2015年3月11日。東日本大震災から4年が経過するこの日、亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、震災を風化させてはいけない、東日本大震災を教訓として次に来る災害に対して備えなければいけないという想いから、勤務先の会社で東北の復興を中心に考える社内イベントを全社員参加のもと実施しました。
イベントでは東北の復興などについてのディスカッションのほか、絵本「ひまわりのおか」の朗読会も行いました。「ひまわりのおか」は、津波で命を落とした宮城県の大川小学校の児童とそのお母さんについて書かれた絵本です。
大川小学校について
東日本大震災発生当時、宮城県石巻市立大川小学校には108人の児童と教職員が13人がいました。しかし、そのうち74名の児童、10名の教職員が津波で亡くなったり、行方不明になっています。
小学校が津波に襲われたのは地震発生からおよそ51分後。地震の揺れは発生からおよそ3分間続いたといいます。避難する時間は十分あったにもかかわらず、避難を決断したのは津波が到達する3~4分前のことでした。
学校の裏には山があり、登ることができる程度の斜面もあったとも聞きます。津波に襲われるまでの間には、児童から「学校の裏にある山へ逃げよう」という声もあったそうです。しかし、津波到達直前に避難しようと目指した場所は、津波に飲み込まれた新北上大橋のたもとにある堤防の上でした。
現在、大川小学校の校舎は震災遺構として保存するか解体するかで話し合いが行われています。
「ひまわりのおか」と朗読会について
津波により多くの児童が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校。「ひまわりのおか」は学校で津波の犠牲になった児童8人のお母さんたちが、わが子へあてた手紙や話を元に書かれています。
題名になっているひまわりのおかは、子供たちが避難しようとして目指した場所です。震災後、津波でお子さんを亡くされたお母さん方がその場所にひまわりの種を植えています。著者は、文:葉方 丹さん、絵:松成真理子さんです。
朗読会では、女性社員2名が交互に読む形で進められました。通常でしたら10分ほどで読み終わる絵本です。しかし、読むにつれ自然と涙がこぼれ落ち、なかなか先に読み進めることはできずに通常の倍近い時間がかかりました。社内イベントの前に何度か読む練習をしたものの、最後まで読むことができなかったと聞きました。
絵本は、震災前にあったささやかな日常生活や母親の視点から見た我が子について書かれており、亡くなった児童の心の優しさと家族や他人への思いやり、そして母が抱いているわが子への想いが伝わってきます。
紹介:sKenji
最終更新: