【東北の名所】南三陸町のモアイ像

sKenji

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世界遺産に指定されている、南米チリ・イースター島のモアイ像。
一度は見てみたいと思う方もいるかと思います。

しかし、イースター島は、南米大陸とオーストラリアのほぼ中間にあり、日本人にとって、地球上、最もアクセスの悪い場所のひとつです。

モアイは見たいけど、時間がない。そんな方は、宮城県の南三陸町へ行ってみてはどうでしょうか?

南三陸町には、イースター島産の本物モアイがあります!

南三陸町とモアイ

南三陸町になぜモアイ?

そう思われた方もいるかもしれません。南三陸町とイースター島があるチリとのつながりは、1960年5月に発生したチリ地震の津波がきっかけです。南三陸町観光協会のWEBサイトに、南三陸町とモアイ像のつながりについて書かれています。

1991年にチリ地震津波の復興と友好の証として、チリから南三陸町へモアイ像が贈呈されました。 そして2011年3月11日、東日本大震災の大津波によりモアイ像が流出。 しかし国境を越えた絆は絶えず、2013年5月25日、チリのイースター島から新しいモアイ像がやってきました。
南三陸町には、イースター島から世界で初めて贈呈された本物のモアイ像を始め、全7か所にモアイスポットがあります。

モアイスポット | 南三陸町観光協会公式ホームぺージ

モアイ像のレプリカは、日本各地にあります。しかし、イースター島の石を使って作られたモアイ像は、イースター島以外では、世界広しといえど、この南三陸町だけとのことです。

ちょっと、イースター島とモアイの話。

すこし、南三陸町から話がそれますが、イースター島とモアイの話です。

イースター島とは英語名であり、正式名称はパスクア島、現地名称ではラパヌイと言います。チリ領ですが、チリ本土からはおよそ3800㎞、隣の島であるタヒチまでは、約4000㎞あり、まさに絶海の孤島です。

そのためか、世界的に有名な観光地にも関わらず、素朴さが残っており、荒涼とした自然が魅力的な島です。島の周囲はおよそ58㎞。人口は約5000人(2011年推計)で、ほとんどの住民は、島唯一の空港付近に住んでいます。

荒涼とした自然のイースター島

荒涼とした自然のイースター島

今でこそ、イースター島に行けば、所々に立っているモアイ像を見かけることができますが、1992年以前は、現在とは異なっていました。島に約1000体あると言われるモアイ像のほぼ全てが倒れ、破損した状態でした。イースター島の歴史は、実に興味深く、話すと長くなりそうですが、過去にあった部族間の抗争の際に、多くのモアイ像が倒されたと言われています。

そのモアイ像を、今ある姿に修復するのに大きな役割を果たしたのが、香川県にある、日本のクレーンメーカー・タダノです。

タダノのモアイ修復支援は、1988年11月に放映されたクイズ番組に端を発します。イースター島の前知事が「モアイをもう一度立たせたい。そのためにクレーンが1台あれば…」というメッセージを番組に寄せると、たまたま番組を見ていた、タダノの社員が、社長にクレーンの提供を提案しました。すると、会社はモアイ修復プロジェクトを立ち上げることを決定。タダノは、クレーンの提供だけではなく、モアイ修復のために人、お金を出すことにしました。

こうして、モアイの修復プロジェクトが、日本・チリ共同でスタートしました。
そして、このプロジェクトで修復されたのが、海辺に立ち並ぶ15体ものモアイで有名な、アフ・トンガリキのモアイです。

タダノのモアイ像修復の話は、イースター島を訪れる日本人旅行者の間では、有名な話ですが、多くの現地の方も、日本の支援で修復されたことを知っています。島に滞在していた3日間に、島民の方と話す機会があったのですが、その際、わたしが日本人だとわかると、何人もの方からモアイ修復の御礼を言われました。

自分は、修復には全く関係ないにも関わらず、日本人として、ちゃっかり嬉しく、誇らしげに思ってしまいました。

そんな、イースター島と日本の関係があったからこそ、震災で大きな被害を受けた東北に、世界でも南三陸町だけという、イースター島の石で作った、本物のモアイ像を、贈ってくれたのかもしれません。

朝日を受ける、アフ・トンガリキのモアイ像。
朝日を受ける、アフ・トンガリキのモアイ像。

「モアイ ミニ 博覧会 2014 南三陸」が開催されます

チリから寄贈された、イースター島産のモアイ像がある南三陸町では、
今月27日~来月5日まで、「モアイ ミニ 博覧会 2014 南三陸」が開催されます。

■「モアイ ミニ 博覧会 2014 南三陸」情報
【場所】宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下51-1
      南三陸ポータルセンター[さんさん商店街隣]
【日時】4月27日[日]→ 5月6日[火] am9:30-pm16:00
【問い合わせ】南三陸町観光協会
TEL:0226-47-2550
E-mail:post@m-kankou.jp
【入場料】一般 ¥500(税込) 小学生以下無料

 モアイミニ博 2014 in 南三陸 | 南三陸町観光協会公式ホームページ
www.m-kankou.jp  
 「モアイ ミニ 博覧会 2014 南三陸」チラシ
www.m-kankou.jp  

南三陸さんさん商店街

日本とチリの友好によって贈られた、南三陸町にあるイースター島生まれのモアイ像。その生まれた背景と、日本から遠く離れた絶海の孤島からやってきたことを考えながら見ると、また違ったものに見えてくるかもしれないですね。

イースター島のモアイ
イースター島のモアイ

参考WEBサイト

 TADANO Cafe:株式会社タダノ:モアイ修復プロジェクト
www.tadano.co.jp  
 モアイミニ博 2014 in 南三陸 | 南三陸町観光協会公式ホームページ
www.m-kankou.jp  

Text & Photo:sKenji

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