【ベトナム旅行レポート】ハロン湾へジャンプ! ~Vol.9~

sKenji

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ハロン湾のダウゴー島にて
ハロン湾のダウゴー島にて

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 【ぽたるページ】【ベトナム旅行レポート】地下に広がる別世界、フォンニャケバン国立公園 ~Vol.8~ - By sKenji - ぽたる
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海の桂林・ハロン湾について

ベトナム一の景勝地と言われるハロン湾。いつか一目見たいと10年以上前から夢に見ていた世界遺産で、今回ベトナム旅行を決めた際にここだけは必ず行こうと思っていた。

ハノイから車で3時間半ほどの場所にあるこの入り江には大小2000とも言われる奇岩が浮かび、その光景はさながら海の桂林と言われている。ハロンとは「龍が降り立った場所」という意味であり、旅行のガイドブックには次のように書かれている。

ハロンという地名は、ハ=降りる、ロン=龍を意味している。その昔、外敵の侵略に悩まされていたこの地に、 龍の親子が降り立ち、敵を打ち破って宝玉を吹き出した。それが奇岩となり、その後、海からの外敵の侵入を防いだという。深いエメラルドグリーンの海はそんな伝説がよく似合う 神秘的な雰囲気に包まれている。

地球の歩き方 ベトナム

洋上に突き刺さるように浮かぶ無数の島々を見ていると、「龍が吹き出した宝玉」の言い伝えがうまれたのも納得できる。

ハロン湾へ

ハロン湾へはフォンニャ-ケバン国立公園を見た後に向かった。

できることならば、フォンニャ-ケバンからダイレクトに行きたかったものの、一度ハノイに出た方がハロン湾には早く到着するようであった。

そのため、フォンニャ-ケバン最寄りのソンチャック村から夜行バスに乗っていったんハノイまで行き、そこからハロン湾ツアーに参加することにした。

ハロン湾の観光は船で島々を見て周るのが一般的である。日帰りでのクルーズツアーが最もポピュラーではあるが、湾内に浮かぶ船に泊まりたいという理由で1泊2日のツアーに申し込む。

素敵なクルーズボート♪

ハノイからのツアーのライトバンがバイチャイの港に着く。バイチャイはハロン湾のクルーズ船が発着する港町のひとつで、桟橋には何隻もの船が係留されていた。

バイチャイの港
バイチャイの港
桟橋を歩き、いざクルーズボートへ
桟橋を歩き、いざクルーズボートへ

船のグレードはピンキリで様々ある。私はエコノミーなツアーに申し込んだので、それほど期待はしていなかった。ところが、実際に現地で目にしたクルーズ船は想像以上に綺麗で大満足。

船は木造で上甲板より下の船体構造は不明だが、上は2層になっており最上階の上にはくつろげる開放的なデッキがあった。船内には食堂の他に二人部屋が複数ある。ちなみに1人で申し込んだ場合、男女関係なしの相部屋となるツアーもあるので、女性の一人旅行者は事前に確認をした方がよい。

この船でハロン湾ツアーへ!
この船でハロン湾ツアーへ!
ボート最上階の上には開放的なデッキがあり、憩いの場となっていた
ボート最上階の上には開放的なデッキがあり、憩いの場となっていた
船内の食堂
船内の食堂
船の部屋。二人部屋
船の部屋。二人部屋
1人で申し込んだ場合は相部屋となることもある。ちなみに私はノルウェー人バックパッカーと一緒であった
1人で申し込んだ場合は相部屋となることもある。ちなみに私はノルウェー人バックパッカーと一緒であった

1泊2日のハロン湾クルーズへ

クルーズ船はバイチャイの港を出るとまず最初にダウゴー島へ向かった。

島にはティエンクン洞という鍾乳洞があり、ハロン湾クルーズでは定番のスポットとなっている。洞窟内は高さ約20m、幅10mほどの空間があって、鍾乳石がカラフルにライトアップをされている。

鍾乳洞を出たところに展望台がある。その昔、この辺りの海には海賊が出没したというが、この見晴台から見るとんがった山と入り江には、海賊がアジトにしたくなるようなものを感じさせられる。

ダウゴー島の小さな入り江
ダウゴー島の小さな入り江
海賊が好みそう?な島
海賊が好みそう?な島

鍾乳洞の見た後、再び船に乗り「水上家屋」へと向かった。水上家屋とはドラム缶や発砲スチロールなどを浮力材にして土台を造り、その上に小屋を建てたものである。人も住んでおり、ハロン湾全体で約1600人ほどが主に漁業を生業にして海の上で生活しているという。

ダウゴー島の水上家屋
ダウゴー島の水上家屋
数世代前から続く伝統的な暮らしではあるものの、生活排水などの問題もあるという
数世代前から続く伝統的な暮らしではあるものの、生活排水などの問題もあるという

海上に浮かぶ住居を20分ほど見学するとクルーズ船はカットバ島を目指した。途中には香炉岩などの奇岩があり風光明媚な景色が続く。まさに海の桂林と形容されるにふさわしい光景である。

