「荒涼とした大自然」と「独自の宗教&文化」が魅力のチベット。そのチベットへ鉄道で行くことに憧れます♪
青蔵鉄道でチベットへ☆
「なぜ、鉄道で行きたいのか?」
それは中国・青海省の西寧からチベットのラサへ行く青蔵鉄道が、世界で最も高い場所を走っているからです。富士山頂よりも高いところにある高原地帯を走る列車に憧憬を感じずにはいられません。
実は16年以上前にラサへ行ったことがあるのですが、その時は飛行機でした。青蔵鉄道が完成したのは2006年。まだ鉄道が開通していませんでした。
以前、世界一周旅行をしていたことがあります。その際、当時世界で一番高い場所を走る鉄道路線、ペルーレイル(※ペルーのクスコとプーノを結んでいます)に乗りました。世界最高所を行く列車は鉄道好きでなくても、それだけで興奮させるものがありました。
ペルーレイルよりもさらに高所を走る列車――。そして、その終着駅は独特の世界を持つ魅力的なチベットの中心都市・ラサ――。乗ってみたいと思わずにはいられません。
青蔵鉄道は全長1956キロ。これをおよそ24時間前後で結びます。
運賃は席のクラスによってかなり差があります。値段と快適性のバランスに優れている三段タイプの寝台席・「硬臥」が最も人気のありますが、これで運賃は500元前後(※額面金額です。2016年6月3日時点のレート1元≒16.5円。)です。
高所を走るために高山病を心配されるかもしれませんがご安心を。
青蔵鉄道の列車は、驚くことに高地に対応した準密閉型の車両です。車内には酸素供給口まであるそうです(※ただし、ラサ到着後に高山病の心配があります。症状が重い場合にはすぐに市内の病院へ行かれることをおすすめします。なかには酸素吸入器を備えているホテルもあります)
車窓からの見どころは、中国最大の塩水湖である青海湖や青い湖面が見る者を魅了するツォナ湖のほか、高原地帯の風景。
荒涼とした大地にチベットガゼル、チベットカモシカなどの野生動物や、放牧されているヤクなども見ることができます。
そして、クライマックスはタンラ峠。鉄道路線における世界で最も高い場所です。標高は5,072メートル。信じられないような高さです。
6000、7000メートル級のヒマラヤ山脈を見ながらの列車の旅――。少し想像するだけで乗りたくなる路線です。
青蔵鉄道の終着駅、ラサの見どころ
青蔵鉄道の終着駅のラサの一番の見どころは、なんと言っても街の中心付近にある丘の上に建つポタラ宮です。
東西360メートル、南北300メートルの巨大な宮殿で、チベット仏教の最高指導者である歴代のダライ・ラマの居城でした。
標高3700メートルの高地の丘にそびえるポタラ宮はまるで「天空の宮殿」のようで、威厳を感じさせる建物です。
西寧へのアクセスとチベット旅行の注意点
前回ご初回した武陵源の最寄り街、張家界から青蔵鉄道が始まる西寧までは、鉄道で移動することができます。所要時間の目安は35時間程度。長距離のため、西安などで一度途中下車をして、体を休めた方が良さそうです。
日本から直接行く場合は飛行機で西安へ飛び、鉄道に乗ることができます。
ちなみに外国人旅行者がチベットへ行くのは少々面倒&不便さがあります。というのも、同地域へ入るためには「入境許可証」と呼ばれるパーミッションが必要なのです。
さらに、チベット到着後も訪れることのできる街や場所は制限されています。
外国人旅行者に解放されている所でも、ラサなど一部の街以外へ行く場合は、「入境許可証」とは別に許可を取らなければいけません。
また、チベット内における観光状況は流動的で、ガイドをつけた団体旅行でなければいけなかったり、チベット地域へ入ることすら禁止になったりすることもあります。
なぜ、これほど流動的で厳しい観光制限が行われているのか?
それは、この地に昔から住んでいるチベット人の多くが「チベットが中国に占領され、今も弾圧が行われている」と考えていることにあります。
彼らの一部は反政府活動を行っており、中国政府がこれに対して神経を尖らせているために、自由が制限されているのです。
西寧
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