山頂に着くと、先ほどまでガスに覆われて目にすることができなかった笹平の全貌や日本海、周りの山々をはっきりと見ることができた。諦めずに粘ったかいがあった。

2度目の山頂からの景色を15分ほど堪能すると、再び雨飾高原キャンプ場の登山口を目指して下山を開始したのだった。

雨飾山は2000mにも満たない山である。しかし、豪雪地帯に位置する厳しい気象条件のためか、山上の光景は3000m級の日本アルプスにもひけをとらないものがあった。

雨飾山の魅力は、日本海を始めとした山頂からの展望、爽快な山歩きを楽しめる笹平、そして荒菅沢から見上げた際のゴツゴツとした岩と雪渓のダイナミックな風景にあると思う。

今年初の日本百名山。さすがに選ばれただけあって、山の魅力を十二分に感じられる上信越の名峰であった。

Text & Photo：sKenji