きのう4月21日(日)、伊豆の国市にある「韮山時代劇場」で開催された「IZU こども DE マルシェ」に行ってきました。
今回で4回目となるこのイベントは、「こどもたちの”やってみたい!”をかなえる体験型マルシェ(市場)」です。
お店屋さんになってお料理を作ったり、雑貨やアートなどの作品を作ったり、販売したり購入したり。太鼓や踊りを披露したり。障害があってもなくても、いっしょに楽しめるイベントです。
満腹状態で会場に着いた娘は食べ物のブースに目もくれず。灯りに引き寄せられる蛾のごとく(?)ステージで披露されていた太鼓の音に近づいていきます。
別のグループ用に置いてあった太鼓を勝手に叩いたり、頭を左右に振ったりして楽しんでいましたが…
このとき披露されていたのは「勇壮」系のカッコいい和太鼓演奏。娘が歌って踊らずにはいられない「音頭」系ではないからか、いまいちノリ切れないようすです。
そして近所でよく会う「さんぽ友達」のお姉さんを見つけると「さんぽいくよ!」とばかりに手を引いてずんずん歩き出し…
会場の外へ出て線路沿いをひたすらさんぽ。お友達のお姉さんが「戻ろうよー!」と誘っても会場には戻ってくれなくなりました。体が大きいですから拒否する力もすごいです。
韮山時代劇場は通称「いずっぱこ」韮山駅のすぐ近く。電車が間近で見られるし、線路側の道路はほとんどクルマが通らないので、娘のように会場にじっとしていてくれないお子さんと気ままに遊ぶのにも最適です。
いろんな子のいろんな楽しみ方
お兄ちゃんお姉ちゃんのカッコいい太鼓演奏が終わったあと、なんとか娘を会場へ引き戻し、お友達ファミリーや、福祉施設・学校でお世話になった先生たちにたくさん遭遇!みんなに「タッチ」をしてもらったりしました。
イベント終盤にはステージでバンド演奏が始まりました。娘は太鼓や笛などの生音は好きなので三島の夏まつりも大丈夫なのですが、このような音響設備を使った音が大の苦手。再び会場の外へ向かって歩き出します。
同級生のママたちの何人かも「うちの子もずっと耳をふさいでた(;^ω^)」「うちも奥の方に引っ込んでた(^_^;)」なんて話をしていました。うちの娘よりもっと強い音過敏のある子も多いですからね、無理もないです。
でも楽しそうに歌って踊っているこどもたちもたくさんいます。そしてみんなとてもいい顔をしています。バンドの方の歌も演奏も上手だったもんね♪
ひとくちに障害と言ってもいろいろ。何が好きで何が苦手かのタイプも本当にいろいろ。さらにその時その時のご機嫌もいろいろ。思い思いの楽しみ方をすればいいんです。
いよいよつらくなってきた娘はわたしの服を噛み始めます。そして時おり自分の側頭部やほっぺたを掌底やグーで殴っています。
もっと遠ざかれば音は小さくなるのに、こうなってしまうといま自分の中にある苦痛や違和感を紛らそうとすることが優先されるので動けばいいということがわかりません。そして近くのものを噛んだり自分を殴ったりしてしまいます。
知ってほしいからこそ
一般の方から見るとこのような光景は異様で、「大変そう」とか、ともすれば「なんか怖い」となってしまうのでしょうけれど、きょうこの会場にいるのは障害児とその家族、福祉関係者がほとんど。娘のこんなようすもよくあるいち風景に過ぎません。
でも「福祉に関するイベントに参加するのは関係者やもともと関心のある人がほとんど」というその現実は、わたしたち「知ってほしい」側の人々が突破しなければいけない壁だと思っています。
福祉系のイベントにどうしてもつきまとう「暗い」「固苦しい」「つまらない」「ダサい」というイメージを払拭しようという人々がどんどん出てきました。偉そうなことは言えませんが、チラシやSNSを通じた発信やイベント自体ここ何年かですごく面白味を増してきたとわたしは思っています。
いつも一緒のすごさ
このようなイベントでいろんなご家族と接するなか、いつも感心するのは「障害児の兄弟姉妹である健常児の頼もしさ」です。
