「みちのく見語り聞き語り百ばなし~1~」の第1話をアップしました。
おらだちゃ東北の者には、春は特別なんだぁ
今年ゃ早くて、二月の半ばにゃタラの芽が出だとか
バッケ(フキノトウ)をめっけだりして
みんなが春めいた話、はじめていだぁ
今年は雪も少にゃぁし、春が早っい感じだぁ
こないだ、スーパーの売り場にソラマメが並んでだぁ
いぐら何でもハウス栽培のものなんだろうが、
春が待ち遠しいというのが、ここらの人の気持ちだ
三月に入ると空の色も変わってくるし
小鳥の鳴き声や土の匂いにも春を感じるンだ
冬の間、彼岸が過ぎれば春なんだと待ちこがれできた
春なんだぁ
春なんだどもなぁ
陸前高田で朗読活動をされる方に語ってもらった言葉
言葉は陸前高田を中心に、読み聞かせや朗読活動を行っている方に方言指導していただいて作成したもの。地元の言い回しをできるだけ再現しようと、用意した原稿用紙は校正だらけに。ちなみに原文は以下の通り。読み比べて、東北の言葉のぬくもりを感じていただけたら幸いです。
私たち東北の人に採って、春は特別なのです。
今年は早くも二月の半ばにはタラの芽が出たとか、
フキノトウを見つけたわよなど、みんなが春めいた話をはじめていました。
今年は雪も少ないし、春が早い感じですね。
先日など、スーパーの売り場にソラマメが並んでいました。
いくら何でもハウス栽培のものなんでしょうが、
春にこがれる東北の人の気持ちに応えて、
お店の人が仕入れてくれたのかもしれません。
三月に入ると空の色も変わってきました。
小鳥のさえずりや、風の香りにも春を感じます。
冬の間、三月になればと待ちこがれてきた季節です。
春です。
春なのですが。
陸前高田で朗読活動をされる方に語ってもらった言葉の原文
「文字で書いても、雰囲気は伝わりにくいものなのよね」と、方言指導してくれた方は声も録音させてくれました。許可をいただいて音声を追加したいと思います。
今週の土曜日は3月11日。あの日から6年になります。三月に入ってからずっと暖かな日が続いたのですが、春の言葉を収録させてもらった次の朝(今朝)には、陸前高田のまちに雪が舞いました。
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