シリーズ「自閉症って、どんな障害?」第2回~待てない~

pamapama

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先日、仕事からの帰宅途中に嫁さんからメールが来ました。

内容は「(娘の)お迎えの帰り際にクルマをぶつけちゃった…」というもの。放課後デイサービス(障害を持つ就学児が放課後に通える「学童保育」のようなもの)の施設へ娘を迎えに行き、クルマを出そうとしたところで他のママのクルマのバンパーにぶつけてしまったそうなのです。

お互いケガはなく、相手の方がとても優しい方で警察を呼んでくれたりいろいろ段取りしてくれた。いまは警察を待っている。ということなので、保険屋さんに電話することを指示したあと、もうひとつ確認しなければいけないことがあります。

「○○(娘の名前)はどうしてる?」

重い知的障害を持つ娘には自分がいま置かれている状態がわかりません。いつもなら家へ向けて走り出しているクルマの中にひとり。ママは外で他の人と立ち話。お腹もすいている。あと10分も放っておかれたらパニックになってしまうでしょう。

しかし不幸中の幸いとでもいうか、事故を起こした場所が放課後デイサービス施設の敷地内だったため、様子を見ていた職員の方が娘をもう一度施設の中に入れて面倒を見てくれているとのこと。わたしは胸をなでおろしました。

がまんはすごくむずかしい

実は、このような事態は以前から心配していたのです。知的障害が重く、多動性が強い娘にとって「がまんする」ということは非常に難しく(というより理解できていない)、基本的に誰かがそばで関わっていないと急に機嫌を崩したり、何をするかわかりません。

そんな娘を座席に座らせたまま警察の処理を待ち、保険屋さんや相手の方とのやりとりをするなんてまず不可能。やがてパニックになってクルマの中で大暴れしてしまうでしょう。その気になればシートベルトから抜け出せますから、なおさら暴れ具合や危険度が増します。

事故のほかにも「こどもを待たせてしまう状況」になってしまうことはありえます。そんな時にどうしたらいいか、正直まったくわかりません。不安でぞっとするような気持ちです。

事故自体は残念ですが、今回事故を起こした場所が「これ以上ない場所」だったことは本当に運が良かったと思います。

「待てない」ことへの支援も

「がまん」「待つ」といった概念がわかっていたとしても、実際には待てない自閉っ子はたくさんいます。「しつけがなってない」などと怒られてしまうこともあります。でも、どうしてもできないのです。

しかしそんな「待てないことに対する支援」もあります。ガラッと変わって遊びの話になりますが、例えば東京ディズニーランドでは、療育手帳を提示すると「ゲストアシスタントカード(GAC)」というものをもらうことができます。

このGACを持っていると「列に並ばなくても別の場所で待つことができ、あらかじめ指定された利用可能時間になったら列に戻ることができる」そうです。

うちの子はネズミッキーに興味ゼロなのでTDLに行くことは当分なさそうです。しかしこういった面でレジャーをあきらめているご家族は多いので、このような理解がいっそう進み、いろんなシーンで障害のあるこどもが(周りの方に迷惑をかけずに)過ごせる環境が増えるといいな、と心から思います。

きょうもお迎え、あしたもお迎え

というわけで、事故相手の方からクルマの修理が終わった旨の連絡、保険会社からも今後の処理の流れについて説明を受け、ひとまずこの件は終了。「もう運転したくない」とグチる嫁さんを励まして、きょうもあすもお迎えは続きます。

わが家のクルマもバンパーにほんの少し傷が増えました。でも大きな修理をしたばかりなので今回は何もしないことにしました。

わが家のクルマで最大の問題は「娘が食べこぼしたかっぱえびせん、おにぎりせんべい、食べっ子どうぶつなどがスキマというスキマにぎっしり入り込んで取れない」ことです。車検や修理の時、すごく恥ずかしいです(笑)。

クルマも電車も大好き。でも停まると怒ることがありますW
クルマも電車も大好き。でも停まると怒ることがありますW
この日は見えていない富士山の方を見て突然なぜか爆笑する娘。かーわいい♪
この日は見えていない富士山の方を見て突然なぜか爆笑する娘。かーわいい♪
 シリーズ「自閉症って、どんな障害?」第1回~生まれつきの障害~
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