障害のあるきょうだいと、同世代として常に接しているからこその自然な関わり方。さっきまで仲良くしていたと思えばケンカもしたり。一緒にいればきれいごとばかりではありませんよね。でも「この子たちはどんな大人になるんだろう」と楽しみでなりません。
彼たち彼女たちを見ていると「障害者を含めたいろんな人が当たり前のように一緒にいる風景」づくりのお手伝いをしていきたいという気持ちがいっそう強くなるのです。とにかく楽しくなるようなことを考えていきたいです。
最終更新:
baikinman
私の友人も「障害児の兄をもつ健常児」でした。
誰にでも親切で手を差し伸べることが出来て、子どもながらにすごいと感じたことを思いだしました。
こういうイベントで隔てなく障害児と健常児が触れ合えることが、必要なのだと思いました。
pamapama
> 誰にでも親切で手を差し伸べることが出来て
すばらしいですよね!わたしもまだまだ修行中なので、子供たちに見習うべきところがたくさんあります。
orangeoor18
> でも楽しそうに歌って踊っているこどもたちもたくさんいます。
たくさんの演目やお店があっていろんな楽しみ方ができるイベントですね。
> 障害のあるきょうだいと、同世代として常に接しているからこその自然な関わり方
> 「障害者を含めたいろんな人が当たり前のように一緒にいる風景」
例えば学校なら、先生が教えるのではなく子ども同士の関わり方が周りに伝わり、自然にそういった空気を作ってくれるのかもと思いました。
pamapama
> 先生が教えるのではなく子ども同士の関わり方が周りに伝わり、自然にそういった空気を作ってくれるのかも
インクルーシブ教育は簡単なことではありませんが、その一歩目として「一緒にいる機会を増やす」ことができたらいいなと思います。
jina
ほっぺ大丈夫ですか?
かわいいお顔だからこそ心配。。
私も音に過敏です。特に疲れていたり、寝不足だったりすると音がうるさくて気になります。
障害があってもなくても、色々な見え方があっていい、みんな感じ方が違うのだということをあらためて気づきました!
pamapama
「セサミストリート」では「ジュリアちゃんの家族が彼女にノイズキャンセリングヘッドホンをプレゼントした」という話もあるそうですよ。とてもいい話ですね(^^♪
cha_chan
今日の娘さんも可愛らしいです!癒やされました。
今の世の中、「障害者」という言葉だけでひとくくりにされてしまっているせいか、イメージ先行で何か別の人種のように思い込んでしまうような気がします…。みんな同じ人間で色々な個性があるだけだと思えるような世界になればいいと思います。何となく自分は「障害者」という言葉に抵抗があります。
pamapama
「自閉症」もそうであるように、言葉(字面)から受けるイメージがどうしても先行しますよね(;^ω^)。めっちゃオープンすぎるぐらいの子もいるのですが(^_^;)
necota
健常大人社会では若干浮いてしまい日々悩む私。感性の鋭いすずちゃんが仲良くしてくれると、人間としては合格をもらったようで悩みなんて吹き飛んじゃいます。友バカだけど、ほんとにかわいい~♪
pamapama
いつも可愛がってもらってありがとうございます!どんどん「邪悪」な面もバレて行くと思いますが(;^ω^)引き続き付き合ってあげてください(^^)/
akaheru
楽しそうなイベントですね!
>福祉系のイベントにどうしてもつきまとう「暗い」「固苦しい」「つまらない」「ダサい」というイメージ
正直に言うと、自分も福祉イベントと聞いて最初に思い浮かべるイメージは「固く真面目な感じ」です。それを払拭するようなイベントも出てきているということですので、もっとアンテナを張ってあれこれ見ていこうと思います。
pamapama
福祉に限らず「固く真面目そうなイベント」は多いと思います。でも「もともと関心のなかった人々にも来てもらう」ためには他のジャンルのイベントと正面から「勝負」して、その結果「知りたい」と思ってもらう必要があると思うのです。わたしが娘について書いているこのページも同様です。もちろん難しいですけど…継続も力ですよね。コツコツ頑張っていきたいと思います!