防災用品を考える ~後編~

sKenji

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「防災用品を考える ~後編~」では、前編でリストアップした防災用品の一部をピックアップしてより詳細に書きたいと思います。

 防災用品を考える ~前編~
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一次避難防災用品について

一次避難防災用品は、避難するときに持っていく最低限必要なものです。デイパック1つに極力、軽量、コンパクトな必需品をいれて避難します。避難時に負担を感じない重さにします。前半でリストアップした一次避難防災用品の一部について説明します。

○現金
公衆電話用に10円玉も用意しておきます。その他、5円玉はトゲが刺さったときに押し当てると、ピンセットで引き抜き易くなります。

○水(500mlペットボトル2本)
可能ならば3日間分位(9L)の水がほしいですが、避難に支障をきたすため、500mlぺットボトル2本を準備しています。1Lペットボトル1本ではなく、500mlを2本用意します。

○非常食
調理の必要がないアルファ化米などを、できれば3日間分ほど用意します。アルファ化米は、登山用品店など購入することができます。熱湯や水だけで戻すことができ、アウトドアなどでも利用されています。水があるとは限らないので、アルファ化米以外にも、乾パンなどそのまま食べることができる非常食も必要です。
ちなみに、以前アルファ化米を水で戻してみたことがあったのですが、少し芯が残っている感がありました。けれども、水だけあれば食べることのできるアルファ化米は災害時にはとても便利な非常食だと思います。缶詰など重いものは、できるだけ二次避難防災用品にして、一次避難防災用品はできる限り、軽くコンパクトなものすべきだと思います。

アルファ化米です。この他に白米や五目ごはんなどいくつか種類があります。
アルファ化米です。この他に白米や五目ごはんなどいくつか種類があります。
アルファ化米の調理方法です。熱湯もしくは水を注ぐだけです。
アルファ化米の調理方法です。熱湯もしくは水を注ぐだけです。
5年の長期保存が可能です。
5年の長期保存が可能です。

○アーミーナイフ(10徳ナイフ)
 多機能ナイフは災害時に大変役に立つと思います。少なくともナイフ、
 はさみ、缶切り、ピンセット、ボールペンはほしい機能です。
 スイス製のアーミーナイフが切れ味、信頼性もあり、おすすめです。

○エマージェンシーシート
 人がくるまれるほどの大きさの銀色のシートです。アウトドア用品店などで
 売っています。保温効果があり、寒さをしのぐ際などに使用できます。

○笛
 助けを呼ぶ時に使用します。人間の声よりも、疲労度、音の到達距離の上で
 笛の方が優れています。なかでも「ストームホイッスル」という笛は、
 周囲の状況によりますが、800m先まで音が届くそうです。

○防災ラジオ
 手回し充電、ソーラー充電の両方ができるタイプのものがいいかと思います。
 LEDライトや携帯電話充電機能がついたものがおすすめです。

単4電池2本使用。軽量、コンパクト。

単4電池2本使用。軽量、コンパクト。

○ヘッドライト
 懐中電灯よりも、両手が使えるヘッドライト
 にすべきです。光源がLEDタイプのものを
 強くおすすめします。単4電池2本で
 長時間使用できるコンパクトなものも
 あります。雨の中で使用できるタイプを
 選びます。機種によっては、赤色で点滅する
 機能を持ったものあり、非常時のサインと
 して利用することもできます。

○ヘルメット
 ヘルメットは被って避難します。置き場所に困る方もいるかもしれません。
 保管場所で悩んでいる方は、折りたたみ式のヘルメットが市販されています。

折りたたみ式ヘルメット。折りたたんだ状態(横から撮影)。
折りたたみ式ヘルメット。折りたたんだ状態(横から撮影)。
折りたたんだ状態(下から撮影)。頭の後ろ側についているヒモを引っ張ると、ヘルメットの形になります。
折りたたんだ状態(下から撮影)。頭の後ろ側についているヒモを引っ張ると、ヘルメットの形になります。
ヒモを引っ張るとこのように普通のヘルメットになります。
ヒモを引っ張るとこのように普通のヘルメットになります。

