キャンプ好きなこともあってよくキャンプに行きます。キャンプ用品は災害時にも役に立つものです。さらにキャンプは特別なスキルを必要とするものではなく、誰にでもできます。今日は災害時に役に立つキャンプ用品を紹介したいと思います。
どのような状況のときに役にたつの?
キャンプ用品が役に立つ状況として、次のようなケースがあると思います。
・自宅が損壊した場合
地震などにより、自宅が損壊してしまった場合には一時的な住まいとしてテントが役に立ちます。また、余震で壊れる恐れがある場合や、不安を感じる場合にも利用することができると思います。仮に家が倒壊してしまった場合でも、堀り出して使用できる可能性もあります。ただし、テントは地滑り、液状化などの恐れがない安全な場所に設営する必要があります。
・電気、ガスが止まった時
電気やガスが止まってしまった時は、キャンプで使用するランタン(灯り)や調理用のバーナーが役に立ちます。
災害時に役に立つキャンプ用品の選び方
「災害時に役に立つ」という観点からキャンプ用品を選んでみると、次のようなものがあります。道具は、専門のアウトドアショップなどで買うに越したことはありませんが、近所のホームセンターで売っているものでも十分役に立ちます。
●テント
災害時の使用を考えるならば、高さのあるオートキャンプ用のテントがいいです。
山岳用のテントは丈夫で信頼性は高いのですが、風の抵抗を小さくしたり、軽量化するために天井が低くなっています。災害時、少しでも快適に過ごすために、テント内で立っても天井に頭があたらないものをおすすめします。
多くのテントは「テント本体」の上に「フライ」と呼ばれる防水性の高いシートで覆う構造になっています。テントの出入口にできる「テント本体」と「フライ」との間の空間を「前室」と呼ぶのですが、この「前室」が広いものをお勧めします。目安としては靴やゴミ袋などのほか、調理用バーナーが使用できるほどのスペースがあるといいです。例えば4~5人用のファミリーテントでいうと、畳1つ分以上あるといいと思います。
テントを選ぶ際、同一メーカーの同じようなサイズのテントでも、値段が大きく異なることがあります。これはテントの骨組みであるフレーム(ポール)の素材が異なることが多いです。安価なテントはグラスファイバー製のものが多いですが、高価なものはジュラルミン(アルミ合金)を使用しています。ジュラルミン製は風に強いのでおすすめな素材です。両者の違いはポールの色を見ればすぐにわかります。グラスファイバー製のボールはほとんどが黒色です。触った感じはプラスティックのようなグラスファイバーに対して、ジュラルミン(アルミ合金)製は金属の質感があります。
野外での使用を考えるならばオートキャンプ用のテントがいいですが、もし、避難先の体育館などでプライバシー確保を目的とするならば、前室の小さいテントや、夏の海辺で日よけとして使用される簡易テント(壁で覆い隠せるタイプ)が、スペースをとらないのでいいと思います。
●寝袋(シュラフ)
寝袋の形状は大きく分けて「封筒型」と「マミー型」と呼ばれる2種類があります。封筒型は長方形の形をしており快適性に優れています。一方、マミー型は体のラインにそって足元は細く、肩付近はやや幅広になっており、頭を覆う形状になっており、保温性と携帯性に優れています。防災用としては、マミー型と比べて保温性は劣るものの、快適性が高い「封筒型」のものがいいと思います。
災害時の使用を前提にした場合、寝袋は夏用の薄いものより、冬場での使用を考えて、秋冬用の厚手のものを選ばれることをおすすめします。秋冬用のものでも、封筒型の寝袋はファスナーを全開にして毛布のようにも使え、比較的温度調整がしやすいです。
●銀マット
とても重要な存在なのが、寝袋の下にひくマットです。地面に直接接していると想像以上に体温を奪われます。マットを敷くことで、断熱性と快適性が格段に向上します。ホームセンターなどで売られているものは、水色の素材の片面に銀色のシートが貼り付けられたマットが多いようです。このタイプは基本的に銀色の面を上にして使用します。
●調理用バーナー(ストーブ)
キャンプで使う調理用のバーナーは、燃料としてガスを使用するものと、ガソリンを使用するものがあります。防災用にはガス、なかでもカセットコンロ用のガスカートリッジを燃料とするタイプのものが、比較的燃料を入手しやすい上に扱い易いのでおすすめです。
●コッヘル
キャンプなどで使用される、携帯性に優れた鍋などの炊事用具を「コッヘル」といいます。できることならばコッヘルもあるといいのですが、なければ普段使用している鍋等でも問題ありません。
●ランタン
ランタンは照明の一種です。主に吊るしたり、テーブルの上に置いたりして使用します。ガソリンやガスを燃やすタイプもありますが、防災用には乾電池を使用した「LEDランタン」がおすすめです。LEDの灯りは通常、白色です。しかし、白熱灯のようなオレンジ色のLEDもあり、これを使用したランタンが個人的にはおすすめです。冷たさを感じる白色に対して、白熱灯色はどこか温かみを感じて安らぎを覚えます。
●ヘッドランプ
灯りはランタンのほかに、両手が空くヘッドランプを一人一個、用意されることをおすすめします。電池の消耗が少ないLEDタイプのものがいいです。
●ポリタンク
ポリタンクは10Lのものを1つ用意するよりも、5Lのものを2つ用意することをおすすめします。小さい容器ならば、女性や子供でも比較的楽に持ち運びができます。
●多機能ナイフ
いわゆるスイスアーミーナイフとよばれるもので、小さなボディのなかに機能満載のナイフです。自分の場合、普段のキャンプではあまり活用の機会が少ないアイテムですが、災害時には役に立ちそうです。ナイフやハサミなどの機能の他に、「ノコギリ」、「プライヤー」、「ボールペン」などが役に立ちそうです。
多機能ナイフは使い方を知らなければ用をなしませんので、事前に使用方法を把握しておくことをおすすめします。ホームセンターで安価なものが売っていますが、ナイフやハサミの切れ味が全く異なるのでスイスの2大メーカー製のものがおすすめです。
●アウトドア用浄水器
アウトドア用の浄水器はウイルスは除去できませんが、赤痢やコレラ等を引き起こす細菌やバクテリアを除去することができます。近くに澄んだ川や湖がある場合には役に立つかもしれません。泥水の場合はすぐに目詰まりしてしまうので、布、小石、綿などで泥水をこしてから使用する必要があります。
浄水器は、次のような方法で作ることもできるようです。
※キャンプ用品は、災害時に初めて使用するのではなく、慣れるために何度か実際に使用されておいたほうがいいとおもいます。
防災用としてだけではなく、レジャーとしてもおすすめです♪
防災の一環としてキャンプ用品を紹介しましたが、せっかく準備したならばご家族や友人などを誘って、実際にキャンプに行かれるといいかもしれないですよ♪
小さなお子様にはきっといい経験にもなりますし、何よりも喜ぶのではないでしょうか。大人にとっても、自然を身近に感じることができるキャンプは癒されます。
防災兼レジャー用にキャンプ用品を備えるのはいかがでしょうか?
標高が低い場所ならば、個人的には秋のキャンプもおすすめです♪
Text:sKenji
最終更新:
iRyota25
この記事は、人によって、また災害の状況によって、見解が大きく異なる可能性があると思います。