津波避難、何を基準に、どこに逃げるのか?

sKenji

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地震が発生したら、「津波が届かない高台への避難を!」とよく耳にします。

とはいえ、具体的にどこに避難をするかというと、難しさを感じてしまう時もあります。基本は指定された避難所になるかと思いますが、先日のぽたるページにも書いたように、必ずしも指定された場所が安全だとは限りません。

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最適と考えられる避難場所は、地震発生時の居場所や津波の大きさ、体力などの様々な状況、条件により、人によって変わってきます。

何を基準にどこに避難をするのか。万人に、そしていかなる状況にも当てはまる基準はないのかもしれませんが、ひとりひとりが、判断基準、避難先を事前に考えておくことは、必要なことだと思います。

参考になるかはわかりませんが、避難場所について考えるきっかけになることを願い、津波避難について「私の場合」の避難場所の判断基準と具体的な場所について書いてみました。

避難先を決める判断基準について

状況に応じて、指定された避難所、もしくは別の場所に避難するかを判断することになるかと思います。その判断基準ですが、私の場合は、大きく分けると「地震発生時にいる場所」、「予想される津波」、「避難場所」の3つの状況です。

「地震発生時にいる場所」については、海・川からの距離や、発生時にいる場所の海抜などであり、「予想される津波」は、想定される津波到達時間、高さで、「避難場所の状況」は、避難場所までの所要時間、避難所に向かう途中の危険性、避難所の海抜などです。

このうち「予想される津波」についてが、不確実な要素で、どこに避難をすべきかの判断を迷わせますが、「避難所までの所要時間」、「避難先の海抜」と天秤(リスクのバランス)にかけて、その時に判断しようと思っています。そのためには、避難場所の候補地について、事前に検討しておくことが必要だと思っています。

具体的な避難行動、場所について、事前に検討する必要性

多くの犠牲者がでた、宮城県石巻市の大川小学校の事例ですが、学校には、津波に対する避難マニュアルがあったそうです。しかし、そのマニュアルに書かれた避難場所は、「高台」とだけ記載されており、具体的な場所の記述はなかったといいます。そのため、地震発生時に「具体的」な避難場所についての議論に、時間を費やしてしまい、被害が大きくなった可能性が高いとも言われています。

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津波に対しての避難行動、場所について、発生時の居場所や状況などに応じて、「具体的」に検討しておく必要があるかと思います。

私の場合は、「時間に占める割合が大きい場所」と、「ライフスタイルを考えた時に可能性があり、かつ危険性が高い場所」について、次のように考えています。

【具体的な避難場所】時間の締める割合が大きい場所

まず時間に占める割合が高い場所は、職場と自宅です。
職場については、海から直線距離でおよそ7㎞、海抜は30~35m位です。津波の大きさにもよりますが、必要に応じて、指定されている避難所に避難するつもりです。

自宅については、河川のすぐ脇にあり、海抜も約10mと、十分な高さではありませんが、海からの距離と川の土手の高さを考えると、指定以外の場所に、あえて避難する理由はないと考えて、指定避難所に避難するつもりです。

【具体的な避難場所】地震発生時にいる可能性があり、かつ危険性が高い場所

趣味でウインドサーフィンをしています。
時間に占める割合は少ないため、職場や自宅と比べると、遭遇する確率は低いですが、危険性が高いだけに、一番注意をして避難行動、場所を考えています。

地震発生から津波が到着するまでの時間について、地域によって異なりますが、東日本大震災の際は、多くの場所で数十分の時間があったようです。
しかし、私がいつもウインドサーフィンをしているゲレンデ(駿河湾)は、地震発生から5~10分で津波が到着すると予想されています。

津波到達想定時間、近隣に複数ある避難所の海抜と距離を考えた場合、指定避難所への避難は考えていません。

では、どこに避難するかといいますと、ゲレンデ近くの海岸にある、60mほどの小高い丘(山)に避難することにしています。

避難ルートについては、陸上と海上にいた場合、それぞれについて考えています。
その他、状況によっては、沖合への避難も考えています。もし、地震発生時に海上にいた場合、地震発生に気付くまでに時間がかかるかもしれません。ひょっとしたら、気づかないことすらあるかもしれません。この時、津波到達時間が短いことを考えると、沖合にいた場合は、陸地の高台に逃げようとしても、間に合わないのではないかと思っています。そのため、まだ助かる可能性が高いかもしれない、沖合への避難も考えています(※)。

※船舶は、状況によっては、沖に避難した方がいいと言われています。ウインドサーフィンに当てはまるかどうかは、実例がなく、不明ですが・・・。

自分(家族)に適した、避難場所の検討を!

以上、私が考えている津波に対しての避難行動、場所について書かせていただきましたが、私の避難ルートの場合、途中によじ登る箇所もあり、全ての人に適したルートではありません。避難行動、場所は、発生時の状況により、人それぞれだと思います。指定されている避難所についても、途中の橋が落ちていて、避難できないかもしれません。

津波だけに限りませんが、災害時の避難場所について、災害発生前の時間と冷静さがある時に、自分自身や家族の避難行動、場所などについて、出来る限りのことを想定し、調べて、検討しておくことが必要なのではないでしょうか。

そして、考えた避難行動、場所について、周りの人と話すことも大切だと思います。私の場合、これまで避難行動、場所について個人で考えていただけでしたが、今後は、気になっている海辺での避難について、マリンスポーツ仲間と話あってみたいと思います。

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Text:sKenji

最終更新:

コメント(2

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  • I

    iRyota25

    せっかくだから、実際に津波からの避難を経験された方に直接聞いてみては? そのためにも、東北に行って、友だちをつくるというのはいかがでしょう。きっと皆さん、いろいろたくさん教えてくれますよ!

    • S

      sKenji

      コメントありがとうございます。
      つながりを作って、話を聞けるようにしたいと思います。
      震災を経験された方が静岡にもいると思いますで、まずは、その方からつながりをつくってみようと思います。