自閉症を持つ人の中には「いつもと違うことを極端に嫌う」など、強いこだわりを示す人がいることを前回ご紹介しました。
ウチの娘にはあまり強いこだわりはないのですが、なんとなく「こうしないと気持ち悪い」と思っているらしいものはいくつかあるので、拾ってみました。
右にいろ。頬杖(ほおづえ)はつくな。
娘はひとりで上手にごはんを食べられません。なので多くの場合は横に人がついているのですが、その時には上のふたつの決まりがあります。
「右にいろ」に関してはほぼわたしに限られていて、他の人だとそうでもありません。
そのとき横にいる人がテーブルに肘をついていること自体が気に入らないっぽいのですが、ほおづえをつくのは特に重罪で、即座に手で払いのけられます。そうだね、ほおづえは行儀がわるいね、スミマセン。
靴下は履くぞ。ただしクルマでは脱ぐぞ。
真夏でも靴下を履かないと靴を履いてくれません。うっかり靴が脱げても靴下のまま歩いていたりするので「足の感覚はどうなってるんだ?」と不思議に思います。
なのにクルマに乗ると靴も靴下も脱ぎます。そうすると今度は、クルマを降りる時に靴下を嫌がったりするのです。
じゃあそのとき靴下なしで靴を履いてくれるかと言うとそれはダメ。靴下をとんでもないところに投げていたりするので、クルマをすぐに降りてほしい時はすごくメンドクサイです。
この階段は、これで合ってんのか?
これは最近気づいたのですが、建物の外階段によくあるような金属製の階段を登りたがりません。なんだか犬が「側溝のふた」を嫌がるのに似ているような。
向こう側が見えるのがイヤなのか、カンカンと音がするのがイヤなのか。ひょっとして「未完成」だと思ってるのでしょうか(^_^;)。
いいか、俺の後ろに立つな。
一緒に歩いている人が娘よりも後ろにいると、立ち止まって振り向き「オマエ、おせえんだよ…」と眉をひそめた顔になります。そして「前に行け前に」と腕を引っ張られます。
障害の有無に関わらず「ルーチンを大切にする」とか「ゲン(縁起)をかつぐ」など「いつもこうしないと気持ち悪い」という物や事って大なり小なり誰にでもあるのではないでしょうか。
娘はこの春から新設校へ通っています。子供によってはスクールバスの時間も場所も変わったし、先生も学校内の様子もまったく新しいことばかり。まだ馴染めない子供たちも大勢いると思います。
ウチの子はどうかというと…
今のところ機嫌よく過ごしているようで安心しました。知っている先生がいる保健室からはなかなか出てこなかったそうです。「サロン」だと思ってるのでしょうか(*^-^*)。
ウチの子は新しい環境には比較的なじみやすいので楽です。といっても昔は何ごとにもビビりだったのですが、なるべくいろんなところに連れて行こうと心がけてきたことの成果だとしたら、それはすごくうれしく思います。
ただし「いつもと違うこと」や「新しい環境」に慣れさせようと無理をしてはいけません。その時その子にとって良い方法を丁寧に探していきたいですね。
最終更新:
baikinman
いつも娘さんの表情を読んだ絶妙なコメントに微笑んでます。
> 「オマエおせえんだよ」
> 「チッ、またオマエは後ろに…」
いいですね(笑)
pamapama
何が言いたいか目とまゆ毛でだいだいわかります、といっても推測に過ぎませんが、いい線いってるのではないかと(*^-^*)