「校庭」のない中学校 iRyota25 2017.02.11 3 7,876 0 以前このページで、陸前高田市立高田東中学校の新校舎のことをお伝えした。震災後に合併して誕生した東中が、今年の3学期から新校舎での授業を始めたこと、その竣工式で校長先生が、「この春入学する新中学1年生たちはこれまで校庭というものを知らない子どもたちなのです」と
市道大町線 iRyota25 2017.02.24 3 3,534 0 とっても不案内なタイトルだと思う。だけど、わたしにはこう記すことしかできない。陸前高田市道大町線。その路面に刻まれた何か、その路面にしたたった汗、その路面にもしかしたら突っ伏して流した涙、そんないろんな思い出を、思い出を持つ人たちのために記録させていただき
竹駒第2トンネルのいまとむかし iRyota25 2017.02.13 4 1,960 0 道慶さんの祠のすぐ近くにトンネルがある。いまや草ぼうぼうで、遠目には分かりにくいが、道慶さんの祠の前にはJR大船渡線の線路が走っていた。こちらは道慶さんのように400年もむかしのことではない。わずか6年前のこと。 津波の被害が大きかった場所では、線路はおろか路盤
ひなまつり、七段飾りの兵隊さん iRyota25 2017.03.02 3 2,397 0 明日はひな祭り。東北でも古い町並みを中心に昔ながらのひな祭りを再現するイベントがたくさん開催されている。岩手県の南の方でいえば、遠野でも大迫(おおはさま)でも石鳥谷(いしどりや)でも千厩(せんまや)でも。陸前高田のように震災で町がまるごと流されてしまったと
国道45号線のえびす様 iRyota25 2017.02.13 4 1,761 0 なんとえびす様に出会ってしまった。 えびす様が鎮座されているのは国道45号線の沿線。ほぼ直線の道路が少しカーブした先に赤いガソリンスタンドの看板が見えるくらいだから、ここは引きちぎられた道路案内表示のポールから東に1kmちょい走った場所。 そしてこの場所は、コン
桜咲く春の吹雪 hometown_of 2017.04.14 2 1,490 0 大船渡市長が桜の開花宣言というニュースが流れたのは4月7日頃のこと。翌日の新聞にはしっかり写真入りで掲載されていたので、大船渡に行くたびに桜を探して回ったのだが、開花宣言の標本木は見つからず。それどころか、桜の見所として知られる土手沿いも、町に点在する桜の木
三島から経由してマスターに託したもの hometown_of 2017.04.14 2 1,505 0 3月末に開催された手芸の展覧会で、展示場所を少しだけ借りて、三島の仲間からお預かりしたクラフト作品を飾らせてもらった。 「静岡県三島市の佐野比呂子さんが作ったアイデア小銭入れです。平行四辺形に切った革をスナップで止めて三角形にしています。小銭入れにもいいし、
東北の知恵「素晴らしき枝箒」 iRyota25 2017.02.24 3 3,087 0 雪が少なめだった今年の東北地方。「どこそこにタラの芽が出てるよ」とか、スーパーの鮮魚コーナーに「春告魚」として知られるメバルが1匹68円で並ぶようになったりとか、このまま春に突入かと思いきや—— とんでもないのです。 しっとりとした空気に淡い小雨が交じるような夜
仮設住宅の人情 hometown_of 2017.03.17 3 956 0 少し前まではたくさん人がいたのっさ。高田で二番目くらいに大きな仮設だからね。いまじゃ夜、玄関から外を見るととおりが全部真っ暗で寂しくなる。人がいなくなったのは分かっているのにな。 あんた、最初に来た時、手芸の集まりにもたくさん人が来てたっぺ。15人前後はいた
今日は喫茶店の日。マスターの笑顔のわけ hometown_of 2017.04.13 2 1,395 0 最近マスターはいつも機嫌がいい。いや、もともと優しい笑顔がトレードマークのマスターなんだが、最近はとくに表情が輝いている感じがする。 マスターがご機嫌なのは、毎朝のラジオ体操の参加者が増え続けているからだ。8月に入居が始まった岩手県内で最大規模の公営住宅、県
釜石市鵜住居付近で進められる鉄道工事 iRyota25 2017.02.24 3 2,568 0 素直に「わあスゴイや」と心がときめいてしまった。 最前までパワーショベルからバラス(砕石)を積み込まれていたダンプカーみたいな車両が、すうぅーっとなめらかに鉄道線路の上を走っていく。 滑るように走っていった道は、間違いなく線路に他ならない。ここは釜石市鵜住居
今年の春の新入生たちは「校庭」というものを知らないんです iRyota25 2017.01.31 4 2,563 0 陸前高田市立高田東中学校は、東日本大震災で被災した広田中学校、小友中学校、米崎中学校の3校が統合して2013年4月に誕生した。これまで修理した米崎中学校を校舎として利用してきたが、1月16日の3学期の始業式から、新設された校舎で授業を始めている。 1月29日(日曜日)に
日曜日も工事の日 iRyota25 2017.02.05 4 1,834 0 日曜日は工事は休みというのが建設業の常識なのだが、陸前高田の中心市街地付近では、日曜日にも重機の音が響く。 朝一番に道路から見ると、2台の重機で掘削を始めていた。場所は、3月の完成予定目指して複合商業施設の建築が進む、いわばいま一番ホットな現場。厳しい冷え込
