陸前高田「都市計画」住民説明会

iRyota25

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陸前高田市役が現在進めている都市計画について、変更事項の住民説明会が開催された。

説明会の主な内容は、沿岸部から高台を結ぶ避難道路でもある「シンボルロード」の規模縮小とかさ上げ工事現場での建物建設開始見込み、さらに湾岸部を走る国道45号線のかさ上げ工事について。陸前高田市の建設部、UR都市機構の担当者、さらに国土交通省の国道工事担当者からの説明に続いて、参加した市民からの質疑が行われた。

質問が集中したのはシンボルロードの規模縮小についてだ。シンボルロードはかさ上げ工事が進められている高田の市街地を南北に貫く道路として計画されている幅25メートルの道路。海岸沿いに整備される復興記念公園からほぼ直線的に高台の通称「農免道路」までを結ぶ予定だったが、高台の保育所近くを東西につなぐ北部幹線道路の整備が整備されることで、保育所以北の道路整備を縮小すると市側から説明が会った。理由は通常時の利用者が見込めないというもの。

災害時に避難道路として使われる道路が、通常時の利用者数が見込めないという理由で計画縮小されるというのは納得できない。傍聴した市民数人からそのような意見が寄せられた。

左上の市役所付近から曲折しながら市の東、米崎地区までつなぐのが北部幹線。シンボルロードはその中央付近を通過して南北に建設される計画だった
左上の市役所付近から曲折しながら市の東、米崎地区までつなぐのが北部幹線。シンボルロードはその中央付近を通過して南北に建設される計画だった

当初、市側の説明は通常時の利用者の見込みが減ったためという理由に終始していたが、詳しい説明を聞いてみると一筋縄ではいかない事情があることが見えてきた。

シンボルドードの建設は市単体としての事業ではなく、国との折衝の上で計画が進められているらしい。避難道路としての機能を考えると、市としても規模の縮小に応じられるものではない。しかし、そこには予算面などの難しい問題もあるのだという。

北部幹線から北側に当たる部分では、計画を縮小しながらも、避難道路としての機能をできるだけ維持できるよう、「あの手この手」で事業を進めているという説明だった。陸前高田のまちの再建に当たっては、市民の安全への意識は非常に強い。しかし、国との折衝の中でできるだけの手を打っていくという市の説明に、傍聴した市民の多くは一応納得したように感じられた。

その他、かさ上げ工事が進められている市街地での商業施設建設開始時期については、土地のかさ上げと平行して、可能な場所から工事に着工して行くという説明だった。かさ上げした土地のアクセスのための道路は、今後の工事の進捗に伴って何度も付け替えが行われるとのこと。国道45号線のかさ上げも同様で、現状の道路部分をそのままかさ上げすることになるため、いったん仮設道路を建設した上で、本設道路の建設に着手するという。

説明会の冒頭、陸前高田市の建設部長は、「この夏には商業施設や図書館など中心市街地の建物に着工できる見込みとなり、ようやく目に見える形で復興が実感できるようになりつつある」といった趣旨の挨拶をしていたが、それでも町の再建にはまだまだ長い時間を要することがよくわかった。

たとえビジターであっても、市民と行政が話し合う説明会を傍聴することで、市民と行政の信頼関係をかいま見ることもできた。これからも機会があればこのような説明会に参加して、復興に向かう町の雰囲気を肌で感じ取っていきたい。

陸前高田市役所は現在も仮設庁舎のまま。「庁舎再建は一番最後でいい」との方針によるという。会議室には建物の強度を出すための筋交いも見られる
陸前高田市役所は現在も仮設庁舎のまま。「庁舎再建は一番最後でいい」との方針によるという。会議室には建物の強度を出すための筋交いも見られる

上の写真は説明会終了後のひとこま。質疑応答含めて1時間ほどで終えることができた安堵感がにじむ。説明会には知り合いの自治会長さんに誘われたのだが、都合が悪かったのか当人は参加していなかった。まちづくりに積極的に関与している知り合いの姿も見られなかった。傍聴する市民が少ないことも気になったが、市からの説明を受けるよりも自分自身の生活再建の方が忙しいということなのかもしれない。市民の人たちの復興への実感も含め、これからもさまざまな方から話を聞いていこうと思う。

陸前高田市高田地区の復興計画図
陸前高田市高田地区の復興計画図

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