3月11日、〈東北復興支援社内イベント2016〉を実施しました ~後編~

sKenji

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東日本大震災の発生から5年となる先日3月11日、犠牲になられた方々への追悼と震災の風化防止、次に来る災害への備えを目的として、勤務先の会社で社員全員参加のもと「東北復興支援社内イベント」を行いました。

今日は前編に続き、主に防災備蓄品について話し合ったグループディスカッションの内容などをご紹介します。

 3月11日、〈東北復興支援社内イベント2016〉を実施しました ~前編~
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被災された方々の声を集めた新聞記事の朗読

前編でご紹介した「復興支援ツアー参加者による現地リポート」の後に行なわれたのは「被災された方々の声を集めた新聞記事の朗読」です。

朗読したのは東北のブロック紙・河北新報社に昨年12月1日~19日にかけて連載された記事〈もう一度会いたい〉です。

記事は宮城県石巻市で被災された夫婦へのインタビューを元にして書かれています。全16話ある記事を全社員が一人ずつ順番に読みました。

5年前の東日本大震災で実際にあった話は、犠牲になられた方々への追悼の念と津波の恐ろしさを改めて感じずにはいられないものでした。震災で亡くなられた方々のことを忘れない。そして次に来る災害の被害を減らすためにも伝えていきたい話です。連載された記事全16話へのリンクが下記のぽたるページにありますので、ぜひ一度ご覧になってください。

 忘れずに伝えていくべき声<もう一度会いたい>
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備蓄品についてのグループディスカッション

〈もう一度会いたい〉の朗読後、東日本大震災における津波被害の様子などを撮影した写真のスライドショーを見ました。そして、地震発生時刻の14:46。東北へ向かって1分間の黙祷を捧げます。

その後、東北復興支援社内イベントの第二部として「防災備蓄品」をテーマにディスカッションを行いました。

ディスカッションは5人ずつに分かれてのグループディスカッションです。まず最初にグループ毎に各自が自宅に備えている備蓄品を発表してチーム内で意見交換をします。その後、役に立つであろう備蓄品について話し合いました。そして、最後に各チームの代表者がそれぞれ約3分ずつでオススメの備蓄品を全員に向けて発表しました。

ちなみに話し合いは、会社に備えてある非常食「パンの缶詰」と「アルファ米」を実食しながら行いました。

「パンの缶詰」は一昔前の非常食の定番・乾パンのような硬いものなどではなく、まるで焼きたてではないかと思えるほどふんわりとした食感のパンでした。初めて食べた人の多くは予想以上の美味しさに驚きがあったようです。

アルファ米はチームごとに作ります。開封してスプーンや乾燥剤などを取り出し、熱湯を入れます。そして、話をしながら待つことおよそ20分。完成すると取り分けて食べました。

さて、各グループ――全部で5チーム――が発表した気になるオススメの備蓄品は次の通りです。

【Aチーム】
チーム分けは一種のくじ引きで決めたのですが、はかったかのようなメンバーが集まったAチーム。乾パンや水など、多くの人が備蓄しているであろうと思われるものに加えて、とてもユニークな備えを教えてくれました。それは

「家庭菜園」です。

畑から新鮮な野菜を手に入れることができるならば、これほど素晴らしい非常食はないかもしれません。

その他にも「釣り竿」、さらには「牛」という突拍子もない? 案も発表していました。

これは後から個人的に思ったことですが、「さすがに牛を飼うのはちょっと……」という一般的な家庭では、ニワトリや魚――庭や池がある方に限定されますが――もいいかもしれないと思いました。

また、軍などで食べられている「レーション」と呼ばれる野戦糧食やサプリメントも役に立つのではないかとのことでした。レーションのなかには石灰と水を混ぜると発熱する化学反応を利用して、食事を温めることができるものもあるようです。

【Bチーム】
Bチームは、一般家庭ではあまり備えていないだろうと思われるユニークなオススメ備蓄品を発表していました。それは、かつお節――削る前の塊のもの――です。

なんでも、舐めているとだんだんやわらかくなっていいのではないかとのこと。さらに栄養もあって持ち運びも良いそうです。調べてみると実はかつお節はとても優れた非常食のひとつでした。

鰹節は、カビの働きを利用して水分を限界まで抜き取り、おいしさと栄養だけを凝縮させた保存食。70%以上がタンパク質、残りがうま味成分という栄養の塊です。栄養を補えるだけでなく、うま味成分が心を落ち着かせ、また、それをしゃぶって唾液が出ることで免疫力も高まるとか。

非常食を考える | くらしの良品研究所 | 無印良品

昔は軍用食として用いられていたことがあったとも聞きます。

【Cチーム】
Cチームは、テーマをさらに「水がない状況で活躍するもの」に絞って話し合い、発表しました。その具体的なものは、

・ウェットティッシュ、ティッシュペーパー、キッチンペーパー
・水がいらないシャンプ―
・おむつ、猫のトイレ用のシート

などです。ティッシュペーパー等は食べ終わった後の皿を拭く時に使えるそうです。

ちなみに個人的な趣味で山登りに時々行くのですが、その際に芯を抜いたトイレットペーパーを持って行きます。これが、食後の皿を拭くなど水の節約に結構貢献します。また、その他にもお皿にサランラップを貼って使用後にラップだけ捨てるという方法も聞いたことがあります。

【Dチーム】
Dチームは、備蓄食料として「長期保存ができるもの」。備蓄方法として「ローリングストック法」を紹介しました。

長期保存ができるものとしては消費期限が5年の飲料水、25年の非常食があるとのことです。25年の非常食は値段がそれなりにするらしいのですが、消費期限が残り20年くらいになったものが安く販売されることもあるといいます。期限が5年短いとはいえ残り20年……。これだけあれば十分ですね。

ローリングストック法は、備蓄してある食料を消費期限の古いものから日常的に食べ、そして買い足していく備蓄方法です。普段から少しづつ食べていくので消費期限を意識しないで済むというメリットがあるそうです。備蓄食料の保管は「先入れ先出し」となるように置き方を工夫をすることがポイントなのだそうです。

【Eチーム】
Eチームは災害時に最も重要なものは「水」と「エネルギー」と考え、その確保方法などについて発表しました。

まずは飲料水。メンバーが住んでいる静岡県東部は富士山の湧水が豊富な場所です。そこで健康を害する微生物などをろ過できる携帯用のアウトドア浄水器が役に立つだろうということで、具体的な商品の情報などを共有していました。浄水器は水の状況――濁り具合など――にもよりますが、数万リットルの水や重金属もろ過できる商品もあるそうです。

次にエネルギー。暖がとれないときにはエマージェンシーシートが役に立つとのこと。エマージェンシーシートはポリエステル性のフィルムにアルミニウムを蒸着させたコンパクトで軽量な極薄のシートです。保温性があり簡易毛布のように使用できます。そのほか、電気やガスなどが止まっても使えるカセットコンロとガスカートリッジも薦めていました。

帰宅後に手作りキャンドルを点灯

全チームのオススメ備蓄品の発表が終ると復興支援社内イベントは終了しました。

そして帰宅した夜、有志社員によって作られた「手作りキャンドル」を各自が自宅で灯し、東日本大震災で亡くなれた方々のご冥福を改めて祈りました。手作りキャンドルの詳細については下記リンクをご参照下さい。

 【まとめ】3月11日。キャンドルの灯りが東北に届きますように
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