おそらく将来も語り継がれるであろう2018年の猛暑。と思ったら急に秋風が吹いたりして拍子抜けしてしまいますね。でもやっぱり前半は異常な暑さでした。
自閉っ子には体温調節が上手くできない子が多くいます。夏なのに厚着していたり、冬に薄着だったりする子もいますよね。
うちの子は寒暖に極端に敏感と言うほどではないのですが、日中は汗をあまりかかない(なのに寝汗はすごい)ので体が熱くなりがち。気温が高い日は心配です。
なので猛暑が始まって以来「休みの日をどうやって過ごすか」をずっと模索してきました。でもあの頃は富士五湖周辺でも30℃を軽く超えていたぐらいでしたから、結局「外出は控えよう」ということになりました。
毎日かあさんに教わった毎日プール
「子供は水に漬け日に当てて弱らせ、たっぷりの炭水化物を与え、寝しなにつまんない本を朗読すれば撃沈」
これは子育てマンガで有名な漫画家、西原理恵子さんの名言です。わが家も何年か前から夏はもっぱら「ベランダでプール」です。数年前にこんなプールを買いました。
ふだんは骨組みパーツをバラしてぺちゃんこな状態ですが、休日の朝起きてベランダを見ると、娘はすぐに「窓を開けろ」とわたしたちの腕を引っ張ります(放課後等デイサービスに通っている平日はこれを見ても催促しないのです。不思議)。
そこで、窓にはプールのイラストを貼り、その横には水溶性クレヨンで10時を指した時計の絵を描きます。
娘にはその上にある本物の時計と時計の絵の両方を見るように促して「時計がこの形になったらプールね!それまで待っててね!」と説明します。
なんとなく時計を見ているような、そうでもないような時間を過ごし、時刻は9時45分。ここでわたしがプールを組み立てます。
露天風呂だってできるよ
続いて水を入れ始めるわけですが、ひと工夫いります。
昨年、水が冷たすぎてなかなかプールに入れないことがあり、娘は水を張っていたわたしを厳しい表情で見ていたことがありました。「おまえ使えねえ!」と目が語っていました(笑)。
そこで娘の下僕のわたしは「浴室のシャワーをベランダまで引っ張ってこられるホース」を購入したのです。
これでお湯を張ったら露天風呂だって可能ですね。しかし適度なぬるさを求めてベランダに元々ある水まき用ホースも併用して「ダブルで給水&給湯」。これなら2倍のスピードでちょうどいい温度の水が張れます。バッチリです。
これで水位が5センチぐらいまでいけば娘はもうウキウキ。居てもたってもいられず、ベランダに向かって拍手喝采します。
時計が絵と同じ10時の形になりました。こうなるともう完全にスイッチオン!水着に着替えさせてベランダにリリースします。
あとは水とお湯を適当に足しながら娘を遊ばせておきます(もちろんわたしたちが目の前で見てますよ)。娘はバシャバシャしぶきを上げるようなことはせず、あおむけで全身を伸ばしたり、濡れた髪の毛から滴り落ちる水を真剣に見ていたり。
かと思えば大きなゲップをしています。どんだけ水を飲んでんだよ…。
水中ペヤング
ただし困ったことがあります。「いつまで経ってもプールから出ようとしない」のです。
無理やり引っ張あげるとすごく怒ります。プールにいる限りは見ていて微笑ましいぐらい幸せそうなので、用事さえなければ3時間ぐらい水に漬けておきます。娘がマグロで水が醤油なら「漬け」ができますね。
サイバラさんの名言に「たっぷりの炭水化物を与え」とありますが、なにしろ娘がプールから出てくれないので、時にはプールに入ったままペヤングソース焼きそばやカレーライスをあげたりなんかして「海の家だね!海の家は水中じゃないけどね!」なんて言って親も楽しんでいます。
家に居ながらにして食べ物の催促もないし「くっついてろ」という要求もしない娘の姿は貴重なのです。わたしたちにとってはこれも「夏の醍醐味」と言えるでしょう(笑)。
「本番」の海で見えた課題
娘がいくらプール好きと言っても、やはり海水浴は別格。海を見た時の喜び方はプールの比ではありません。
ということで毎年楽しみにしている「旅館&海水浴」をことしも西伊豆で楽しんできたのですが、いろいろと課題が浮上してきました。
コスト削減のためでしょう、近年、旅館では食事の「部屋出し」をやめて「食事処」や「大広間」などでいただくところが非常に増えてきました。
