山登りのススメ Vol.19 ~箱根山・駒ヶ岳~

sKenji

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絶景かな。駒ヶ岳山頂より芦ノ湖を望む
絶景かな。駒ヶ岳山頂より芦ノ湖を望む

自宅から比較的近場に絶景ポイントがあった。その場所は箱根山・駒ヶ岳山頂。

いまにも雨が降り出しそうな曇り空が広がる今月8日。あいにくの天気だったものの神奈川県にある箱根山を登ることにした。予報では夕方から雨がぱらつくということであったが、天気はなんとかもちこたえた上に駒ヶ岳の山頂では一瞬、光も差し込んできて素晴らしい景色を見ることができた。

箱根山と駒ヶ岳について

近場にありながら、これまで登ったことがなかった箱根山。複数の山から成る連山で、最高峰は標高約1438mの「神山」。隣には80mほど低い駒ヶ岳がある。芦ノ湖から駒ヶ岳を見ると、プリンをひっくり返したようなほぼ均等的な台形の形をしている。プリンに例えてしまうと可愛らしい山容をイメージしてしまうかもしれないが、どっしりとした重量感のある山である。駒ヶ岳山頂への登山道は芦ノ湖畔近くにある防ヶ沢登山口のほか、箱根ロープウェイの大涌谷駅など複数ある。登山道以外にも箱根町の元箱根から山頂までロープウェーもある。

私は箱根ロープウェイの姥子駅から歩き始め、大涌谷を経由して神山、駒ヶ岳を登った後、再び大涌谷へ戻るルートで歩いてきた。

 箱根のコース地図
www.hakone.or.jp  

箱根山をぐるっと周る

姥子駅近くにある登山口は駅から歩いて5分程度の場所にある。入口に標識もあるのでわかりやすい。姥子駅を出発すると、登山道を歩いて大涌谷駅を目指す。この日、紅葉が最盛期を迎えていたのは、姥子駅から大涌谷までの区間であった。大涌谷へは緩やかな登り坂である。

姥子駅近くにある登山道入口
姥子駅近くにある登山道入口
歩きやすく整備された登山道
歩きやすく整備された登山道
姥子駅~大涌谷駅間が紅葉を迎えており、木々が赤や黄に色づいていた
姥子駅~大涌谷駅間が紅葉を迎えており、木々が赤や黄に色づいていた

30~40分ほど登って行くと大涌谷に到着。神山への最短コースの起点でもあるために大涌谷から登り始める登山者が圧倒的に多い。姥子駅よりも約160mほど標高が高いので、大涌谷駅から出発するのもおすすめである。大涌谷駅の周辺には土産物屋や食堂などのお店もある。

大涌谷駅付近。食堂などお店も多い
大涌谷駅付近。食堂などお店も多い
大涌谷。山の上部は雲に覆われて見ることができなかった
大涌谷。山の上部は雲に覆われて見ることができなかった
噴気を上げる大涌谷
噴気を上げる大涌谷

大涌谷の登山口は、箱根ロープウェイ・大涌谷駅から歩いて100~200mほどの場所にある。

登山口にあるゲートを入り歩いていると、ときおり硫黄の匂いが風に運ばれてくる。大涌谷ような噴気活動が見られる場所は、その光景からよく地獄にたとえられることが多い。大涌谷も昔は「地獄谷」と呼ばれていたそうである。荒涼とした光景は、まさに別世界にいるような錯覚も覚えなくはない。

大涌谷の登山口にあるゲート
大涌谷の登山口にあるゲート
荒涼とした風景の中を歩いていく
荒涼とした風景の中を歩いていく
登り始めはガスがかかり、見通しは良くなかった
登り始めはガスがかかり、見通しは良くなかった

ゲートから歩き始めてしばらくは、噴気をもうもうとあげている大涌谷を眺めながらの山登りとなる。入口から20分ほど登って行くとやがて樹林帯に入る。林は神山の山頂まで続いている。ガスがかかった森の中、頂上を目指す。

登山道の登り始め。途中からは樹林帯の中を歩く
登山道の登り始め。途中からは樹林帯の中を歩く
箱根山最高峰、神山の山頂
箱根山最高峰、神山の山頂

神山の山頂は木々に覆われている。さらにこの日は雲がかかっていたために、眺望はよくなかった。

頂を踏んだ後、いったん駒ヶ岳へ向けて神山を下る。200mほど降りた駒ヶ岳との間にある鞍部(あんぶ)には、「駒ヶ岳山頂」のほか、「防ヶ沢」及び「早雲山駅」へと続く登山道が交差する場所がある。交差地点を通過し、駒ヶ岳へと続く山道を登って行く。このあたりまで来ると、それまでに雲に覆われていた空にうっすらと明るさが見えてきた。

