マルタ共和国は地中海に浮かぶ小さな小さな島国です。その面積は東京都の半分ほど。大小5つの島からなり、最も大きいマルタ島は長径約26キロ、短径約13キロほどの楕円形をしています。
その形から長靴に例えられるイタリア半島のつま先部分の先に浮かぶマルタ島は、地中海のほぼ中心に位置しているために「地中海のヘソ」とも呼ばれ、古来より地中海交通の要衝となってきました。
マルタに惹かれてやまないのは首都、バレッタの街並み。中世の面影を色濃く残した街は世界遺産に登録されています。
マルタ島の歴史について
紀元前5千年には人が住んでいたというマルタ島。いま見られる中世の街並みは16世紀に聖ヨハネ騎士団によって造られたものです。
聖ヨハネ騎士団は十字軍が発足したのにともない、1113年、パレスチナで創設された中世の三大宗教騎士団のひとつです。
当初は聖地エルサレムに拠点があったものの、13世紀末にアッコンの砦(※現在のイスラエル・アクレにあります)がイスラム勢力に占領されると、本拠地をキプロス島、ロードス島に移しながら存続しました。
しかし1522年、そのロードス島もオスマン帝国に占領されるとマルタ島へ移り、バレッタの街を造ったのです。
バレッタでは街の散策を☆
バレッタの魅力は前述のとおり中世の街並みです。歴史ある街の中に宿を取り、2、3日かけてのんびり散策したいところです。
街を歩き始める前に訪れておきたいのが「国立考古学博物」。マルタの歴史を知ることができるので、一番最初に見学しておきたい場所です。博物館の建物は16世紀に建てられた聖ヨハネ騎士団の宿舎だったものです。
街には、騎士団ゆかりの建物がほかにも数多くあります。街歩きを楽しみながら、ぜひ立ち寄ってみたいです。なかでも見てみたいのは、聖ヨハネ大聖堂、騎士団長の宮殿、聖エルモ砦です。
聖ヨハネ大聖堂は騎士団の守護聖人ヨハネにささげられた教会で、騎士たちの心のよりどころであった、必見の場所です。
騎士団長の宮殿はバレッタ旧市街のほぼ中心に位置し、騎士団の中枢があった場所です。1547年に完成したという建物は現在、大統領府と議会が置かれており、国会が開催されていない時期に一部公開されています。
聖エルモ砦はバレッタの旧市街がある岬の先っぽにある砦で、オスマン帝国の侵攻に備えて建設されました。バレッタの旧市街や海を一望できるという砦の上部からの眺めを楽しみたいです。
旅行費用&アクセス
前回ご紹介したウズベキスタンのサマルカンドからは、一度タシケントに戻り、空路でマルタ共和国へ移動します。複数の航空会社があるものの、直行便はなく、いずれも乗り継ぎが必要です。
バレッタの街の散策は1日もあればできそうですが、個人的には3日間ほど滞在して、のんびりと街の雰囲気を楽しみたいです。
【主な旅行費用】
■交通費
・ウズベキスタン・サマルカンド → タシケント:バス(5時間)[500円]
・タシケント → マルタ共和国:飛行機(11時間。イスタンブールで乗り継ぎ1回)[100,000円]
・マルタ国際空港 → バレッタ市内:タクシー(30分)[2,000円]
※日本からマルタ共和国までは、トルコ航空(※イスタンブールで乗り継ぎ1回)で所要時間約15時間。運賃12万円ほど。トルコ航空以外にも航空会社あり。
■宿泊費
ゲストハウス:6,000円(1泊 )× 3日間
■食費等:
・5,000円(1日)× 3日間
※朝、昼は食堂で軽食。夜はレストランでディナーを想定。
■観光費用
・入場料合計:3,600円
(※国立考古学博物館、聖ヨハネ大聖堂、騎士団長の宮殿、聖エルモ砦)
《目安費用:4万円程度(※概算)+ マルタ共和国までの航空券代》
※金額、及び時間は参考情報であり、あくまでもひとつの目安です。
※金額は2016年6月22日現在のレートで計算。1ユーロ≒118円。
マルタ島・バレッタ
参考文献
「地球の歩き方 A13 南イタリアとマルタ 2016~2017年版」(著作編集:『地球の歩き方』編集室、発行所:株式会社 ダイヤモンド・ビック社、発行元:株式会社 ダイヤモンド社)
前回の話
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