映画「みんなの学校」上映会に行ってきました!

pamapama

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3月3日(土)、三島市立錦田小学校で行われた、映画「みんなの学校」上映会、大阪市立大空小学校の初代校長・木村泰子さんの講演会に行ってきました。

「みんなの学校」とは、2006年に大阪市の住吉区に開校した大空小学校の日々を映したドキュメンタリー映画です。

この小学校には大きな特徴があります。それは

「特別な支援を要する子を含むすべての子供たちが同じ教室で学ぶ」

ということ。「すべての子供の学習権を保障する学校をつくる」という理念で始まったこの小学校は「この地域に住んでいる子供なら“誰でも”行くことができる学校」です。

この小学校には校則がありません。ただひとつの約束は「自分がされていやなことは、人にしない、言わない」。これを守れなかったら「やり直しの部屋(校長室)」へ「やり直し」に行きます。

虐待されている子、貧困でご飯が満足に食べられない子、障害のある子、その全部に当てはまる子…とにかく「誰でも行ける小学校」で、しかも「みんなが同じ教室で学ぶ」のです。

地域ぐるみで子供を見守る

この小学校には、子供と先生、管理作業員、保護者(「サポーター」と呼びます)の他にも学校に関わる人がいます。それは「地域の人」です。

地域の人は毎日のように学校へ来て、さまざまな形で子供たちとふれあいます。また「パトレンジャー」として子供たちの登校する様子を見守ってくれます。

毎朝、校門で子供たちを出迎える管理作業員さんは子供たちの異変を敏感に感じ取ります。

遅刻なのか、欠席なのか、その日来なくて連絡の取れない子の家には自転車を飛ばして様子を見に行くこともあります。

そんな大空小学校は「不登校ゼロ」なのです。

目が、もう。

内容はいつかこの映画を観て直接知っていただきたいので、個々のエピソードについてここでは書きません。ただ、歳のせいで涙腺がガバガバなため、映画の冒頭から最後の最後まで子供たちがまぶしくて可愛くて、涙が止まりませんでした。

さっきリンクを貼るために公式サイトで映画の予告編を見ただけで泣いちゃうんですから。もう目が塩辛いよう…。

ま~ぜ~て~♪

ウチの娘が通っているのはバスで30分もかかる隣の市の特別支援学校。先生が多く、手厚くサポートしてくれるので、娘は学校が大好き。いつも嬉しそうにスクールバスへ乗り込みます。

確かに保育園のお友達と一緒の学校へ行けなかったことはやっぱり寂しかったですし、小学校2年生の現在も、朝、同じマンションの子供たちと反対方向へ歩いていくのはまだ寂しいです。

もし近くに大空小学校のようなところがあったとしても、うちの子ほど重度の知的障害がある子供はどうかな、みんなと一緒にいるところを見てみたいけど、実際はどうなるかな…とも思います。

ただ幸せなことに、うちの娘は保育園で先生にもお友達にもすごく良くしてもらいましたし、ご近所さんにも恵まれているため、いまでもしょっちゅう地域に「まざる」ことができます。

また「居住地校交流」という制度があり、地域の小学校=保育園時代の友達のほとんどが行っている小学校で一緒に授業を受けられる日が年に2回あるのです。娘は保育園の友達を覚えているらしく、デレデレとうれしそうにしています。それだけでもかなり幸せです。

こちらは先月行ってきた居住地校交流のようす。知っているお友達を見つけたのか、ママの方を見てニヤニヤ。「○○ちゃんがいるよ!」という感じですね。
こちらは先月行ってきた居住地校交流のようす。知っているお友達を見つけたのか、ママの方を見てニヤニヤ。「○○ちゃんがいるよ!」という感じですね。
中庭で「こおりおに」の仲間に入れてもらった娘。鬼に触られたら「凍る」のがルールですが、娘にはわかりません。でもとにかく楽しい(笑)。
中庭で「こおりおに」の仲間に入れてもらった娘。鬼に触られたら「凍る」のがルールですが、娘にはわかりません。でもとにかく楽しい(笑)。

いつも一緒は小学生まで?

