赤皿貝という名の極上の美味 iRyota25 2016.11.25 6 6,609 0 アカザラガイという食材を知ったのは、まだ関東近郊に暮らしていた頃のことだった。お昼のNHKテレビに地域の特産や風物を紹介する番組があって、その中でその貝が紹介されていた。 平日の昼日中のテレビ番組だから、祝日のことだったのかもしれない。仕事を休んだ時のことかも
2016年初冬、紅葉の意味 iRyota25 2016.11.25 4 1,916 0 この季節になって、以前所属していた会社の社長が、「うん、紅葉いいね」と言った言葉を時々思い出す。2012年の11月、被災した東北の状況を取材しに行くときのことだ。 それは震災の翌年の秋だった。彼が言った「いいね」とは、人々の暮らしがずたずたに破壊されながらも、何
スーパームーン前後のこと iRyota25 2016.11.17 4 1,354 0 68年ぶりのスーパームーン、全国的には曇りがちでなかなか見えなかったらしいが、三陸沿岸ではけっこうよく見ることができた。 もっとも小さく見えた時よりも面積で3割増の満月ということで、少し前から話題になっていたが、地震との関係を心配する声もあった。 そんな矢先の1
萬来食堂の【さんまうめ〜めん】は中華の大発明だ iRyota25 2016.11.16 5 2,284 0 下船渡駅のすぐ近く、国道45号線沿いの萬来食堂は地元で人気の老舗食堂。ラーメンを中心に定食や丼物がメニューにはずらりと並ぶが、大船渡さんまらーめんプロジェクトに最初から参加してきた食堂としても知られている。 ということで、萬来食堂のさんまらーめん、『さんまう
大船渡の人たちの新しい町へのねがい iRyota25 2016.11.15 4 1,894 0 県が実施した復興工事の見学会に参加して、地元の人たちの声に真情を感じさせていただく機会があったのでご報告します。 約半日かけて大船渡市内各所の復興工事の現場を見て回った見学会、この日最後のプログラムは、JR大船渡駅があった周辺で工事が進めらている市街地の見学
久しぶりのサン・アンドレス公園 iRyota25 2016.11.15 4 3,330 0 大船渡の魚市場近くにあるサン・アンドレス公園。異国情緒が感じられるネーミングは1611年にスペインの探検隊が大船渡を訪れたことにちなむという。タワーが印象的なこの公園は東日本大震災の津波をもろに受けたものの、タワーは生き残った。大船渡の町の変化を見渡すことがで
いきなりびっくり。大船渡の新しいまちづくり iRyota25 2016.11.15 5 2,357 0 最近、東京方面からやってきた人たちから「なんだか大船渡は急に変わったね」という言葉をよく聞く。新しい駅舎と美しい商店街ができた女川や、復興工事を短縮化させるとして導入された巨大なベルトコンベアが撤去された陸前高田に比べると、たしかに大船渡の復興工事は『遅々
仮設がなくなる前にもう一度… iRyota25 2016.11.09 6 1,792 0 「交通整理の人を出した方がいいんじゃない?」仮設住宅の支援員さんが冗談とも本気ともとれないことを言う。 仮設にたくさんの人が帰ってきた日 大船渡市のある仮設団地の自治会長さんから「イベントの手伝いに来ない?」と誘われて行ってみたら、それは仮設団地のお別れ会を
加茂神社の津波警報塔 iRyota25 2016.11.08 2 1,905 0 大船渡駅前の時計塔が仮置きされた公民館前の公園から数100メートルしか離れていない加茂神社の境内からは、新しくつくられていく町がよく見える。津波に襲われた平地に突き出す半島のような高台にあるから、かさ上げされた新しい市街地や、先行してオープンしたショッピング
大船渡の時計塔との再会 iRyota25 2016.11.08 3 2,310 0 大船渡の町を見下ろす高台にある公園でそのオブジェと再会した。オブジェとは大船渡の時計塔。かつて大船渡駅前の商店街にあったものだ。 被災した後もかなり長い間、被災した時刻を示したまま、時計塔はその独特の姿で大船渡の町に立っていた。姿が見えなくなったのはかさ上
東北の地に蕎麦を蒔いたトヨタグループのボランティア。なぜ住田町でだったのか iRyota25 2016.10.31 4 2,054 0 7月末の夏祭りに合わせてやってきて、トヨタグループのボランティアチームが住田町の畑で蕎麦を蒔いてから3カ月。蕎麦畑の蕎麦はしっかり実をつけていた。 彼らが夏にやって来た時には、『デンボク設置』という農作業が物珍しくて、ボランティアさんたちのさらにサポートとい
「毎度ごひい〜きありが〜とおっ」の意味すること iRyota25 2016.10.31 5 2,120 0 お世話になっている知り合いの仮設住宅で作業などさせてもらっていると、昼間に裕次郎か何かの歌の口笛が聞こえてくる。口笛だけでなく「毎度、ごひい〜き、ありが〜とおっ」と決まった節回しの歌声も交じる。 さすがに裕次郎の口笛だけでは分からないが、歌声で誰が来たのか
三陸めかぶ冷麺は天才だ!【道の駅やまだ】 iRyota25 2016.10.31 4 2,403 0 岩手と言えば『盛岡三大麺』だ。わんこ蕎麦にジャジャ麺、そして冷麺。いずれも甲乙つけがたいものながら、さわやかな酸味のあるスープに弾力ある麺、さらにキムチなどがあしらわれた冷麺を三大麺の筆頭に推す声も大きい。 山田町の南、船越半島の付け根に位置する道の駅やま