水上家屋見学の後はカットバ島へ
水上家屋見学の後はカットバ島へ

船はカットバ島に着くと、小さな島々が点在している穏やかな入り江に錨を降ろした。

太陽はだいぶ傾いている。どうやら楽しみにしていたハロン湾での一夜はこの場所で過ごすことになりそうである。

ディナーまでの時間は思い思いに♪

クルーズ船はカットバ島に停泊。近くには4、5隻ほどの船が停まっていた。写真は同じような造りをした隣の船。
クルーズ船はカットバ島に停泊。近くには4、5隻ほどの船が停まっていた。写真は同じような造りをした隣の船。

夕飯まではしばらく時間があった。ツアー参加者には海でカヌーをするものもいれば、船上から景色を眺めたり、最上階のデッキで優雅に読書をしている人もいた。

みな思い思いにハロン湾での夕暮れ時を楽しんでいるようであった。

夕方のハロン湾。カットバ島停泊中に撮影

夕方のハロン湾。カットバ島停泊中に撮影

私はと言うと、水着に着替えて最上階にある開放的なデッキへ。

「ハロン湾で泳ぐ」。旅立つ前から抱いていたこの願いをかなえるためだ。

とはいえ、泳ぐだけならわざわざクルーズ船の一番高い所から飛び込む必要はない。しかし、同じ船に乗り合わせていた旅行者との話の成り行きで最上階デッキからダイブすることになったのだった。

デッキに出ると少しでも高い所の方がいいと思い、さらに手摺に上る。高さはアパートの三階のベランダくらいだろうか。

「スリー、トゥー、ワン」と自分で声を出し、ゼロで海面めがけてジャンプ!

恐らく1、2秒の短い時間に違いないのだが、飛んでいる間はやたらと長く感じる。もうそろそろ海面かと思ったころに

「ズボンッ!」という衝撃と同時に風景はエメラルドグリーンの海の中へと変わった。周りには激しい泡が沸き起こっている。

海水は思ったよりも暖かった。ガイドブックによれば4月初旬は泳ぐにはまだ早いとのことで少し心配していたが、拍子抜けするほどの水温であった。

海面に顔を出すと船から歓声があがった。そして、最初の1人が飛び込むのを待っていたかのように、他の若者たちも次から次へと海へと飛び込み始めた。

私はまるで温泉にでも浸かっているかのような心地良さのなか、海にぷかぷか浮かんでいた。今にも沈みそうな太陽が神々しく、そして、ハロン湾というロケーションも手伝ってこの上ない充実感に浸っていた。

ディナーの後に獲れたての生ガキ♪

ディナーの後、満月を見るために最上階デッキへと上がった。すると、1層目の船楼甲板後部から賑やかな笑い声が聞こえてくる。声のする方へ行くとボートのクルー達が酒を片手に目の前に山のように積まれた生ガキを食べていた。

私の姿を目にした彼らは「お前も来い!」と大きく手招きをしてきた。

誘いに応じて輪の中に入ると、まず最初にベトナムの焼酎を勧められた。以前ハノイに仕事で来た時もそうであったのだが、宴会の席での彼らの飲み方は、ときに容赦ない一気飲みを求めくる。むかし見かけた日本の学生のコンパとよく似ている。アルコールが回り、気持ちよくなっていた乗組員たちはしきりに飲み干すようにはやし立ててきた。

逃れるわけにはいかないだろうな・・・。

そう思い、ショットグラスのような小さな盃を一気にあける。すると彼らは大喜び。次の一杯を勧めてきた。

続けて飲むには少し酒が強すぎた。笑いながら「少し休んでから」と言うと、クルーのひとりがカキを一つ剥いて「ほれ、食べろ」という具合に差し出してくれた。

指でつまみ、口に入れる。とろけるような生ガキの味に口の中いっぱいに広がった。なんでもハロン湾で獲れたばかりのカキを漁師さんから直接買い付けてきたという。

1時間にも満たない時間ではあったが、ベトナム焼酎とハロン湾の生ガキ、そして愉快なクルーたちのおかげで素晴らしい船上の夜となった。

旅の終着地、ハノイへ

翌朝、目を覚ますと外はどんよりとした曇り空。今にも雨が落ちてきそうであった。

翌朝はどんよりとした曇り空
翌朝はどんよりとした曇り空
朝にカヌーをしている人もいる
朝にカヌーをしている人もいる

朝食を済ませるとボートはゆっくりとバイチャイ港へと向かい始めた。

デッキに出ると半袖では肌寒い。一枚羽織ってボーっと変わりゆく風景を眺めながら同室のノルウェー人と片言の英語で話をしていた。

バイチャイの街にあった色とりどりの建物

バイチャイの街にあった色とりどりの建物

船が港に着くとバイチャイの街で昼食を取る。その後、ツアーバスでハノイへ。

バスは旧市街の近くに到着し、そこでツアーは解散した。私は同室だったノルウェー人に別れを言い、その日の泊まる宿を探しに古い街中へと入っていった。

<【ベトナム旅行レポート】不思議な魅力を持った街、ハノイ ~Vol.10~ に続く>

 【ベトナム旅行レポート】不思議な魅力を持った街、ハノイ ~Vol.10~
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バイチャイ

Text & Photo:sKenji

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