静岡県三島市にある楽寿園で今、「菊まつり」が開催されています。
楽寿園は明治時代に皇族の別邸として造られ、現在は市が管理している公園です。菊まつりは楽寿園が開園して以来50年以上も続く催し物です。
昨日11月10日の昼休み、その歴史あるイベントを見に行ってきました。初めて訪れた菊まつりは想像していた以上に圧巻でした。今日は楽寿園の菊まつりをご紹介します!
楽寿園・菊まつりの見どころ
菊まつりの会場を訪れて驚いたことがあります。それは菊の種類が思っていた以上にあることです。調べてみると、世界中に約2万種もの菊が存在し、花のサイズにより「大菊」、「中菊」、「小菊」に大きく分けられるといいます。仏壇などに供えられる菊のほとんどは大菊や小菊で、ヨーロッパで菊と言えば、ほぼ中菊なのだそうです。
イベントで展示されているたくさんある菊の中で、まず最初に目を引いたのが次のものです。
大菊のひとつ、管物(くだもの)と呼ばれている菊です。花弁の全てが管状になっており、太いものから更に「太管(ふとくだ)」、「間管(あいくだ)」、「細管(ほそくだ)」、「針管(はりくだ)」の4つに別けられます。とても華やかさを感じる菊です。
管物の色は白だけでなく黄やピンク、さらには赤から黄色へのグラデーションになっているものもありました。
写真に写っている菊は三輪が一緒に咲いています。菊は仕立て方によっても分類があるそうで、これは「三本仕立て」と呼ばれるものです。大菊の最も基本的な仕立てと言われています。他にも花の数によって「一本仕立て」、「七本仕立て」などがあります。
次の目を引いた菊が上の写真です。種類ではなく、その仕立てに惹かれました。小菊を崖から垂れ下がった形に仕立てるものを「懸崖造り」といいますが、写真のものは懸崖造りでも「静岡型懸崖」と呼ばれる型で、静岡県から広がった仕立てなのだそうです。
自宅に1つ欲しいと思ったのが、写真の「盆栽造り」と呼ばれる仕立てです。幹の太りやすい山菊と呼ばれる小菊を使って盆栽に仕立てるのだそうです。とても気に入って一瞬欲しいと思ったものの、残念ながら手入れが大変らしく枯らしてしまいそうです・・・。
「おっ、韮山反射炉!」
写真を見て、そう思った方もいらっしゃるかもしれません。実はこれ、楽寿園にある2分の1スケールの模型です。手前の菊がなければ、一瞬本物と勘違いしてしまいそうですね。
最後にご紹介するのが「造形造り」です。菊でいう「造形」とは、懸崖用の小菊を使って動物や鳥、五重塔などの形に仕立てるもので、楽寿園の菊まつりでは「備中松山城」と「赤富士」の造形菊が展示されています。
特に総数6,000鉢以上で飾ったという備中松山城とその前にある菊の組み合わせは圧巻で、一見の価値があります。
菊は「一手かければ一に咲き、千手かければ千に咲き、万手かければ万に咲く」と言われるほど、作り手の技能や努力が表れるそうです。
楽寿園の菊まつりは11月31日まで開催されていますので、この機会に個性ある菊の数々を鑑賞されてみてはいかがでしょうか?今月15日(日)までは、ご紹介した懸崖造りや盆栽造りが展示されている「第63回東海菊花大会」も開かれていますよ♪
楽寿園
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji
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