かさ上げされた土地で感じた『意外』 iRyota25 2016.10.31 3 1,971 0 御蔵山は山田町の町のほぼ中心、海の近くにある小さな丘。江戸時代にはこの場所に、南部藩の出先機関が置かれていて、米や海産物など年貢として納める品物の蔵があったのだという。お上の蔵が置かれていたから御蔵山。まさにそのままのネーミングなのだが、そんな施設が小高い
海から見た山田の町 iRyota25 2016.10.31 4 1,555 0 気仙沼で大島行きのフェリーに乗って、海からの気仙沼の景色を眺めて以来、虫眼鏡で何かをさがすように地上を歩くだけではなくて、別の場所から眺めることも大切なんだと思うようになった。 岩手県山田町に行った時にもそう思ったのだが、急に思い立ってのことだったので船に
板挟みのような感覚。復興は成ったのか iRyota25 2016.10.31 4 2,219 0 東京の友人にこの写真を見せたら、「これどこ? いつの写真?」と驚いていた。写真の場所は岩手県山田町、船越半島にある大浦漁港で、撮影したのはつい先月。 津波で防潮堤が破壊されたところには、新しい防潮堤が高い壁のように築かれているが、残った防潮堤とはまだつながっ
2016年秋、電柱だらけの大槌町 iRyota25 2016.10.05 5 2,157 0 大槌町で「希望の灯り」が灯されているのは、大槌川と小鎚川の間にある高台、城山公園。ここからは大槌の町を見渡すことができる。 数カ月前には国道45号線から町に続くメインの道路は工事中。町方と呼ばれる津波被害が大きかった地域では宅地の区画整備が進められていた。 9
【気仙川・松日橋】橋をかける。何度でもかける iRyota25 2016.10.05 4 5,692 0 松日橋は岩手県南部を流れる気仙川に掛けられた木造の橋。川が増水した時には、橋そのものが浮き上がって流されるように作られた、いわゆる「流れ橋」だ。 流されるように作られた橋というと奇異に感じられるかもしれないが、頑丈な橋は濁流によって強度の限界を超えると橋そ
【気仙川・松日橋】流れ橋が流される iRyota25 2016.10.05 2 2,473 0 2016年8月17日午前 松日橋が流されていた。 前日からの猛烈な豪雨で気仙川の水位が上昇。橋が流されたのが16日の夜なのか17日なのかは不明だが、17日午前には写真のような状況だった。 4枚ある橋板は2枚ずつ、両岸からワイヤーでつながれているので、濁流にもまれながらも岸に
【気仙川・松日橋】盛夏の川の風景 iRyota25 2016.10.05 4 2,239 0 いつもは橋の上から眺めていた松日橋。お盆休みの日、初めて川から見上げてみた。 酷暑で火照った身体に川の水の冷たさが心地よい。川から見上げると、増水時に浮き上がって流れる「流れ橋」の構造もよく分かる。 足下を見るとカワトンボ。清流に棲むとされるトンボだ。 木の
笑顔で快走!ツール・ド・三陸2016 iRyota25 2016.10.05 4 1,523 0 カラフルなバイシクルスーツとヘルメットで身を固めた人たちが、奇跡の一本松を望む気仙大橋、かさ上げ工事が進む町を走っていく。 町全体が工事現場のような埃っぽい景色に見慣れた目には、ロードバイクの集団はかなりのインパクト。写真は秋晴れの9月25日、陸前高田市と大船
『ハドソン川の奇跡』と震災を経験した自治会長さんの願い iRyota25 2016.09.29 3 1,787 0 写真はハドソン川の奇跡とは関係ない。ニューヨークの街が「奇跡」を経験することになる約3年前のウェストサイドの冬の風景。ストレットリムジンが写っているのはご愛嬌。僥倖あって、高級ワイン付きのリムジンに15分ほど乗せてもらった記念写真みたいなもの。 ハドソン川の奇
被災地での自殺。ある日の新聞から iRyota25 2016.09.24 5 2,378 0 ある日、地方紙の地域面にこんな記事が掲載されていた。 陸前高田消防署が駆けつけた時には意識がなく即死状態で、飛び降り自殺した可能性がある。 震災の年、家も家族も職場も生活の場も失った人たちは、小学校や中学校などの体育館などに設置された避難所で、夏過ぎまでの長
【タイムカプセル】広田ビーチ2013年 iRyota25 2016.09.16 3 1,906 0 2013年夏 2013年夏、大船渡から陸前高田へ向かう途中でたまたま通りがかったそのビーチは、おどろくほど美しかった。 海はどこまでも青く、波が引いた砂浜に一瞬現れる水の鏡は、波と戯れる人たちの姿を映し出していた。 砂浜にわずかに漂流物はあったものの、海で泳いでいる
5年6カ月後の空にそびえる「奇跡の一本松」 iRyota25 2016.09.13 4 4,758 0 樹脂で固定されたその松はいつ見ても変わることはないはずなのに、一本松の表情は一日として同じことはない。 震災からもう5年6カ月。9月10日と11日、陸前高田の奇跡の一本松に行ってきた。 晴れているか曇っているか雪空か、風は強いか、ツバメが飛んでいるか、野に花が揺れ