娘の多動が激しいので落ち着いて食事ができることなんてそもそも期待していませんが、部屋での食事なら娘を好きなように遊ばせておけます。娘は畳の部屋が大好きなので機嫌もいいです。
しかし食事処や大広間での食事となると、娘が急に拍手したり奇声を発したり、座っていられずよそのご家族のテーブルを見に行ったりしてしまうので困ります。
今回、夕食はまだマシだったのですが、翌日の朝食時は娘の奇声やチョロチョロが激しすぎたので、途中で退室することにしました。
やはり更衣室は必要
娘はどんどん大きくなっていますが、知能は1歳6カ月のまま。身の回りのことができませんから、海水浴場の現地でも駐車場から砂浜までの移動、テントや荷物の運搬、貴重品の安全、砂を洗うこと、着替えることなどなど、これまではなんとか気合で乗り切ってきたことすべてにハッキリと「限界」を感じました。
ヘトヘトの帰り道、ママはクルマの中で早くも「検索の鬼」となって「旅館は部屋食、貸切露天風呂、宿の目の前が海、着替えを宿でさせてもらえる」などなど、自閉っ子家庭の理想の海水浴を実現させようと独自のリサーチを開始していました(費用はかさみそうですが…)。
海は「思いつき」もアリ
夏休みの終盤、娘を2時間ほど水に漬けてから思いつきで近くの海水浴場を見に行ってみました。
クルマの数も海水浴場の人出も普段の休日よりはまだまだ多かったですが、夏休みの最盛期に比べればはるかにマシ。
地元の方から「ここはクラゲが出ないよ」という情報もゲット。午後になってから家を出たのに、水着さえ持っていればじゅうぶん娘を遊ばせることができたでしょう。
改めて伊豆っていいところだな、思いつきで海水浴に来られるんだから、来年からはちょっと時期をずらしたり、海と旅館は切り離して計画してみるのもいいなと思った2018年の夏でした。
ベランダプールとたっぷりの炭水化物はまだまだ続く予定です。なので今月いっぱいは暑くてもいいなあ、なんて勝手なことを思っています。そんなに急に秋になられてもちょっと寂しいですよね。
最終更新:
baikinman
水が好きなら、今年の暑さものりきれますね!
海の場合は、海水を流すのにどうしていますか?
我が家は子供が行くのを面倒がるのでポリタンク持参です。
ただ4人で使うので最低限流すだけです…。
良い方法があったら知りたいです。
pamapama
うちは車輪付きで持ち運べるタンク式シャワーを持っていきます。8リットル入って、しゅぽしゅぽと空気を圧縮してシャワーを出します。水は現地の足洗い用水道からもらいます。家族3人の海水や砂を落とすにはじゅうぶんですが、持ち運びはやっぱりちょっと面倒ですね。
jina
長浜海水浴場はどうでした?いつも熱海のサンビーチで満足してしまい長浜まで行かない感じでしたが、来年は行ってみたいです!
pamapama
ここへ着く前に熱海サンビーチの前を通りましたが、サンビーチは激込み。それに対して長浜海水浴場はかなり余裕がありました。海の家は3軒ぐらいですが、そこと別に屋根付きのテラス席がまとまってあり、飲み物も食べ物もそこで買えるし、無料シャワーの数もある程度あってなかなかいいなあと思いました。「思いつき海水浴」の有力候補です。
cha_chan
海いいですね!
我が家の子供たちは自分がいないときは、2人で泥んこ遊びを楽しんでいるようです。
なかなか都合が合わず、まだ家族で海水浴デビューとプールデビューが実現していないので、夏が終わる前にデビューしたいです!
pamapama
どろんこ遊びも楽しいでしょうね!ウチの娘はおそらくどろんこを食べちゃうと思います(^-^;
akaheru
水で遊んでいるお子さん、いい笑顔ですね。
我が家も夏は子供を水につけ疲れさせ、ご飯を食べさせて寝かせるという作戦をよく取りますが、体力がついてきたのか今年はなかなかうまくいきません・・・。
思いつきできれいな海に遊びにいけるのは羨ましいっす!
pamapama
娘はベランダプールに入るとほとんどの時間を四つん這いで過ごすのですが、ことしはラッシュガードを着せるのを忘れることがしばしばあり、背中が松崎しげるレベルまで焼けました。新学期に学校の先生がびっくりしちゃうと思います(#^^#)