【世界一周の旅・アフリカ編 Vol.23】アフリカの大地にそびえる憧れの山への挑戦!

sKenji

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ケニア・アセンボリ国立公園からのキリマンジャロ
ケニア・アセンボリ国立公園からのキリマンジャロ

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赤道の近くにあるにも関わらず、山頂に万年雪を抱いたアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ。広大なサバンナを闊歩する象やキリンなどの背後にどっしりとそびえるその姿を写真で目にして以来、いつか登ってみたいと思っていた憧れの山です。

アフリカ大陸で最も高い場所へ☆

世界三大瀑布・ビクトリアフォールズを訪れた後、リビングストーンからザンビアの首都・ルサカへ移動し、バスと鉄道を乗り継いでタンザニアへ入国しました。

私にとってタンザニアと言えば野生動物とキリマンジャロ。そして、同国における最大のイベントとなったのが、アフリカ大陸最高峰への挑戦でした。

山は全体が国立公園に指定されており、登る際には必ずガイドをつけなければいけない規則になっています。そのためタンザニアの首都・ダルエスサラームから最寄り町であるモシに着くと現地の旅行代理店でガイド付きの登山ツアーを組みました。メンバーはガイドと私の二人のみです。

準備が整うと、登山口であるキリマンジャロ国立公園へ。

山頂へのルートは複数あり、登り口や難易度が異なります。私が登ったのはマラングルート。通称コカ・コーラルートとも呼ばれる最も難易度が低く、そしてポピュラーなコースです。

日程は当初、3泊4日を予定していました。しかし、国立公園入口で登山の申請をする際に4日間の行程では認められなかったために4泊5日です。(※高山病になる危険性が高いために認められなかったと思います)

マラングルートの特徴のひとつは全て山小屋泊ということ。おかげで快適な山登りを楽しむことができます。

コースの前半は森林歩きです。日本ではほとんど見ることのできない熱帯の森が好奇心をそそります。この区間の道は傾斜がゆるく、登山というよりはむしろトレッキング。緑を楽しむ余裕があります♪

最初はガイドと一緒に歩いていたものの、途中からその日に泊まる山小屋で落ち合う約束をするとそれぞれ別行動となりました。気の赴くまま、好きなペースで山歩きを楽しみます。

道がしっかりとしている上に、ときおり他の登山者もいるので迷う心配はほとんどありません。

コース中盤になると背丈の高い樹木はほとんどなくなり、見晴らしのよい爽快な登山道になります。植生も日本では見られないものです。そして、キリマンジャロが姿を見せてくれます♪

朝方、山小屋からの光景です。キリマンジャロ登山では雲海をよく目にすることができるようです。オレンジに染まった雲の海はまさに荘厳。必見です!

2日目はホロンボハット、3日目はキボハットに宿泊したのですが、2つの山小屋の間には草木がほとんど生えていない、まるで月面を思わせるような光景が広がっています。荒涼とした大地の先には重量感あるキリマンジャロが鎮座しています。めざすはあの頂上です!

キボハット付近からの風景
キボハット付近からの風景

キボハットに泊まった後はいよいよ山頂を目指します。

しかし、最も大変だったのはこの頂上へのアタックでした。

というのは、この山小屋の先からはそれまでとはうってかわり、登山道の傾斜がきつくなるです。おまけにキボハットの標高は約4700メートル。高所による影響で足取りが重くなり、頭痛といった症状もあらわれてきます。さらに追い打ちをかけたのが睡魔との戦いです。

登山スケジュールではキリマンジャロの山頂から朝陽を見るために、山小屋出発は日付が変わった夜中です。

そのためキボハット到着後、少しでも睡眠をとっておきたいところでした。しかし、高山病のせいか、それとも気持ちが昂ぶっていたのか、一睡も眠ることができなかったのです。

ヘッドランプの灯りを頼りに山小屋を出発。歩き始めた当初はまだ良かったものの、時間が経つにつれ眠気と高山病が強く激しく襲ってきます。足取りはどんどん重くなり、そのうちあまりの眠さに耐えられなくなって途中、岩の間で何度か短い仮眠をとっての登山となりました。

苦しい時間が続きます。しかし、それでもなんとかキリマンジャロ山頂のギルマンズポイントにたどり着くことができました。

キリマンジャロの山容は富士山と同じような台形に近い形をしています。富士山の山頂と言えば一般的には火口付近一帯を指しており、その一番高い場所として剣ヶ峰があります。キリマンジャロも同様に広い山頂にウフルピークと呼ばれる最高地点があります。つまり、ギルマンズポイントまで登るとキリマンジャロを登頂したことになるのです。

ちなみに頂上まで登ると、下山時に国立公園の入口で登頂証明書が発行されるのですが、その色はギルマンズポイントがシルバー、ウフルピークならばゴールドの色をしています。

ギルマンズポイントでひと休憩すると、黄金色の登頂証明書発行を目指してウフルピークへ向かいます。

雲の上から登る朝陽。気のせいか、地平線が少し丸く見えませんか?
雲の上から登る朝陽。気のせいか、地平線が少し丸く見えませんか?

ウフルピークを目指している途中、朝陽が昇ってきました。眼下には雲海が広がっています。これまでに何度となく山頂から日の出を見たことがありますが、キリマンジャロ山頂で見たご来光は最も思い出深いもののひとつです。この雲の海の下にライオンや象などの野生動物がいると想像すると高揚感が沸き起こってきました。

山頂の氷河
山頂の氷河

ウフルピークに近づくにつれ、憧れの万年雪が現れます。赤道のほぼ直下にある氷河。ミステリアスです。

ちなみにキリマンジャロがヨーロッパの人々に広く知られたのは19世紀ことでドイツ人の宣教師が「アフリカに氷河がある」と紹介したそうです。しかし当時、その言葉はまったく信用されなかったといいます。

眠気と高山病のダブルパンチに苦しんでいたのですが、神秘的な氷から元気をもらうことができました。

そして、ついにキリマンジャロの最高地点、ウフルピークに登頂です!ここがアフリカ大陸で最も高い場所です!!

キリマンジャロは、独立峰としては世界で最も高い山と言われています。しかし、技術、体力的に難易度の高い山ではなく、高山病さえ克服すれば一般の旅行者でも登ることができると言われています。

野生動物が闊歩するアフリカの大地にそびえる世界で最も高い独立峰。その頂に立った時の喜びと達成感はかけがえのない経験です☆

 <「【世界一周の旅・アフリカ編 Vol.24】野生の王国・ケニアでサファリツアー!」 へ続く>
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キリマンジャロ

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コメント(2

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  • O

    onagawa986

    キリマンジャロの山頂に氷河があるなんて初めて知りました!!
    高山病に苦しみながらも、それ以上に得るものが有りましたね!
    どの写真も素敵です!

    • S

      sKenji

      ありがとうございます!睡魔と高所の影響で体調は良くなかったものの、憧れのキリマンジャロの万年雪を見た時は感慨深いものありました。
      ただ、氷河は年々減少しているらしく、消滅する可能性を指摘する研究者もいるようです。神秘的な氷河がずっと残ってほしいです。