南三陸のモアイ像が何かを見つめている。
モアイ像はチリ地震をきっかけに生まれた南三陸とチリ国の友好から、東日本大震災後に贈られたもの。これまでは、仮設のさんさん商店街をじっと見つめてきた。
そう、モアイ像が見つめているのは、かつてさんさん商店街があった場所。さんさん商店街が本設店舗としてかさ上げ地に移転した後、仮設商店街があった場所は解体と整地工事が進められている。
ここに仮設のさんさん商店街があったとは、もはやよく分からないまでに解体されてしまっている。
被災した町ににぎわいを取り戻すため、この地に設置されたモアイ像。モアイ像はいまのこの状況をどんな思いで見つめているのだろう。
まるで取り残されたような形になって悲しんでいるのか。仮設から本設へという復興の進展を祝福してくれているのか。
世界で初めて、イースター島から贈られた本物のモアイ像にふさわしい未来を。
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