自閉症を持つ子の特性のひとつに「視覚優位」というものがあります。
視覚による刺激が他の感覚刺激より優位に働く、つまり「見えるものが気になって、そっちに意識が引っ張られやすい」という傾向です。「ビジュアルドライブ」とも言います。
自分の部屋で寝ている時の悪事
自分の部屋でひとりで寝るようになった娘ですが、中途覚醒はまだ頻繁にあります。でも娘が起こしに来ない限りは放っておきます(まあ3回に2回は起こされますけど)。
翌朝その娘の部屋を見ると…
この散らかしっぷりときたら…自分の絵本を破いたりおもちゃを放り投げるだけでなく、本棚にあるわたしや妻の本を引っ張り出しては「帯やカバーを取る」という謎の作業がせっせと展開されています。パパもママも本はカバーも帯も大事にするタイプなんだよう(泣)
こんな娘の悪事を見てママが言いました。
「ああそうか!見えるから気になるんだね!ということは隠しちゃえばいい」
ということで、本棚に布をかけて隠したところ…
なんということでしょう。被害が劇的に減りました(*^-^*)
ビジュアルドライブをうまく使う
上の例のように「気にすると困るものは『隠す』」という方法もあれば、逆に「注目しなくてはいけない大事な情報は、視覚で提示する」という支援の仕方もできます。
そのひとつが「絵カード」です。「これからすること」をイラスト化し、視覚に訴えることによって注目しやすくします。
また、自閉っ子には「これからすることがわからないと不安」とか「予定と違うことが苦痛」という子も多いので、絵カードを時刻の数字や時計の絵カードと共に並べ「やる順番」を視覚化することで、よりスムーズな行動を促すこともできるわけです。
ベランダプールとビジュアルドライブ
梅雨が明け、娘が大好きな「ベランダでプール」という夏の休日恒例の日課が始まりました。
ベランダにプールがあるというだけで朝からテンション上がりまくり!水着を引っ張り出しては勝手に着替えようとするので、窓にはプールと時計の表示をして「10時に」「プール」という二つの情報を紐つけます。
時計はこの真上にあります。娘は時計が読めるわけではありませんが「長針と短針の位置関係」を絵カードと比べることでごはんやプールなどのタイミングをなんとなく理解しているようです。ご飯の前、寝る前、そしてプールの前には時計を何度も見ます。
プールで小一時間も遊んだらいったんは満足するものの、ベランダにプールが見える限り、娘は勝手にウキウキそわそわしてしまいます。
ということは、娘のビジュアルドライブ対策として「本棚」の例に倣えば「プールを隠しちゃえばいい」ことになりますね。
しかしわたしとしてはそれが非常に面倒くさくて…隠すまではしません。じゃあどうするかというと
水を抜いたあと、脚も外してペチャンコにしてしまいます。すると娘は、プールを組み立てろなどという催促はしてきません。
脚を外しただけで「水を貯められないのはプールじゃないね」とでも思うんでしょうか。このへんの感覚がまだまだ謎だらけの娘です。
ことしも始まったプールの季節、暑そうです!この夏は「ベランダに取り付けられる日よけ」を買ってあげたいので、いま探しています。
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