途中、あちらこちらに「ミョウコウトリカブト」が紫色の美しい花を咲かせて群生していた。トリカブトと言えば猛毒を持った植物として知られているが、その姿からは想像がつかない。
ミョウコウトリカブトは、一般的に多く見られるヤマトリカブトよりも草丈が低く直立に近い状態で生えているのが特徴である。写真に写っている黄色の花は「キオン」と思われる。
振り返るとそこにはミョウコウトリカブトと天狗の庭♪
天狗の庭と山頂とのほぼ中間くらいの位置に「ライチョウ平」がある。その名の通り、このあたりには氷河期からの生き残りと言われる希少な鳥、ライチョウが棲んでいる。
火打山は日本に生息するライチョウの北限と言われており、つがいが10組ほど確認されている。
しかし近年、地球温暖化の影響で生息域が狭められるなど環境が悪化しており、このままでは10年もたたないうちに火打山からライチョウの姿が消えることが指摘されている。
ライチョウ平を過ぎると山頂はもう目の前!
火打山、登頂!
天狗の庭などが一望でき、まさに絶景。
山頂からはなだらかな稜線が伸び、途中には天狗の庭が見える。雲で隠れてしまっているが、晴れていれば妙高山の姿も目にすることができる。
山頂から見た天狗の庭。標高およそ2,100メートルに広がる、まさに神々(天狗?)の遊び場のようである。
頂上からの景色を堪能すると昼ごはんを食べ、そして、火打の山頂を後にした。
下山の際には黒沢池に寄り道を♪
下りのルートは登ってきた道を戻るのが最短ではあるものの、高谷池ヒュッテから黒沢池ヒュッテを経由しての下山がおすすめである。
ヒュッテの近くにある黒沢池は、高谷池や天狗の庭と同じ湿原地帯である。しかし、その規模はとにかく広く、2つとはまた違った魅力を持っているので、遠回りしてでも見る価値がある。特に高谷池ヒュッテから茶臼山を経て向かう途中、眼下に広がる黒沢池湿原は必見である。
火打山は途中に危険な個所もなく、登山経験者ならば誰もが楽しんで登ることができる山である。しかし、それでありながら、山上には素晴らしい湿原と高山植物が咲き誇る世界が広がっている。その光景はまさに山の上の楽園である。
またひとつ、再び登りに来たいと思う山が増えた山行であった。
火打山
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji
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