阪神淡路大震災からまもなく20年が経ちます。20年前の震災で亡くなった方は関連死も含めて6,434人。そのほか行方不明の方も3名います。
東日本大震災では津波で亡くなった方が多かったのに対し、阪神淡路大震災で犠牲になった方のおよそ77%は建物の倒壊や家具などの転倒による圧死・窒息死と言われています。今日は「住宅の倒壊」と「家具などの転倒」の対策に絞ってご紹介します。
住宅の耐震化について
住宅を新築する際には定められた耐震基準を満たす必要があります。1981年6月1日以降に建築物の確認申請を提出した建物については、耐震性の高い新基準で建てられています。しかし、それ以前のものは大きな地震の際に倒壊する危険性が指摘されています。実際に阪神淡路大震災で倒壊した家屋の多くは、古い基準の住宅だったそうです。
阪神淡路大震災だけでなく、次の巨大地震として懸念されている南海トラフ巨大地震においても、最悪のケースの場合では建物の倒壊だけで8万2千人もの方が犠牲になると予想されています。しかし、住宅の耐震化などの対策を行うことで犠牲者を1万5千人にまで減らすことができると考えられています。
住宅の耐震化には多額の費用がかかるものの、命には代えられません。耐震化を促進するために補助金を支給している自治体もあるので、一度確認されるといいと思います。
建物の耐震基準や住宅の耐震化については以前、ぽたるページでもご紹介させていただきました。
家具などの地震対策について
近年発生した大地震について調査した結果によると、負傷した原因の30~50%は家具などの転倒、落下というデータがあります。地震発生時の家具の主な挙動として、「転倒」、「落下」、「移動」があると言われています。地震対策としてはこれらを防ぐ必要があり、効果が高いものから次の方法があります。
1.L型金具を取り付けて壁などに固定する。
2.チェーンやベルトなどを取り付けて壁などに固定する。
3.家具などの天板と天井の間に突っ張り棒を入れる。
4.耐震マット、ストッパーなどを下に敷く。
これらの他にも、扉が開かないようにストッパーを取り付ける。複数の家具を連結する。ガラスに飛散防止フィルムを張る。などの方法があります。
詳細については、内閣府が公表している下記の資料に書かれています。
ちなみに家具などをL型金具で固定する際は、壁などに取り付ける側の金具の辺を下向きにして固定すると、より効果が高いそうです。また、転倒しても避難できるように家具などはドアの近くに置かないことが推奨されています。
賃貸アパートなどの家具の固定方法について
地震対策としてL字金具で家具を固定したいと思っても、賃貸アパートなどに住んでいる方は、ネジなどで壁に穴をあけることに躊躇するかもしれません。
命に係わることですので、ためらってはいけないとわかってはいるものの、できることならば穴などをあけずに対策を施したいものです。
私も賃貸アパートに住んでいるので、冷蔵庫などを固定する際に何かいい方法はないかと調べてみると、強力な粘着ジェルで貼り付けるタイプの製品を使用すると良さそうです。
これは「ガムロック」などの製品名で売られているもので、凸凹が小さい壁紙や化粧合板・合成樹脂合板、タイルなどに張り付けることができ、メーカーの説明によると、壁や家具に損傷及び、粘着材の後が残らずに剥がすことができるそうです。
耐用年数について
すでに家具などの転倒対策は実施済という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、阪神淡路大震災の直後など、かなり以前に対策をされた方は注意が必要です。
備蓄食料に消費期限があるように家具などの転倒防止製品にも耐用年数があるのだろうかと思って調べてみると、ものによっては使用推奨期限などがあるようです。
メーカーのWEBサイトで調べてみると、次のものに使用推奨期限が定められていました。
○粘着ジェルで貼り付けるタイプの固定器具:ガムロックを製造しているメーカーのWEBサイトで確認してみると、使用推奨期限として製造年月日より10年とありました。また使用年数だけではなく、震度5以上、特に阪神淡路大震災のような大きな地震があった際は新品と交換しなければいけないそうです。
○耐震マット:市販されているものでは3~7年程度のものが多いようです。
○ベルトでつなぎとめるタイプの製品:一部に耐用年数が10年と指定されているものがありました。
ネジではなく粘着力で家具を固定するものや、プラスティックなどを使用している製品については定期的にチェックをするほか、一定の年数が経過したり、大きな地震が発生した際には交換した方が良さそうです。
耐用年数は製品によって異なるので、メーカーのWEBサイトなどで一度調べておくといいかと思います。
次にくる巨大地震に備えて
阪神淡路大震災に限らず、次の巨大地震として懸念されている南海トラフ巨大地震でも家屋の倒壊などにより、多くの犠牲者が想定されています。
地震対策として必要なことはいくつもあるにも関わらず、私はこれまでは非常食や防災用品などに目が行っていました。この機会に冷蔵庫や家具などの転倒対策にも取り組みたいと思います。
参考WEBサイト
紹介:sKenji
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