陸前高田の小友町、市営住宅西下団地では、ボランティアと地元の人たちによる線香花火ナイトが行われた。
キャンドルでつくられた「偲ぶ」との文字が照らし出す中、参加した人たちの線香花火が光の花をつくり出していく。
何度も何度も線香花火に火をつける子どもの笑顔が、キャンドルに照らされて浮かび上がる。隣のお母さんの顔もほころんでいるのが分かる。
主催したボランティア団体の人たちは、ずっとこの地域を応援してきた。「線香花火はまだありますよ」「蒸し牡蠣、どんどん食べてね」などなど、地元住民と、ボランティアの人たちの声が自然に交じり合う。
避難所から仮設住宅へ、そして公営住宅に移っていくまで長い間の付き合いが育んできた、人と人のつながりのあたたかさが感じられる灯火と線香花火の集いだった。
それぞれの思いが込められた線香花火の光は、きっと夜空の向こうからも明るく見えたに違いない。
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