今年の春の新入生たちは「校庭」というものを知らないんです iRyota25 2017.01.31 4 2,446 0 陸前高田市立高田東中学校は、東日本大震災で被災した広田中学校、小友中学校、米崎中学校の3校が統合して2013年4月に誕生した。これまで修理した米崎中学校を校舎として利用してきたが、1月16日の3学期の始業式から、新設された校舎で授業を始めている。 1月29日(日曜日)に
内陸の「未災地」と沿岸の「被災地」 iRyota25 2017.01.31 2 2,091 0 このところ、岩手県の内陸部の人たちと話をする機会が多いせいか、内陸部と沿岸部という軸で考えさせられることがしばしばある。 たとえば岩手県の場合、東日本大震災で沿岸部はいまなお癒せぬ甚大な被害を受けているが、盛岡市や花巻市、北上市、世界遺産がある平泉町や一関
雪とみかんとハンドバッグ iRyota25 2017.01.30 6 1,619 0 こんなつながりがあったとは! びっくりした。雪がしんしんと降りしきる陸前高田のとある復興住宅でのお茶っこ会。地元の人たちがお茶を飲み飲み、数人は手芸を続けながら「そういえば」と静岡の話になった。 残雪の町とハイヒールのお姉さん お茶といえば静岡だけど、静岡っ
冬には「雪っこ」がよく似合う iRyota25 2017.01.15 2 2,458 0 日が傾くにつれて気温はどんどん下がっていった。今シーズン最大の寒波、数年に一度規模の厳しい冷え込みと気象情報が繰り返していたその日、日没後にはクルマのデジタル外気温計の数値はあっという間に「-6」を示した。 年明けから春のような暖かさが続いてきた東北にも、本
「虎舞の稽古」祭りは世代をつないで iRyota25 2017.01.12 2 1,717 0 陸前高田大石祭り組の虎舞、今年は1月15日に開催されることに決まった。元々虎舞が行われていた小正月の開催は久しぶりのこと。 震災後に建て替えられた公民館に笛の音が響く。太鼓が床を振るわすと同時に、虎が躍動する。この日は虎舞の稽古だ。 震災後にこれまで参加させて
3年後にワールドカップを迎える釜石の2016年 iRyota25 2016.12.31 6 1,859 0 この道路案内標識が示すところに道はまだない。 標識が示す場所へ、被災した町をぐるっと回っていくと、その場所には広大な造成工事現場が広がっている。ここは 中学生や高学年の子どもたちが小さな子どもたちを引率して、避難場所に指定されていた場所へ、そしてさらに高台へ
2016年から2017年へ。陸前高田「うごく七夕」〜被災から変わっていく町が生きる現実であるということ〜 iRyota25 2017.01.07 2 5,954 0 一本松茶屋の交差点を曲がって国道340号線に入る。気仙川に沿うようにぐるっと迂回して走り、奈々切の跨線橋を越えると、目の前に長い坂道が見えてくる。陸前高田市高田町大石の坂道だ。登り切った所には市役所の仮設庁舎がある。今年の夏には県内最大規模の災害公営住宅であ
釜石ラーメン「こんとき」が教えてくれたもう1つの味 iRyota25 2016.12.31 4 2,396 0 「こんとき」は釜石ラーメンの名店として知られる。ご主人の紺野時男さんは奥さんと2人で屋台のラーメン店からスタート。その後、飲屋街に店舗を構えた。釜石は新日鉄の起業城下町であり、また漁師町でもある。こんときがオープンした当時は、鉄も漁業も熱気にあふれていた時
2016年のクリスマスに寄せて iRyota25 2016.12.26 3 1,359 0 ごく内輪で開いたクリスマス会に、こんな一品が登場した。 赤や緑のクリスマスカラーが映えるこの料理は柿なます。岩手県産の赤かぶに宮城県産の雪菜の緑、そして柿酢の柿は福島県産。 ぱっと見た目はクリスマスらしい色鮮やかな料理に見えるが、実は地元の食材を使った普段な
津波警報発令。その時わたしはどう行動したか iRyota25 2016.12.24 2 6,689 0 その朝、わたしは仙台市の隣の多賀城市にいた。前の日に鹿島神宮で「どうかこれ以上、地震や天災で人々が苦しみませんように」と願をかけた後、歌枕として有名な「末の松山」の写真を撮影するために、多賀城で夜明けを待っていた。 三十六歌仙の一人清原元輔が詠んだ「契りき
第4回「サンタが町にやってくる!」 iRyota25 2016.12.26 2 1,417 0 震災後の大船渡で恒例となった「サンタが町にやってくる!」(サンマチ)。12月24日土曜日、大盛況のうち開催された。 多彩なステージ、一芸に秀でた市民たちの手によるワークショップ、おいしい料理やスナックのブースなど、会場はたいへんな盛り上がり。毎年ワークショップ
小さい町のあったかいクリスマス会から iRyota25 2016.12.26 3 1,746 0 12月24日、25日のクリスマス本番の2週間前の日曜日、陸前高田や大船渡に接する内陸の町、住田町で開催されたクリスマス会。イベントに町の名前を入れこんだ「メリークリスミタ!」は熱気にあふれていた。 町民や町に関わりのある人たちによる音蔵(こちらも蔵の町住田にちなむ
