大小の無数の湖が広がる中国・四川省の九寨溝(きゅうさいこう)。その吸い込まれそうなコバルトブルーの水の色は「美しい」を通り越し、魅惑的ですらあります。北京を後にし、ラオスへ入国する前にちょっと立ち寄ったのが、この九寨溝でした。
九寨溝について。魅惑の水の色の秘密
九寨溝は標高2000メートル以上の高地を流れる渓谷に大小100以上の湖や沼、滝が点在する世界遺産です。「寨(さい)」と呼ばれるチベット族の村が9つあったことからこの名がつけられました。
九寨溝が発見されたのは1970年代。付近の森を伐採していた人が発見したといいます。40年ほど前まで、このような絶景が見つからずに隠れていたことに、改めて中国の広さを感じます。
目を疑ってしまうほど透明度が高い水の秘密は、地形が大きく関係しています。九寨溝は石灰岩でできたカルスト地形。そのため、流れる水には石灰岩の成分である炭酸カルシウムが溶け込んでいます。炭酸カルシウムは水に含まれる不純物を吸着して湖底に沈むために、これほど澄んだ水になるそうです。
鮮やかな「青」に思わず息を呑んでしまう
およそ32キロメートルに100以上もの湖や滝が点在する九寨溝の全てを1日で見てまわることは至難の技です。そこで、特に印象に残っている湖を2つご紹介します。
まず最初にご紹介するのは冒頭の写真の「五彩池(ごさいち)」。九塞溝でも上流部にあるこの池の特筆すべき点はその水の色です。
魅惑的なコバルトブルーの美しさは、それまで見たどんな青よりも鮮やかで、引きこまれてしまいそうな感覚に襲われます。
その色を見事に写したのが上の写真。加工したのではないかと疑ってしまうほどですが、実際にこのような色をしているのです。個人的に九寨溝で最も強く印象に残っている池です。
五彩池と双璧をなすのが「五花海(ごかかい)」。ガイドブックなどには「九寨溝を代表する景観」、「九寨溝のハイライト」などと書かれている、旅行者に大人気の湖です。
透明度の高い水に加え、湖底に沈む倒木や水草が作り出す光景はまるで絵画のようです。
パンダも棲んでいた九寨溝♪
九寨溝の一番の見どころは湖沼や滝、ですが、エリア内にはパンダも飼育されています。
かつて九寨溝にはパンダが生息していたそうで、「熊猫(パンダ)海」と呼ばれる湖もあります。なんでも昔、この湖にパンダが水を飲みにきていたのだそうです。
九寨溝を歩いていたら、野生のパンダに遭遇! なんてことがあれば、嬉しいのか恐いのか……いったいどちらなのでしょうね(笑)。
九寨溝
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