前回、卒業式を心待ちにしている親のワクワク感満載の投稿をしたにも関わらず、娘はその週に行われた卒業式に出席することができませんでした。
実は卒業式の前日、まさかの濃厚接触者指定(3回目)を受けてしまったのでした…。しかしお話しはこれで終わりではありません。先生たちのおかげで、その1週間後に娘のための「追」卒業式をしてもらうことができたのです!
校門にも体育館にも「卒業証書授与式」という立派な看板が掲げられ、先生たちも本番と同じようにスーツでキメて出席してくださいました。
担任の先生に付き添われて壇上に上がり、名前を呼ばれると、返事は出来なかったものの先生のハイタッチに誘われて手を挙げました。
校長先生が読み上げてくださった卒業証書。予想どおりひとりで受け取ることはできませんでしたが、担任の先生と一緒に持って席へ戻りました(放り投げたり突き返したりしなかっただけでも良しとします)。
式のため体育館に入る時も、式が終わって出る時も、たくさんの先生たちの「おめでとう!」を独り占め。とても幸せな気分を味わうことができました。学校での写真を公開できないのが残念で仕方がないほど良い写真がたくさん撮れました。
卒業式に出席できないと知った時には体中の力が抜けましたし、3度にわたる自宅待機は(幸か不幸か)娘がとても元気だったことで体力を持て余し、娘にとっても親にとっても激しくしんどい日々でしたから、それを乗り越えての卒業に喜びもひとしおです。
先生方をはじめ、直接・間接を問わず、わたしたち家族に関わってくださっている方々すべてに感謝しかありません。
大好きな番組も卒業
この春は娘にとって「もうひとつの卒業」が待っていました。それはEテレの朝の番組「シャキーン!」が3月いっぱいで終了してしまうことです。
「あたりまえを疑おう」「ものごとをいつもと違う角度で見てみよう」というコンセプトのこの番組は、シュールで独特なノリを持っているため、大人であるわたしもママも大好きなのです。
おとな3人が話していると「おとなはいつだって自分勝手なんだ。もっと逆の立場になって考えてみてよ!」とぷりぷり怒る少年が現れるコーナーがあります。その言葉を受け、おとな3人はそれぞれ別々のものの立場を想像します。「複数の視点」です。
また、犬のうんちを踏んでしまった男性に「それは寝坊したからだね」「もし寝坊していなければ踏まずに済んだ かもね」のように「キミに起こった悪いことの原因はすべてキミが寝坊したからであり、寝坊しなければそんな目に遭わずに済んだ。かもね」というコーナーは、仏教の「因縁果」を連想させます。他にも
・「アリにとっての空は人の足ぐらい、ハエにとっての空は?キリンにとっての空はどこからなんだろう?誰かにとっての空ってどこからなの」と考える歌
・「時間は決まっているのに、人にとってそれぞれのスピードで過ぎる。感じ方が違うから面白い」という歌
・「目を閉じている間にも世界はあるんだろうか 瞬きの瞬間の世界はいつもとほんの少しだけ違うってことはないのかな」と疑う歌
などは、それぞれ「環世界」「相対性理論」「多世界解釈」を連想させます。
わたしの不勉強でとんちんかんなこじつけをしているかも知れませんが「ものごとを こんなふうにとらえてみたら どんなだろう」という提案は、重い障害を持つ子と自分の人生に向き合うわたしたちに親にとっても価値のあるものだったと思います。
娘もこの番組から生まれた曲が大好きで、クルマの中ではもう何年も番組のCDまたはDVDをかけっぱなし。CDやDVDが止まるとわたしたちのひじを押して再生を催促します。
サキタハジメさん、岩見十夢さんを筆頭に、個性的なミュージシャンたちと歴代番組MCのこどもたちが創り上げた数々の名曲には自然とわたしもママもハマり、ずっと飽きないしぜんぶ歌えます。
番組オープニング&エンディングの、いぬんこさんによるイラストは、人間も加わったカラフルな現代版・鳥獣戯画といった感じの楽しさ。「こんなアングル(まさに「いつもと違う角度」)で描いてる!」という楽しさも尽きません。
そんなイラストとともに流れるエンディングテーマ「シャキーンの木」という曲の中に、こんな一節があります。
「とんがったって まーるくたって ちっちゃくたって すすみましょう
きのうとはちがう きみがまってるよ」
個性がとんがりすぎている娘との暮らしは大変なことが多いけど、少しでも楽しく過ごしてまた明日を迎えよう、そんな気持ちにさせてくれる、大切な歌です。
番組への愛が強すぎて長々と語ってしまいました(汗)。シャキーン!の放送は今週3月31日(木)まで。10年以上に渡った朝のシャキーン!タイムは卒業で、これからは録画やDVDで見続けます。シャキーン!にも感謝感謝です。
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