こちらも三大桜の名所などと大げさに宣伝されることはないが、やはり見事な遠野の猿ヶ石川の桜。遠野物語にも登場する猿ヶ石川の川沿いに、ずらりと桜並木が続く。この地の桜の良いところは、同じ岩手県内でも花期が遅いこと。冬が厳しい盆地ゆえか、岩手県下某所の桜が満開だったその日には、まだ五、六分咲きだった。
東北は春が一度に訪れるから、旅するなら春の頃が最高だ。それでも年によっては花が早かったり遅かったりする。せっかく花の季節を狙って訪れても、もう散った後だったということもよくある。(私も何度も経験した)
岩手県中南部に限って言うなら、桜の花が咲く順番はおおむね、陸前高田・大船渡・釜石あたりの沿岸南部が最も早く、わずかに遅れて平泉や北上、花巻あたりの内陸部(内陸部は以外と早い)、続いて盛岡や小岩井農場あたり、最後が遠野や住田といった感じ。来年以降、桜を楽しみに東北にいらっしゃる際にはご参考にしてください。
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