筆者の職場がある静岡県三島市。三島駅の周辺にはお店や住宅が立ち並んでいる。駅の改札をでて目にする光景は、他の街との違いをそれほど感じないかもしれない。しかし、駅から少しを歩いてみると、水に恵まれた街であることに気づく。水の街・三島とその近郊の魅力をご紹介します。
度肝を抜かれた「鮎返しの滝」
新幹線も停車する三島駅から、直線距離にして約1.2㎞の住宅街の中に滝がある。「鮎返しの滝(※)」である。
鮎返しの滝を初めて見た時は度肝を抜かれた。
駅から1㎞ほどのところに上岩崎という公園があり、そこで友人とバーベキューをしている時だった。近くに住んでいる一人が、公園の脇を流れる大場川に滝があるというので行ってみることにした。公園の周りは住宅街であり、滝があるとはにわかに信じ難い。
川岸に作られた園内の遊歩道を上流に向かって歩いて行く。
100mほど歩き、公園の北端までくると、そこにドウドウと大量の水を吐き出すように落下している本物の滝があった。川岸から滝ツボまでは10m以上あるものの、噴霧状の小さな水滴が断続的にフワッーとかかってくる。本格仕様だ。
最初は街中ということもあり、あってもちょろちょろと水が流れ落ちる程度の滝をイメージしていたのだが、想像以上の大きさと迫力に驚いた。イメージとのギャップによる衝撃は大きかった。
鮎返しの滝は2段になっている。大きな下流側の落差は約4mほどある。上流側は落差こそそれほどないものの、幅は約10mある。滝口の両側は護岸工事がされており、その上には住宅が建っている。まさに街中の瀑布であった。
三島は、街中のあちらこちらをせせらぎが流れる水の街ではあるものの、まさか駅から近い住宅街にこれほどの滝があるとは思いもよらなかった。
「恐るべし三島!」思わず心のなかで喜びの叫び声をあげていた。
珍しい「鮎返しの滝」
街中にある滝に驚いた後に「なぜ、このような住宅街のなかに滝があるのか・・・」と一瞬思った。
しかし、考えてみれば滝が先にできて、そのあとに人間が居住し始めたに違いないから、住宅街に滝があることを驚くことはおかしな話である。とはいえ、これまで見てきた滝の多くが自然豊かな場所にあったことを考えると、やはりユニークなものに感じてしまう。
三島近辺にはほかにも街中&海から近い場所にある滝がいくつかある。なんでも、このような滝は珍しいのだとか。三島近郊の滝の希少さについては、izunoshippo200000さんがぽたるページで書いている。
三島市の公式WEBサイトによれば、鮎返しの滝は約1万4千年前、富士山の火山活動によってできた溶岩崖に川が形成されてできたという。滝の名称は、川の水が今より清く澄んでいたころに生息していたアユが、この滝をのぼることができなかったことに由来するとも言われている。
写真で見る「鮎返しの滝」
東京から新幹線でおよそ40分の静岡県三島市。せせらぎの街とも称される同市には、豊かな水と緑が溢れている。都会の喧騒に疲れたなら、ふらっと三島市やその近郊の市町村を散策するのもいいかもしれない。
鮎返しの滝
航空写真でもはっきりとその姿がわかるほどの滝
※鮎返しの滝は「鮎止めの滝」、「大滝」とも呼ばれています。
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji
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