○布テープ
 ガムテープより布テープがいいかと思います。
 布テープは様々な場所で活用できます。物を張ったり止めたりするだけでなく、
 マジックで書いて張っておけば、伝言などにも使用できます。
 重くかさばるので、必要な長さだけ切り取って、棒状のものに巻きつけて
 おきます。

○ロープ
 太さの異なる2種類を用意します。
 個人的には、直径2~3mmと直径7~10mm程度のものを
 それぞれ長さ10mほど準備した方がいいかと思います。
 アウトドア用品店、ホームセンターなどで購入することができます。

○皮手袋
 手袋は軍手よりも、丈夫な皮製の手袋にします。

○ライター
 耐風性のあるターボライターがおすすめです。

○三角巾
 使い方さえ覚えれば、かなり利用価値の高いアイテムです。
 災害前に、基本的な使い方を覚えて準備することをおすすめします。

○雨具
 冬場に雨で濡れると、命を失う危険性もあります。雨具は必需品です。
 防寒対策にも大変有効です。重量と携帯性に劣りますが、
 上下セパレートタイプのものがいいかと思います。
 レインコート型(ポンチョ)の雨具の場合は、透明タイプではなく
 色付タイプのものがいいです。特に女性の場合、色付タイプの
 レインコートならばトレイがない時に着用すれば、重宝するかと思います。

これは、サイズ:7.6×16.5X6.1cm、重量:310gです。もっと軽量、コンパクトな浄水器もあります。

これは、サイズ:7.6×16.5X6.1cm、重量:310gです。もっと軽量、コンパクトな浄水器もあります。

○浄水器
 軽量、コンパクトなアウトドア用の浄水器が
 市販されています。ものにもよりますが、
 一部の細菌やバクテリアも除去できます。
 水は重くかさばるために、十分な量を
 持って避難することは難しいと思います。
 飲み水がない場合は、浄水器を使用して
 飲料水を確保しようと、私は思っています。
 

 

これはホームセンターで買った大容量タイプ。1~3L用の丈夫なものがアウトドア用品店でも購入可能。

これはホームセンターで買った大容量タイプ。1~3L用の丈夫なものがアウトドア用品店でも購入可能。

○折り畳み式の水筒
 丈夫なビニール製で折りたたむことのできる
 水筒です。避難する際は、空で持ち出して、
 避難先で必要に応じて使います。
 写真のものは大きいタイプものですが、
 1~3L程度のアウトドア用のビニール製の
 水筒があります。とても丈夫で、ふつうに
 使用していれば破れることはまずないかと
 思います。熱湯や凍らせることもできます。
 軽量なものですので、持っていて損はないか
 と思います。

○携帯用箸、スポーク
 2分割できるアウトドア用のコンパクトな箸があります。また、スポークと
 呼ばれるスプーンとフォークの機能を一本で兼ね備えたものも便利です。
 素材は金属やプラスティックで、折りたたむことができるものもあります。

○シェラカップ
 アウトドアで使用するカップにシェラカップと呼ばれるものがあります。
 200~300mlの金属製の器に持ち手がついたものです。
 主にコップとして使用しますが、小さなお皿替わりにも使えます。
 持ち手が意外とかさばるので、一次避難用には、持ち手が折りたためる
 タイプのシェラカップがおすすめです。

○救急用品
 一次避難用の救急用品としては、少なくとも絆創膏、ガーゼ、包帯、消毒液
 を用意します。傷口によっては化膿するので、消毒液は重要です。
 上記に加えて、可能ならば太いテーピングもあると何かと役に立ちます。

○トイレットペーパー
 トイレでの使用以外にも、食器などの物を拭いたり、ティッシュペーパー
 代わりにも使用できます。登山やキャンプではかなり役に立っています。
 少しかさばりますが、芯を抜けばコンパクトになります。
 雨対策として、トイレットペーパーは個別でジップロックなどにいれて
 おきます。

