2015年3月11日。東日本大震災から4年が経過するこの日、亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、震災を風化させてはいけない、東日本大震災を教訓として次に来る災害に対して備えなければいけないという想いから、勤務先の会社で東北の復興を中心に考える社内イベントを全社員参加のもと実施しました。
イベントの前半、社内で復興などについてのグループディスカッションを行うと、後半はオフィス近くの和食屋に会場を移して、食事をしながら防災対策ディスカッションを行いました。
防災対策ディスカッションについて
防災対策ディスカッションでは、災害時の「非常持ち出し品」や「備蓄品」について話し合いをしました。
まず、事前に消防庁のWEBサイトで公表されている次の2つのチェックシートを記入した上でディスカッションにのぞみ、独自に準備しているものや、おすすめの非常持ち出し品などの情報共有を行いました。
ちなみにチェックシートを見ていただければわかりますが、リストはあくまでも一般的な例です。個人の生活環境や状況によって、他に必要なものがあったり、逆に不要なものもあると思います。
ディスカッションの内容について
会場では配置されたテーブルの関係上、3つに別れてそれぞれのテーブルで意見交換をしました。
私がいたテーブルではチェックリストにない持ち物や避難時の留意点などについての話がでました。その中から非常持ち出し品について、いくつかご紹介したいと思います。
・チャック付ビニール袋の使用
※防災ラジオ、マッチ・ライターなど濡れて困るものはチャック付のビニール袋にいれる。避難時に雨が降っていたり水に浸かる可能性もあるので防水対策をする。
・エマージェンシーシート
※エマージェンシーシートはポリエステル性のフィルムにアルミニウムを蒸着させたコンパクト且つ軽量な極薄のシートで、保温性があり簡易毛布のように使用する。
・灯りはLEDのヘッドライト
※懐中電灯よりも両手が使えるLEDのヘッドライトがよい。LEDは省エネ性に優れ、数時間から数十時間の使用が可能。
・ウォーターパック
※水を確保するために使用。ウォーターパックは厚手のビニール素材でできた軽量な水筒で、折りたたむとコンパクトになる。
・充電式のラジオ
※防災ラジオはライト付でソーラーや手回しなどで充電できるものがよい。携帯電話を充電することができるタイプもある。
・笛(ホイッスル)
※叫んで助けを求めるのは想像以上に体力を消耗するために、笛を使用する。
・ランタン
※停電の際はランタンが重宝する。東日本大震災の影響による計画停電の際にはかなり活躍したとのこと。
・アウトドア浄水器
※水や非常食は最低3日分と言われている。1日に必要な水の量は3リットル。3日分を持つと重いので、非常持ち出し品では500mlのペットボトル2、3本のほか、アウトドア用の浄水器を用意している。
以上、非常持ち出し品等についてでた意見です。
そのほかにも、歩けないような小さい子供がいる家庭では、避難する際に背負って逃げる可能性がある。その際、登山用のベビーキャリアが動きやすくてよいのではないかなどの意見がありました。
美味しい福島県のお米について
防災対策ディスカッションの途中、福島県で安全な米作りに取り組んでいる農家の方が作られたお米のプレゼント企画がありました。
お米は放射性物質を極力取り込まないように育てられた稲から採れたもので、放射線量の測定結果が、国の基準値をはるかに下回っているのは言うまでもなく、福島県はもちろん全国的に見ても極めて低い値となっているものです。
ただし、お米をゲットできるのは3名のみ。欲しい人を募ったら、その場にいた全員が希望したために争奪じゃんけんが行われました。
おすすめ防災グッズの紹介
おすすめ防災グッズなどの実物を持ってきてもらい、それを紹介もしました。登場した防災グッズは次のものでした。
・ビニール袋とタオルを作ったオムツ
※スーパーのレジ袋とタオルで作った簡易オムツで、小さなお子さんがいらっしゃる方にはとても役に立ちます。
・布を使った抱っこひも
※抱っこひもを布で作る方法は、下記サイトの「布一枚での抱っこを覚えよう」にも記載されています。この日は一枚の布ではなく、1m程度のストール、複数枚の端を結びつけて1本にしたものを使って実演を行いました。
・折りたたみヘルメット
※ヘルメットは結構かさばります。1人ならまだしも家族分用意するとそれだけでかなりの場所をとってしまいます。そのようなときに便利なのが折りたたむことのできるヘルメット。通常はぺしゃんこになった状態ですが、使用する際にヒモを引っ張ると立体的になり、ヘルメットとして使用できます。実際に見せてもらうと保管スペースが5分の1程度で済みそうです。
・笛の吹き比べ
※助けを呼ぶ際に役に立つのが笛(ホイッスル)。この日は次の3種類の笛を順番に吹いて、比べてみました。
まず最初に吹いたのは100円ショップで買ってきた笛。
次にヨットなどの船舶でも使用されている、高周波と低周波の2つの音を同時にだす笛。
そして最後に「ストームホイッスル」と呼ばれる、米国の沿岸警備隊や海軍特殊部隊で使われている、世界で最も大きな音をだし、水面下でも使えるという特殊な笛。
音の大きさではやはり「ストームホイッスル」に軍配があがりました。軽く吹くだけで大きな音がします。
まずは防災グッズの話から
防災対策ディスカッション。参加者同士がお互いの情報を共有することにより新しい知識を得られる上に防災意識の向上につながりました。防災グッズについての意見交換は身近で目に見えるものだけに話し易いものがありました。友人や近所の方とお互いの防災グッズを持ち寄って話し合うのは、効果的な防災対策だと思います。
紹介:sKenji
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