大空小学校のような「障害児、健常児に関係なくその場にいる子供が互いに学び合う教育」のことを「インクルーシブ教育」と言います。

インクルーシブ教育を推進する大学の先生が映画の中で「中学生になるといじめが出てきてしまう」と言っていました。思春期ですし、受験が絡む中学校では現実問題として「みんなが同じ教室で学ぶ」ことは無理でしょう。

娘が楽しそうにしている「居住地校交流」も、子供によっては楽しくないと感じるケースだってあります。実際、娘と同じ特別支援学校へ通う上級生の子も、学年が大きくなるに従って自分から「行きたくない」というようになったそうです。難しいですね。

将来が見た~い!

「インクルーシブ教育はいつまでできるのか」についてはとりあえず置いといて、仮に「チャンスは小学校の時だけ」だったとしても、支援の必要な子供と健常な子供が「いつも別々」「ときどき一緒」「いつも一緒」では、子供たちにどんな違いが現れるのでしょう?

わたしは大空小学校を卒業していった子供たちの未来が楽しみで仕方がありません(過剰な期待ではなく、純粋に知りたいという好奇心です)。

映画の上映のあとには映画にも登場した初代校長先生・木村泰子さんの講演があり、これも素晴らしい時間でした。

講演の前に木村先生が「この映画を観て感想のある人!」と問いかけると、後ろの席の方で「ハイ!」という声とともにサッと手が上がりました。

先生が「それではどうぞ!」と促すと、小学校高学年か中学生ぐらいの男の子が、大きな声でこう言いました。

「ボクは他の人と違うところがあるので、こういう学校があったらいいなと思いました」

木村先生の「すばらしい!」と言う声とともに、場内は大拍手に包まれました。わたしはそこでも涙がポロっとこぼれてしまいました。歳を取るとホントダメですねえ。

 イントロダクション - 映画『みんなの学校』公式サイト
minna-movie.jp  
 映画「みんなの学校」公式サイト
minna-movie.jp  
 虐待・貧困・発達障害…全てを抱えた子が「みんなの学校」で得たもの
gendai.ismedia.jp  

最終更新:

コメント(8

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  • A

    akaheru

    以前この学校のことが紹介されていたテレビ番組を視聴したことがあります。子供達が色々なことに悩んでいるのと同じように、先生も生徒一人ひとりにどう接していくのが良いのかを悩み、みなでフォローし合いながら問題を解決してく光景が特に印象に残っています。

    あの時紹介されていた学校だとは最初気が付かず油断していたため、予告編を見て思い出し泣きです・・。

    • P

      pamapama

      > 先生も生徒一人ひとりにどう接していくのが良いのかを悩み、みなでフォローし合いながら
      まさにそんなシーンもありました。支援の必要な子だけでなく、まわりの子供も大人もみんな素晴らしかったです。

    • C

      cha_chan

      ただ1つの約束、「自分がされていやなことは、人にしない、言わない」。とても大切なことだと思いました。そういえば私の通った学校に校則があったとは思いますが、覚えていません。小さな子供にも分かるシンプルな約束だから、みんなが意識できて、こんなに素晴らしい学校になるのかなと思いました。自分の子供たちにも教えます。共有ありがとうございました。

      • P

        pamapama

        自分が小学生だった時はどうだったか…思い返すと恥ずかしいことばかりです。自分の小学校は特別支援学級があり、交流もあったことはあったのですが、もし「いつも一緒が当たり前」だったら、自分も含めた子供たちみんなはどんなだったかなあと想像しています。

      • B

        baikinman

        共有ありがとうございます!
        「どんなあなたでもこの場所にいていい」と言われるような学校ですね。
        予告編を見ただけで涙が。。。

        • P

          pamapama

          本編を見たらきっとずっと泣くので疲れますよ(笑)。

        • J

          jina

          ボクは人と違うところがあるので。。。泣けます。

          みんな違っていいと思いながら、違いで苦しむのが毎日の生活です。

          映画、近日中に見に行きます。教えていただきありがとうございました!

          • P

            pamapama

            近日近隣だと鎌倉がチャンスですね。そのあとは泣いて腫れた目のまま観光ですね!