雪のさんぽ道で見つけた「冬の龍」 iRyota25 2017.02.03 4 1,552 0 最初の印象、びっくりした! ぎょっとしたとか、いろんな印象を言葉として思う前に、とっさに一歩後ろに飛び退いたと白状すべきか。 なにせ、雪の中に大きな龍のような物体がのたうっていたのだから。 頭を川沿いの薮に突っ込んで、龍は雪の上に横たわっていた。 「千と千尋の
3年後にワールドカップを迎える釜石の2016年 iRyota25 2016.12.31 6 1,935 0 この道路案内標識が示すところに道はまだない。 標識が示す場所へ、被災した町をぐるっと回っていくと、その場所には広大な造成工事現場が広がっている。ここは 中学生や高学年の子どもたちが小さな子どもたちを引率して、避難場所に指定されていた場所へ、そしてさらに高台へ
大船渡は海の町 hometown_of 2017.05.30 1 2,025 0 大船渡には古生代や中生代に形づくられた地層が多く残る。地球史的にも貴重な大地に、湾が深く切れ込んだ場所に大船渡は位置している。 水深が深い湾にのぞむ大船渡は古くから良港に恵まれて栄えてきた。 東北地方でも有数の国際港で、巨大な豪華客船もやってくる。観光ポスタ
大船渡は漁業と水産業の町 hometown_of 2017.05.30 1 1,887 0 大船渡の町中を歩いていると、こんなカラフルなペイントが施されたトラックに出会うこともある。海の町大船渡は漁業と水産業の町。 しかし、あの災禍をもたらしたのは海だった。町の人たちが愛してきた海だった。 地元デュオ LAWBLOW の「家に帰ろう」に綴られた言葉は、大船
赤皿貝という名の極上の美味 iRyota25 2016.11.25 6 6,850 0 アカザラガイという食材を知ったのは、まだ関東近郊に暮らしていた頃のことだった。お昼のNHKテレビに地域の特産や風物を紹介する番組があって、その中でその貝が紹介されていた。 平日の昼日中のテレビ番組だから、祝日のことだったのかもしれない。仕事を休んだ時のことかも
みちのく見語り聞き語り百ばなし~1~ iRyota25 2017.03.01 2 2,566 0 1春 おらだちゃ東北の者には、春は特別なんだぁ 今年ゃ早くて、二月の半ばにゃタラの芽が出だとか バッケ(フキノトウ)をめっけだりして みんなが春めいた話、はじめていだぁ 今年は雪も少にゃぁし、春が早っい感じだぁ こないだ、スーパーの売り場にソラマメが並んでだぁ い
釜石ラーメン「こんとき」が教えてくれたもう1つの味 iRyota25 2016.12.31 4 2,543 0 「こんとき」は釜石ラーメンの名店として知られる。ご主人の紺野時男さんは奥さんと2人で屋台のラーメン店からスタート。その後、飲屋街に店舗を構えた。釜石は新日鉄の起業城下町であり、また漁師町でもある。こんときがオープンした当時は、鉄も漁業も熱気にあふれていた時
釜石市鵜住居の駅の場所はどこ? iRyota25 2017.02.24 2 2,696 0 釜石市の北、鵜住居地区で進む災害復旧工事。鵜住居といえば、小中学校の生徒が助け合って津波被害を逃れた土地として知られる。近年では同じ近隣で被災して亡くなられた方も少なからずいたことから呼称に修正が必要と言われるようになってはいるものの、「釜石の奇跡」として
陸前高田で「遊び初め」セレモニー hometown_of 2017.05.02 1 2,643 0 アバッセたかたのオープニングレセプションに続いて、おとなりの「まちなか広場」では、市内の子どもたちを招待して「遊び初め」セレモニーが行われた。 遊び初めには保育園の子どもたちのほか、陸前高田、大船渡、住田のキャラクター、たかたのゆめちゃん、おおふなトン、す
空ゆく者たち【2017.3.11】 hometown_of 2017.03.11 2 1,138 0 2017年3月11日。「今日だけではない。今日だけ追悼すればいいというものではないでしょ」と、作業所で働いている青年が切々と語った。少し聞き取りにくかったけれど、思いが伝わってきた。この土地で生きるということは、あの日、突然断ち切られた営みへの思いを抱いて、自ら
【さあ、これからだ】アバッセは花の香りにあふれて hometown_of 2017.04.28 1 2,992 0 アバッセに一歩足を踏み入れると、そこには花の香りが溢れている。お菓子屋さんの店先でも、カフェの入口でも、フードコートでも花の匂いしかしないほど。 そんな様子を、気仙沼の知人がこう言った。 「ほんとうにたくさんのお花ね。いい匂いだわ。きっと6年間の思いが、この
マルカン大食堂と、私たちの「これから」 iRyota25 2017.02.24 2 2,011 0 かつてデパートだった建物の入口を入ると、そこにはカフェやクラフトショップ、展示ブースやキッズコーナーがある場所に変身していた。デパートというより、誰もが立ち寄れるウェルカムなスペースといった感じ。 マルカン大食堂は日本の未来のリトマス試験紙 マルカン大食堂の