鞍部には広く開けた休憩できる場所もある
鞍部には広く開けた休憩できる場所もある
鞍部から見えた駒ヶ岳。朝よりも雲は薄くなってきた
鞍部から見えた駒ヶ岳。朝よりも雲は薄くなってきた
鞍部から駒ヶ岳山頂途中の樹林帯。低い樹木が多い
鞍部から駒ヶ岳山頂途中の樹林帯。低い樹木が多い

駒ヶ岳の広い頂上付近にはロープウェーの山頂駅がある。鞍部から登って行くと、駅まで2、3分ほど手前のあたりで樹林帯を抜け、ササが生い茂る草原が現れる。原っぱに入った所には駒ヶ岳頂上と山頂駅方向への分岐点があった。さてどちらに行こうかと迷っていると、一人の男性が山頂駅の方から降りてきた。話を聞いてみると、駒ヶ岳頂上方面の道の方が良いとのことであった。男性の助言を参考にして、頂上につながる道を行くことにする。

生い茂るササの中に作られた細い一本道を登り始めると、雲の隙間から太陽に光が差し込んできた。

道を登って行くにつれ、草原が考えていた以上に広大であることに驚いた。眺望も素晴らしく、目の前に広がる開放感あふれる光景を目にして、駒ヶ岳に登って本当に良かったという思いがこみ上げてきた。

ロープウェーもあり、比較的容易に登れる山でこのような光景が見られることに驚きを感じる。この日は雲がかかっていたものの、晴れると富士山、駿河湾、相模湾や三浦半島のほか、横浜や東京の街並み、さらには房総半島まで見えるという。

分岐点からササの中に作られた駒ヶ岳頂上への登山道
分岐点からササの中に作られた駒ヶ岳頂上への登山道
山頂から北西方面を望む
山頂から北西方面を望む
ササの中に岩がぽつぽつとあった。腰を掛けると気持ちいい
ササの中に岩がぽつぽつとあった。腰を掛けると気持ちいい
広い草原が心地よい。相模湾も見える
広い草原が心地よい。相模湾も見える
山頂は一面、ササに覆われている
山頂は一面、ササに覆われている

駒ヶ岳の頂上は、広く気持ちの良い山頂だった。ロープウェーの駅があるほか、神社も建てられている。山頂でお弁当を食べる。

駒ヶ岳頂上。ササが刈り取られており、休憩することができる
駒ヶ岳頂上。ササが刈り取られており、休憩することができる
駒ヶ岳ロープウェーの山頂駅
駒ヶ岳ロープウェーの山頂駅
山頂にある神社
山頂にある神社

昼ごはんを食べ終えると、ロープウェー駅へ行ってみることにした。駅の隣に展望のよさそうな場所があったので行ってみると、そこからの光景に度肝を抜かれた。急な山の斜面の上からの眺めは高度感があり、はるか下には芦ノ湖や元箱根の街が見えた。

山頂駅脇にある見晴らし台からの眺望。絶景である
山頂駅脇にある見晴らし台からの眺望。絶景である

晴れていれば駿河湾も見えるという展望台。自宅から比較的近い場所にこのような絶景ポイントがあることに驚きと喜びが込み上げてくる。

ロープウェー山頂駅からの絶景に満足すると、神山・駒ヶ岳間の鞍部にある登山道の交差地点まで戻った。そして、帰りは頂上を経由せずに神山の山腹を迂回するように巻いている登山道を歩いて、大涌谷へと再び帰ってきた。

大涌谷は朝よりも見通しがよく、そびえるような富士山を見ることができた。谷に生えるススキの穂が美しく、その奥には色づいた秋の森が広がっていた。

ロープウェイ山頂駅から駒ヶ岳頂上を撮影
ロープウェイ山頂駅から駒ヶ岳頂上を撮影
再び大涌谷。眺望も比較的よく、紅葉の森も見えた
再び大涌谷。眺望も比較的よく、紅葉の森も見えた
ススキが見ごろを迎えていた
ススキが見ごろを迎えていた

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