中越地震から防災を学ぶ(5)

orangeoor18

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2004年10月23日17時56分に発生した新潟県中越地震。震災の教訓を生かし、災害から身を守るための備え方を学べる施設や公園で構成されている「中越メモリアル回廊」についてお伝えしてきた当シリーズですが、今回が最後のリポートです。

まずは中越メモリアル回廊のおさらいから。

新潟県中越大震災のメモリアル拠点である4施設、3公園を結ぶ中越メモリアル回廊。それは被災地・中越地域をそのまま情報の保管庫にする試みです。それぞれの拠点を巡り、震災の記憶と復興の軌跡にふれることで「新潟県中越大震災」の巨大な実像を浮き彫りにします。
そこには地震から生まれた膨大な物語があり、輝く希望があるのです。
中越メモリアル回廊は、苦難を乗り越えた人々の想いを紡ぎ揺るぎないチカラに変えて世界と未来へ発信します。

回廊施設のご案内 | 中越メモリアル回廊 ― 私たちの10月23日を伝えるために。 ―

長岡震災アーカイブセンター きおくみらい

前回の記事の通り、若干寄り道をしましたが、ほぼ予定通りの時間で到着しました。

 中越地震から防災を学ぶ(番外編) by orangeoor18
potaru.com

新幹線が停車するJR長岡駅から徒歩5分という中越メモリアル回廊の中で最もアクセスが良い施設が、今回訪れた「長岡震災アーカイブセンター きおくみらい」です。

ビルの2階にあるため(1階はカラオケ店)、建物の外からは少しわかりにくいのですが、1階と2階をつなぐ共用部分は展示スペース(この時期は市内の小学生が作った防災新聞が展示されていた)になっているため入館すればすぐわかる位置にありました。

アーカイブセンターという名の通り、こちらの施設には1,000点以上の震災や防災に関する書籍、資料が置かれています。

また、被害の概要や震災直後に避難した際の様子がわかるパネル、避難所での使用に便利な防災用品も多数展示しています。

具体的にはプライバシーを確保するための簡易的な更衣室&授乳室。快適かつ清潔さを保つために役立つレスキュークロス(抗菌消臭)など。

これら展示は震災を体験した地域ならでは(未体験者では気が回らない部分まで考えられた)の防災用品だと思いました。

SOSのメッセージ

中越地震では地すべり等によって最大で61もの集落が孤立状態になってしまいました。

「たべもの」「ミルク」「オムツ」などとあわせて路上に描かれた「SOS」。川口町(現長岡市)和南津(わなづ)地区という山あいの集落にとり残された人々が書いたこれらの文字は今でも記憶に残っているほど、とてもインパクトのあるメッセージでした。

こちらの施設では路上に実際描かれたものと同じ大きさの「SOS」が入り口付近の床に展示されています。

振り返ってみると、自分がこのような災害時の連絡手段(地面にメッセージを書く)を見たのは中越地震が初めてだったと記憶しています。

災害時に孤立した際に情報を発信する手段として、今ではTwitterなどSNSの活用が浸透しつつありますが、2004年の当時はそうではありません。

そんな中で自分の居場所(取り残されている人数も)や被災状況、必要な物資を日本全国、世界中に伝える重要な手段として認識され、その後に起きた災害時でもこの連絡手段を報道などで見る機会が増えました。

今では当たり前のように実行できるのかもしれませんが、前例がない中で思い付いてこのようなメッセージを書くことは決して簡単ではないんじゃないかなと写真パネルを見ながら当時の状況を想像しました。

自分が置かれている状況の中で、生き抜くために最善の行動を考えて実行できるかが重要なのかなと思った次第です。

過去の教訓を未来に生かす

今回、半日かけて2004年中越地震で特に被害が大きかった新潟県長岡市・小千谷市の各施設を訪問しました。

見学によって当時の記憶を呼び起こすことができ、当時は知らなかった出来事や家庭レベル、個人レベルでの備えに活かせる教訓について改めて学ぶこともできます。当時の出来事を思い返すことが今後起こり得る災害に対するの備えにつながると思いました。

次回訪れた際は、移動時間を縮められて郊外の施設も回れるように車(レンタカー)で移動してみたいです。

最終更新:

コメント(4

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  • P

    pamapama

    とても有意義な旅でしたね。防災に限らずこういった「学びの”旅”」の楽しさをもっと広く知ってもらって、旅によっていろんなことを学ぶことができるような旅企画やWEBサイトがあればいいなと思いました。

  • C

    cha_chan

    被災時のメッセージ発信手段として、スマートフォンのバッテリー(リチウム・ソーラー・手回し)を準備していますが、何らかの理由でスマートフォンが使えない場合もあるかと思います。そんなとき、この記事を思い出して生き抜くために冷静に対策を考えねば、と思いました。

  • B

    baikinman

    被災地で語り部さんから、ヘリが着陸可能な地面に『H』マークを書くと教えていただきました。
    「何もないときに『H』を何で書くか?」
    という質問に、子どもたちは「石と答えていました」

  • A

    akaheru

    「SOSのメッセージ」は自分も報道で見た記憶がありますが、「この記事を読んで思い出した」のが正直なところで一人反省です。

    すごく大事なことだから、もっともっと発信をしていかないとですよね!