○付近の地図(1枚もので)
 道が利用できない可能性もありますが、持っていれば目的地までの
 距離もわかります。個人的には地図は持っておきたいアイテムです。
 製本された地図は重いので、一枚ものの地図にします。

○近所のハザードマップ
 土砂災害、水害など危険な個所を地図上に示したハザードマップを
 各自治体がWEB上で公開しています。
 近所のハザードマップだけでも印刷しておくといいと思います。
 地図とハザードマップはジップロックにいれておきます。

※現金、通帳、ライター、ラジオなど、水に濡れて困るものは、
 ジップロックやビニール袋の中にいれておきます。

二次避難防災用品について

二次避難防災用品は、災害の長期化に備えて準備しておく防災用品です。
前半でリストアップした二次避難防災用品の一部について説明します。

○水
 飲料水として、少なくとも一日当たり
 3Lの水が必要だと言われています。
 飲料水を少しでも多く確保しておくに
 越したことはありませんが、
 結構な量になります。仮に4人家族で
 7日間分確保すると、少なくとも84Lの
 飲料水が必要になります。
 私は3日分の飲料水を確保して、
 足りない分は浄水器の利用を考えています。
 また、飲料水以外にも食器を洗ったり、
 トイレで使用するなど多くの水が必要と
 なります。
 

○非常食
 災害用の非常食や缶詰などの備えがあるに越したことはありませんが、
 使用されないまま賞味期限が過ぎて、廃棄される可能性もあります。
 そのために、ローリングストック法と呼ばれる備蓄方法をおすすめします。
 これは、普段食べている即席めん、レトルト食品など、賞味期限が
 長いものを余分に買って備蓄しておき、日常で食べる際には、備蓄の中の
 古いものから食べ、使用した分を補充するという備蓄方法で、大変実用的
 だと思います。食品メーカー側も包材の改良などを行い、レトルト食品や
 即席めんの賞味期限のさらなる延長を図る予定ですので、
 ローリングストック法は有効な備蓄方法だと思います。

○充電式電池
 東日本大震災の時は、計画停電がありました。電気が使用できるときに
 充電式電池を充電しておけば、繰り返し利用ができます。
 また、下記のソーラーチャージャーで充電することも可能です。

○ソーラーチャージャー
 電気が使用できない場合でも、晴れていれば日中に充電式電池などを
 充電することが可能です。

○紙皿、食品用ラップ
 水の節約に使用します。使い捨て可能な紙皿を使用したり、
 お皿にラップをかけて使い、使用後はラップのみ捨てれば、
 水の使用量を減らすことができます。

○テントなどキャンプ用品
 自宅が倒壊、もしくは倒壊の恐れがある際にテントがあると役に立ちます。
 テントだけでなく寝袋と銀マットなども忘れずに。マットは寝心地向上の
 ためだけでなく、保温効果にも必要です。考えている以上に地面からの
 冷え込みは強く、体温を奪われるのでマットは必須です。

○カセットコンロ、カセットガス
 専用のガスカートリッジを使用する一般的なアウトドア用の
 ストーブ(調理用のバーナー)よりも、燃料が入手しやすい
 カセットコンロや、カセットガスを使用できるタイプのガスストーブが
おすすめです。ガスのほかには、ガソリンを燃料とする、
 ガソリンストーブもあります。慣れていないと使いづらいのが欠点ですが、
 ガソリンストーブも燃料調達が比較的容易であり、役に立つと思います。

最後に

今回、自分の防災用品やアウトドアでの経験に加えて、ネットで防災用品について調べて書きました。改めて防災用品を見直してみると、不足しているものもありましたので、今度の週末にでも揃えて、災害に備えたいと思います。
災害直後は防災意識が高いのですが、時間が経つと、どうしても意識が低下してしまいます。昔、準備していた非常食も賞味期限が切れている可能性もありますので、定期的に防災用品のチェックは行いたいと思います。

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Text & Photo:sKenji

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