。 タコ焼きパーティは3
陸前高田で開催された国体のビーチバレー iRyota25 2016.09.12 5 2,403 0 青い空にボールが高く上がる。砂浜に選手たちの声が響き渡る。 震災後の被災地ではじめて開催される「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」。10月1日の総合開会式に先立つ8月31日、陸前高田市の特設会場ではデモンストレーション競技「ビーチバレー」が開催された。 ビーチバ
陸前高田では初開催「いわて復興住宅祭」 iRyota25 2016.07.15 5 1,871 0 被災した人たちの住宅再建を支援する岩手県の事業「いわて復興住宅祭」が陸前高田市では初めて開催された。 会場には県内のハウスメーカー(全国展開している企業も含む)や電力などエネルギー関連企業のブースが並び、個別の相談に応じていた。 林業に力を入れている岩手県な
被災地を埋める白いクローバー(2013年6月4日の陸前高田) iRyota25 2013.06.14 5 1,851 0 こうして眺めていると、 なんだか夢の中にいるみたいだ。 すぐそばで動いている重機の音もかき消されて、 空から鳥たちの声が聞こえてくるような気がしてくる。 でも、現実の陸前高田は、走り回る大型ダンプや、働き続ける重機の音に満ちている。鈍い音、甲高い音、連続する音
ヘルメット着用のビーチ「よみがえれ白砂青松」 iRyota25 2016.08.06 5 2,488 0 青い海と白い砂浜が陸前高田に戻ってきた。 「なつかしいわ〜」 寄せてくる波と戯れるように浜辺を行き来しながら写真の女性はつぶやいた。 「サンダルで来ればよかったわ」 8月6日午前、陸前高田の防潮堤工事現場で開催された住民のための見学会での一こま。 ヘルメット着用
「毎度ごひい〜きありが〜とおっ」の意味すること iRyota25 2016.10.31 5 2,112 0 お世話になっている知り合いの仮設住宅で作業などさせてもらっていると、昼間に裕次郎か何かの歌の口笛が聞こえてくる。口笛だけでなく「毎度、ごひい〜き、ありが〜とおっ」と決まった節回しの歌声も交じる。 さすがに裕次郎の口笛だけでは分からないが、歌声で誰が来たのか
「なんかええわ〜」と言わしめるバイク軍団 hometown_of 2017.03.29 5 1,822 0 神戸からのお客さんの到着は朝の6時過ぎ。夜行バスで陸前高田までやってきたからだ。そんな早朝にやってる店もなく、イベントが始まるまでの間、被災した町の様子を見て回ることに。 震災遺構として残される道の駅タピック45の駐車場に入ると、ずらりとバイクが並んでいた。そ
人の都合と自然の都合 iRyota25 2017.02.06 5 1,835 0 猫くんがぶーたれた顔して座っているのは線路の敷地内。 振り返ると、線路の反対側にはキジの姿があった。シャッター音に気づいてバサバサと近くの山に飛び去っていってしまったが。 キジを狙っていたところに、とんだ珍客(つまりわたし)が間に割り込んできたので、猫くん、
WILDLIFE in TOHOKU「白魚の風物詩」 hometown_of 2017.05.04 5 2,236 0 桜の花びらが水面に浮かぶ花筏。そんな季節の風物詩が陸前高田・気仙川の白魚。 白魚といえば福岡市の室見川の踊り食いが有名だが、気仙川の白魚は室見川に引けを取らない。日没直後に獲って生かしておいたものをそのまま食べるのだから、何しろイキがいい。酢醤油に入れた瞬
被災地での自殺。ある日の新聞から iRyota25 2016.09.24 5 2,358 0 ある日、地方紙の地域面にこんな記事が掲載されていた。 陸前高田消防署が駆けつけた時には意識がなく即死状態で、飛び降り自殺した可能性がある。 震災の年、家も家族も職場も生活の場も失った人たちは、小学校や中学校などの体育館などに設置された避難所で、夏過ぎまでの長