アバッセたかたのオープニングレセプションに続いて、おとなりの「まちなか広場」では、市内の子どもたちを招待して「遊び初め」セレモニーが行われた。
遊び初めには保育園の子どもたちのほか、陸前高田、大船渡、住田のキャラクター、たかたのゆめちゃん、おおふなトン、すみっこも登場。子どもたちも大喜び。
とはいえ、初日の朝のセレモニーでは、子どもたちよりもかつて子どもだった人たちの方が多いくらい。市長はじめ市役所や来賓の人たち、大きなカメラを抱えたメディアの人が見守り、上空にはなんと取材のジェット機まで。そんな中での遊び初めは、ちょっと不思議な光景。
アバッセの工事現場にこの遊具が登場した時には、砂埃だらけのこの場所に子どもたちが来て遊んでもらえるのかと危惧する声も多かったのだが——。
商業施設アバッセのオープンに合わせて、笑顔の子どもたちが遊ぶ様子がニュースで伝えられたら、まるでもう陸前高田は復興したかのように誤解されてしまうかもしれない。そんなことまで心配になる。
子どもたちは純粋によろこんでいる
でも、子どもたちは陸前高田のまち中に遊び場ができたことをよろこんでいた。
大きな子どもたちがいなくなった午後のまちなか広場には、アバッセのオープンでやって来た本物の子どもたちの歓声が響きわたる。
お弁当を食べにまちなか広場に行ったら、ちょうど小学校3年生くらいの子どもたちが、まちなか広場のルールが書かれた看板を早口で読み上げていた。
「ここはみなさんの広場です。気持ちよく利用できるよう、マナーを守りましょう。指定された場所以外での立ちションは禁止です」
えっ、立ちション禁止なんて書かれてるの? と話しかけると、当の子どもたちはポカンとした顔。一瞬置いて「違うよ、火気使用は禁止だよ」と大笑いしながら教えてくれた。小学校は家庭訪問で早帰りだったのだそうだ。
見ず知らずでも、年の差があっても自然と話ができるようないい空気がまちなか広場にあった。
「これまでは子どもたちが思いっきり遊べる場所がなかったからね」とは、小さな子どもを連れたお母さんの声。
震災から6年。大きな遊具で遊ぶのが初めての子どもも少なくなかったことだろう。工事現場のただ中にあって、歩いてくるのも困難な場所ではあるけれど、アバッセとまちなか広場がこの町のオアシスのような場所になってくれますように。
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