雪の朝の一本松 iRyota25 2016.12.19 3 2,064 0 陸前高田の町なかに、今年初めて雪らしい雪が積もった朝、久しぶりに一本松に行ってみた。積雪は日が昇るにつれてどんどん融けていき一本松への道はシャーベット状のぬかるみ道になった。 それでも、べちょべちょの雪の上には足跡がついていた。寒くても、雪が降っても、雪が
味と人情の鶴亀鮨でのドラマ撮影 iRyota25 2016.12.18 3 1,710 0 岩手復興ドラマ、撮影最終日の夜は陸前高田の鶴亀鮨での撮影が行われた。撮影の見学に行ってみると、知人がエキストラとして参加していて驚いた。そればかりか、ドラマの原作者である佐々木俊夫さんは、鶴亀鮨のご主人と同級生だったと聞いてさらに驚いた。 さらに、エキスト
復興ドラマの舞台となった老舗理容室 iRyota25 2016.12.18 3 2,190 0 岩手復興ドラマの撮影現場に行ってきた。撮影場所は大船渡で一番の歴史を誇る老舗理容室と聞いて、盛あたりの古い町並みに残った建物かと勝手に想像していたのだが、訪ねていくとそこは大船渡市大船渡町の仮設店舗。加茂神社への登り口近くに建つ大同理容さんだった。 老舗と
お茶の小谷園からのメッセージ iRyota25 2016.12.18 3 1,775 0 かさ上げ工事が進む陸前高田の町なかの、まさに工事現場のすぐ近く、そして本丸公園に向かう神社への入口近くで、こんなメッセージを見つけた。 今年もあとわずか 健康で笑って 新年を迎えられますように メッセージが貼り出されているのは、創業80年以上、高田の町で唯一のお
陸前高田の新しい町への動きを目の当たりにできる場所 iRyota25 2016.12.16 2 2,176 0 「一本松は恥を知れ」「一本松なんか見たことないもんね」と少々過激な言葉で、「もっと陸前高田の本当のいまを見てほしい」と伝えた人たちが推薦してくれた陸前高田のビューポイント。ひとつは高田の町の背後に聳える氷上山。さすがに標高874メートルの山に登るのは大変だと
一本松に「恥を知れ」と言い放つこころ iRyota25 2016.12.16 3 1,947 0 陸前高田といえば「奇跡の一本松」が有名だが、陸前高田市やその周辺に暮らす人たちの中には、実は一本松はをそれほどプラス評価していない人も少なくない。 とりあえず一本松で 来年2017年の春に中心市街地の一部オープンを控え、陸前高田ではさまざまな場所で将来の町づくり
海から見た一本松 iRyota25 2016.12.16 2 1,621 0 被災から復興に向かう町の姿を海から見ると、地上から見たのとはまったく異なる光景を目にすることができる。気仙沼や山田でそのことを学んだが、陸前高田の「奇跡の一本松」の場合、海の方から見てみたいと思うことにもうひとつ別の理由があった。 それは、一本松が立ってい
ちいさいおうちの手づくりクリスマス会 iRyota25 2016.12.11 2 2,173 0 「ちいさいおうち」は、盛岡市のNPO法人うれし野こども図書室が陸前高田市に設立した小さな図書室。市内竹駒町にある陸前高田市図書館のお隣にある。 12月11日、ちいさいおうちのクリスマス会が開催された。 音楽あり、影絵あり、プレゼントありのクリスマス会は、ちいさいお
寒風に負けない、ヤルキタウンの感謝デー iRyota25 2016.12.11 3 1,977 0 12月10日土曜日、陸前高田市米崎町の仮設商店街ヤルキタウンで「市民の交流イベント・お客様感謝デー」が開催された。 数日前には積雪を見た陸前高田だが、この日の天気は晴れ。しかし、海の近くのヤルキタウン。冷たい風が吹き付ける中でのお祭りとなった。冷たい風、なんて
まちはどうなる、どうつくる(陸前高田発) iRyota25 2016.12.10 2 1,368 0 夜の神戸で「まちびらきのためにはまずひと起こし、むしろひと起こしがあって初めてまちびらき」と意気投合した彼と、数日後、陸前高田で再会した。 再会したのは陸前高田で活動する主だったNPO団体が主催し、これから新しくつくられていく町にどうしたら「にぎわい」をもたら
「お隣」のコミュニティホールで毎朝行われるラジオ体操 iRyota25 2016.12.10 3 1,774 0 この夏から入居が始まった陸前高田の県営栃ケ沢アパート。県内最大の災害公営住宅だ。先日、入居している男性宅を初めて訪ねた。 男の一人住まいとは思えぬほど広々とした室内は、考えてみれば「物がない」ということの裏返しだったのかもしれない。それがその人の人となりに
人が減った仮設住宅でいまもイベントが行われるわけ iRyota25 2016.12.10 1 1,723 0 被災地では災害公営住宅が次々と完成し、町では新しい市街地の整備が進む。被災した人たちは新たな生活を歩み始めている——。東日本大震災関連のニュースがめっきり伝えられなくなった昨今では、そんなイメージが一般的になりつつあるかもしれない。そのイメージ、一面では正し
赤皿貝という名の極上の美味 iRyota25 2016.11.25 6 6,594 0 アカザラガイという食材を知ったのは、まだ関東近郊に暮らしていた頃のことだった。お昼のNHKテレビに地域の特産や風物を紹介する番組があって、その中でその貝が紹介されていた。 平日の昼日中のテレビ番組だから、祝日のことだったのかもしれない。仕事を休んだ時のことかも